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  1. 佐賀県議会 2019-11-04
    令和元年11月定例会(第4日) 本文


    取得元: 佐賀県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-28
    最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1     ○ 開     議 ◎議長(桃崎峰人君) おはようございます。これより本日の会議を開きます。  昨日に引き続き一般質問を行います。  通告に従い、順次発言を許可いたします。 2 ◎藤木卓一郎君(拍手)登壇=おはようございます。自民党会派の藤木卓一郎でございます。  質問に入ります前に、ことし十月末に私たちの大先輩であられます富崎一巳先生が亡くなられました。佐賀県議会の副議長まで就任され、本当に惜しまれながら引退されてからも、前の知事である古川康代議士との御縁であるとか、地元鍋島との御縁もあって、西久保議員さんの質疑の日には必ずこの議会の傍聴席にお座りになり、ほかの議員も含めて熱心にその質疑を聞いておられました。  先生は、親子二代にわたって県勢の発展に大いに貢献されたすばらしい政治家だったと思います。さきに亡くなられた水田唯市先生、吉田欣也先生とともに心より御冥福をお祈り申し上げ、先生が傍聴席に今おられると思って、全ては県勢浮揚のために誠実に質疑に取りかかりたいと思います。  まず一番目、土地利用型農業の振興についてという問いであります。  本県では、整備の進んだ水田を活用し、米、麦、大豆を組み合わせて生産性の高い土地利用型農業が展開されております。特に大豆につきましては、近年相次ぐ気象災害や排水不良などにより収量が大いに伸び悩んでおります。  しかし、さはさりながらも、機械化された作業体系で簡易に生産できることや、経営所得安定対策による交付金などを考えると、農家側にもそのメリットも多く、大豆については今後も安定的に生産できるよう、本県としても収量増に向けた対策を進めていかねばならんというふうに思っています。  また、本県農業の担い手は年々減少しており、どれくらい減少しているかというふうにいえば、平成二年に四万三千人の農家が二十五年後の平成二十七年には二万四千人まで減り、そのうち五八%が六十五歳以上ですから、現在ある本県の四万六千ヘクタールもの農業振興地域としての水田を、耕作放棄地にせず、美しい圃場のまま次の世代、そして、さらにその次の世代に引き継いでいくためには、人力から機械力への転換が速やかに図られていく必要があります。  そういう意味でも、土地利用型農業を支える平野部における中核農家の育成はもとより、既に荒廃田に覆われ始めている中山間地域の中核農家の支援はまさしく待ったなしの状況であります。  そこで、次のことについてお伺いいたします。  土地利用型農業に係る県単事業の支援のあり方についてということであります。  土地利用型農業の担い手の数が減少し続けております。来年は、平成二十七年から改めて五年が経過した農業センサスの年でもあります。  農業者の担い手不足及び高齢化はいよいよ進んでいるはずであって、この土地利用型農業担い手不足及び高齢化対策については、早急に、そして大規模に対策を講じないと農地は荒れ果て、佐賀平野の美しい景観は次の世代には残せないものと思われます。  同じ作付面積で四年前のデータですが、二十五年間の間に四三%の労働力が失われております。現存する労働力の五八%が、他産業であれば引退される六十五歳以上の高齢者です。失われた労働力を回復し、将来に備えるためには、機械力に頼るほかないということです。  期間労働の偏在性の問題もあって、土地利用型農業、特に家族農家に外国人の労働力を活用することは、対策として余りにも飛躍的であります。それでは、その機械購入については当たり前の話でありますが、自己資金で対応すればよさそうであります。原則は当然そうなんですね。しかし、そういうわけにもいかない場合があるんであります。  例えば、将来、集落内において六ヘクタールの耕作放棄地が見込まれています。その耕作を請け負いたいのですが、能力の小さい機械では当然適期内にまくことはできません。適期をはるかに超えて作付しても、それは植えるだけ、まくだけの収量の見込めないただの過剰作付にすぎません。  しかし、だからといって、みずからが耕作する以上の能力を持つトラクターや田植え機械等を購入して将来に備えても、その過剰投資に厳しい農家の家計がもたないのであります。
     やる気はあるのに、そして、農家としての能力や技術もあるのに機械力が確保できないので、現状の経営に甘んじ、結果、いずれ息子は離農するというのが今の営農の流れということであります。  人的労働力に余力のある中規模の土地利用型専業農家に対し、公金で過剰投資分を補ってあげられれば、今よりも作業能力に余裕のある経営を行うことができ、リタイアした農家の農地をしっかりと安心して引き受けることができるようになります。そして、その結果として、地域の水田や集落そのものが美しい景観とともに維持されるようになるというわけであります。  県でも、過去においては、当然そういう考えを持っておりました。持っておりましたからこそ、過去の県の土地利用型農業への支援策としては、生産性の高い農業経営体の育成を目指して、八ヘクタール以上の大規模経営を目指すモデル農家に対して、平成十六年度から平成十九年度まで百四十八経営体に対し、トラクターやコンバイン等の導入を補助されたことがあります。  今から振り返ってもあの事業は、当時四ヘクタール程度の農家が今後の経営を大規模に転換する上で、また、集落における柱となる担い手をつくる上で本当に有効であったと感じています。あれがあったからこその今だというふうにも感じています。  しかし、その後、国の事業に類似の事業が創設されたので、土地利用型農業に関する機械及び施設の補助については政府に移管しますということで今に至っているわけでありますが、実際のところ、個々の農家にとってみれば、政府の課す要件は尋常ならざる要件でありました。その要件の厳しさから、あれから十年、その事業の恩恵を受けた個々の農家はほぼいないと言えるといえます。  実際には、集落の担い手不足や高齢化はますます深刻の度合いを深めているのに、その事業の必要性や緊急性はいよいよ高まっているのに、県は、私ども自民党農業議連の政府及び自民党に対する要望、陳情において、この後継というか、類似の事業たる産地パワーアップ事業採択要件緩和については、その必要性を完全に理解して、一緒になって必死に努力していただくのに、いざ、みずからが事業主体となれば全く及び腰になるというのは、集落や農家を置き去りにした施策上の自己矛盾だと思わざるを得ません。  中山間地における土地利用型農業は、いよいよ瀬戸際です。県は、中山間地域に対して県単の補助を残してまいりました。しかし、農家三戸以上の共同要件を付しており、全くもって取り組みにくい事業となっております。  農家の実情から見ると、農業はそもそも天気の兼ね合いでする仕事なので綿密な計画ができがたく、主力な機械は必要なときにはいつでも対応できるようにしておくものであります。本来、話し合いにおける順番が成り立つものではないのであります。  そこで、改めて知事にお伺いします。  現下のこの農業情勢を鑑み、佐賀県のこれからの土地利用型農業の担い手を育成するためにも、県独自で意欲のある農家個人に対する支援を再開してほしいと思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。  大豆の生産対策についてということであります。  県と農業団体とで進める「佐賀段階 麦・大豆一トンどりプロジェクト」の目標は、小麦で十アール当たり六百五十キロ、大豆で三百五十キロとされております。  大豆の収量は、作物統計によりますと、近年十アール当たり三百五十キロの目標に対して、二百キロを下回る状況であります。ことしはいよいよ最悪です。ことしも八月の佐賀豪雨による浸水や、九月の台風十七号による潮風被害とでもいうべき塩害などによって収量は全く思わしくないという話を聞いており、一トンどりプロジェクトの目標はなかなか難しいどころか、今となってみれば、この三百五十キロは全く現実感のない目標になってしまっているようであります。  それでも土地利用型農業を支える担い手の所得を少しでも上げていくためには、減反制度が廃止された今でも農地の約四割が、WCS等もありますので四割とまでは言えませんが、その四割が大豆の生産なのですから、安定生産に向けた取り組みは今では営農上の喫緊の課題と言えます。  県は、大豆の収量低下の原因はとの問いには、今までは必ず大豆栽培の基本技術の徹底と排水対策の推進と農家側の努力不足によるものですと言わんばかりの回答でしたが、本当にそうなのか。この大豆の収量低下の問題について県はどのように捉え、今後、その対策にどのように取り組んでいくのかお伺いします。  この問いの最後ですが、排水機場の能力アップについてということです。  本県では、これまで主に米、麦、大豆の作付を中心とした土地利用型農業の振興を図るために、農業基盤整備事業により用排水路網の整備や排水機場の造成を行うなど、農業用水の確保とあわせて排水対策を実施されてまいりました。  また、洪水調節機能の保全を図るために、国営総合農地防災事業県営クリーク防災機能保全対策事業で幹線的なクリークの護岸整備等が実施されております。  しかしながら、近年、集中豪雨が頻発している中で、宅地化などの土地利用の変化もあることから、雨水を最終的に河川に排水する排水機場周辺で湛水している状況が多く見受けられます。また、排水機場周辺での恒常的湛水を避けるために、半ば不合理とも思える排水慣行が今なお残り、結果、地域全体が湛水しているようなところも残っています。  私は、今後とも大豆などの畑作物の安定生産を図っていくためには、排水対策として、まずは排水機場の能力アップこそが必要であると考えます。農林水産部長に御所見をお伺いいたします。  次に、イノシシの捕獲対策についてということであります。  先日、地元の猟友会の皆さんとイノシシ駆除の現状についてお伺いし、勉強しました。年間百頭以上捕獲する青年は、昼間仕事をしているので、夜間にイノシシの捕獲活動に従事しているとのことでした。百頭とっている方です。月明かりもない真っ暗闇の中で箱わなを巡回し、餌をやり、捕獲できていたら殺し、解体して埋設する。  解体するといっても、一頭のイノシシには一万匹以上のダニがいるそうです。もちろん刺されますが、アレルギー体質の方が、イノシシにつくダニに刺され続けると、なぜか牛の肉のアレルギーになって、牛肉が食べられなくなるそうであります。  また、簡単に埋設するといっても、山は平野部の圃場と違って木の根や岩に覆われている中、剣スコップも刺さらず、五十キロ前後のイノシシを埋設する労力はとんでもないものだと力説されるその姿を前に、ただひたすらに、本当にただひたすらにありがとうございますと、本当に御苦労さまですと感謝するしかないと感じたところでありました。  また、小城町のイノシシは、この四名の方たちで、四名の方たちだったんですけれども、現在、三百頭以上捕獲していただいておりますが、うち二名の方はかなり年齢も高く、十年先はおろか、五年先まではとても捕獲作業を続けることはできないということでありました。  この際調べてみましたが、狩猟免許所持者の数も漸減しているだけではなく、その年齢構成を見ていると、六十歳以上の方が全体の六五%、三十九歳以下の方が一一%と、極端な担い手不足となっており、このまま手をこまねいていれば、近い将来、必ず捕獲従事者の不足により捕獲対策が行き詰まることはもう自明の理であります。  また、彼らの苦労に報いる捕獲報償金については、県の捕獲報償金が十一月から三月までは交付されないということ、国の報償金が成獣と幼獣、いわゆるウリボウですけれども、成獣とウリボウでは交付単価に極端な差があって、成獣をとれば七千円に対してウリボウは千円であります。殺して解体する価値もないと放してやる者たちさえいるということ、一匹のウリボウを野放しにしたその報いは、十年の生殖活動の果てに数百匹の機会損失を与えるのかもしれません。  実際、現場では成獣になる前のウリボウが捕獲しやすいということですから、幼獣の交付単価を見直すなどしてウリボウを先にとり尽くしたほうが経年の結果を見れば、捕獲対策としては明らかに効果的であると見るべきであります。  現在、中山間地域では多くの田畑にワイヤーメッシュが張りめぐらされて、そのことが農作物の被害対策には一定の効果をあらわしてきたのも事実です。データを見れば明らか。しかし、イノシシによる農作物の被害金額が、ここ数年下げどまりの傾向にあることを考えると、やはり駆除するほかなく、ウリボウも含めイノシシ全体の捕獲対策を中長期的視野に立って強化していくべきだと思います。  そこで、次の点についてお伺いいたします。  捕獲報償金についてであります。  今後の有害鳥獣対策について言えば、私は、イノシシの生息数を大幅に減らすための捕獲対策の取り組み強化が必要であると考えています。そのためには捕獲従事者に対しインセンティブを与えるべく県単独事業の捕獲報償金の交付のあり方を再検討するべきときに来ていると思うがどうかということ。  そしてまた、ウリボウの捕獲対策を強化するために、国庫事業の七千円と千円との違いを踏まえて、国庫事業については成獣と幼獣の捕獲報償金の格差をなくすべく国に対して強く要望するべきではないのかということについてお伺いします。  そして、この問いの最後になりますが、イノシシを捕獲する従事者の育成についてということです。  捕獲従事者の高齢化が進み、また担い手となるべき若い捕獲従事者がほとんどいない中、これを育成することは本県の鳥獣被害対策の喫緊の課題、最重要の課題であります。本県はこの点についてどのように取り組んでいくのか、農林水産部長にその御所見をお伺いいたします。  それでは、問いの三です。健康増進法の改正に伴う分煙環境整備についてということであります。  改正健康増進法の施行に伴い、全国的に官公庁や公共施設、病院、大学等の喫煙場所の廃止が相次いでおります。たばこを嗜好品として捉え、楽しんでいる喫煙者からは、余りにも行き過ぎた対応であると、行政に対する不満と不信が渦巻いています。  まず、基本的なおさらいをしておきますが、改正健康増進法は決して禁煙法ではない、受動喫煙防止法であるということであります。厚生労働省による「健康増進法の一部を改正する法律」の概要を見てみますと、この法律の目的は、まず望まない受動喫煙を防止すること、二つ目は健康に対する影響の大きい子供や患者に特に配慮するということ、そして最後に、そのための喫煙場所の特定と喫煙場所の掲示の義務づけを行うこととなっています。  そして、国及び地方公共団体の責務についての中の一の三には、この一の三までに至る過程をここで説明するのは大変ですが、お話はちょっとわかりにくいかと思いますが、地方公共団体の責務についてという項の中に、その一の中に一、二、三とあって、その三番目には「屋外における分煙施設」の項に、ちゃんとあるんですね、「屋外における分煙施設」の項というのが。地方公共団体の責務という項の中に「屋外における分煙施設」の項というのがあって、その項の中には「屋外における受動喫煙対策として、自治体が行う屋外における分煙施設の整備に対し、地方財政措置による支援を行う。」と規定されています。  つまり、法の趣旨は、分煙環境の整備を進めることであり、望まない受動喫煙を防止するために、原則敷地内禁煙としますが、例外的に屋外で受動喫煙を防止するために必要な措置がとられた場所では表示された喫煙所を設置することができ、そのためには地方財政措置による支援を行いますよということであります。  県内には喫煙者は二十歳以上の有権者として十二万人もいます。そして、この方々は平成三十年の決算統計によりますと、たばこによる納税だけで年間市町に約六十億円、本県には九億七千万円、合わせて年間約七十億円もの巨費を納税してくださる方々であります。十年で七百億円であります。県や市町にとってたばこ税は本当に貴重な財源となっているのは聞いてのとおりでございます。さらに言えば、たばこの栽培農家を初め、たばこ産業の振興もまた県の重要な施策の一つなのであります。  私は行き過ぎた禁煙が進み、たばこの消費が急激に減少することは県や市町の財政、たばこ農家等の暮らしにも深刻な影響を与えかねないと危惧しております。私は、受動喫煙を防止する対応においても、やはりバランスが大切だと思います。  例えば、県庁舎を初めとする県有施設では、敷地内の全面禁煙が実施され、受動喫煙をしない環境が今まさに実現しております。今まさしく受動喫煙者の権利が確保されたならば、今度は喫煙者への配慮がなされ、受動喫煙の可能性のない屋外における喫煙の環境がしっかりと実現される順番であるはずであります。そうでないと、吸うところがなくなった喫煙者たちは、大勢で近くのコンビニの灰皿にたむろして、まるで行政が大人としての尊厳を奪っているかのようであります。まあ僕の言葉で言えば、何だかいじめられているようでもあります。  本来、たばこはそんなふうにして楽しむものでもないのに、あらゆる原則には例外がつきものです。そして、この例外を生かすからこそ、原則が守られるものだということを踏まえて、さまざまな人々が訪れる施設については、原則禁煙の趣旨に照らして、全面禁煙ではなく原則禁煙の趣旨に照らして、行き過ぎた全面禁煙ではなく、受動喫煙の可能性のない場所においては、例外として喫煙環境の整備を推進していくことこそが重要であると考え、次の点についてお伺いします。  分煙環境の整備についてということであります。  県では、分煙環境の整備について、今後どのように取り組んでいくのかお伺いします。  二つ目、市町の庁舎、ここでは市町の庁舎と言ってしまいましたけれども、本当の趣旨は市町が所有する施設の状況についてということであります。市町の庁舎の対応状況はどのようになっているのか、健康福祉部長にお伺いいたします。  この問いの最後になりますが、県庁舎を初めとした県有施設への対応についてであります。  県庁舎を初めとした県有施設の敷地内では、本年七月一日から全面禁煙とされておりますが、これを見直し、分煙施設を設置するよう検討すべきと考えておりますが、この点については総務部長に御所見をお伺いいたします。  それでは、問いの四です。デイサービスでの機能回復訓練の強化についてということでございます。  全国的に少子・高齢化が進んでいることは皆さんも御承知のとおりです。本県でも全国平均を上回るペースで高齢化が進んでおり、団塊の世代が七十五歳以上となる二〇二五年、六年後、高齢者人口が本県でもピークを迎え、後期高齢者人口は二〇三五年まで増加し続ける見込みとなっております。このような中、「第七期さがゴールプラン21」を策定し、全ての高齢者が住みなれた地域で安心して生活でき、元気に活躍する明るく豊かな地域共生社会の実現を目指す本県では、その目標達成のために自立支援及び介護予防の推進をテーマに、県内の介護事業所を通じてさまざまな取り組みが進められております。  そこで、先日、文教厚生常任委員会の隣県視察で大分県にお邪魔しました。その際、まさに本県でもお手本とすべき自立支援サービスの現場に出会い、貴重な学びの機会を得ました。  視察したそのデイサービス事業所では、利用者さんを、もとの健康な日常生活に戻したい。そして、その思いを実現するためには、利用者様の身体能力の回復を支援することこそ、デイサービス事業のあるべき姿であるという理念を掲げ、現場においては歩行訓練など、身体機能の回復に重点的に取り組まれている様子。それも生き生きと楽しそうに取り組まれている様子を見て、私はデイサービスとは、利用者が集まっておしゃべりをしたり、お手玉をしたりなど、単にふだんの生活の延長でしかないと、そういう施設だと思っておったので、本当に驚きと称賛をもって見学させていただきました。  一方で、県内のデイサービス事業所では、やはり利用者さんは集まっておしゃべりをしたり、お手玉をしたりなど、単にふだんの生活の場にとどまっているところが多く、実際、機能回復訓練に力を入れている事業所というのは県内のデイサービス事業所約五百事業所のうち、約三割にとどまっているようであります。  デイサービス事業は、確かに心身機能の維持向上、活動の維持向上だけでなく、家にとじこもりがちな被介護者の社会参加促進であるとか、認知症高齢者や要介護度が重度な方への対応であるとか、在宅で介護をされる御家族の身体的及び精神的負担の軽減といった多岐にわたる役割があることは私も十分承知いたしております。  しかし、利用者さんをもとの健康な日常生活に戻したい。そして、そのためには利用者の身体的機能の回復を支援することこそ、デイサービス事業のあるべき姿であるという理念こそが、本県が掲げる「さがゴールプラン21」の理念、つまり、「すべての高齢者が、住み慣れた地域で、安心して生活でき、元気に活躍する、明るく豊かな地域共生社会の実現」を目指すという理念にも合致する考え方であると思います。  そういう意味では、身体機能の回復訓練に力を置くデイサービスが佐賀県のスタンダードになっていくべきであるとの思いから、次の点についてお伺いします。  機能回復訓練強化に関する各事業所への働きかけについてということです。  今回、視察したデイサービス事業所のような機能回復訓練を県内のデイサービス事業所が積極的に取り組むよう働きかけていくことが何より重要だと思うが、どうかということ。  二つ目、機能回復訓練強化へのインセンティブについてであります。  デイサービス事業所の自発的な取り組みを進めるためには、彼らのモチベーションを上げるため、何かしらのインセンティブが必要です。そのためには現在の制度の一部を変更すべく、国に対して提案する必要があると思うけれども、健康福祉部長にその御所見をお伺いいたします。  本日、問いの最後になります、九州新幹線西九州ルートについてということであります。  私が、この九州新幹線西九州ルートの問題に続けて言及するのにはわけもあります。それは、この議論と知事の政治姿勢に一つの歯がゆさやもどかしさを感じているからであります。  新幹線を推進するにせよ反対するにせよ、今のままでは立ち位置さえ決められぬもどかしさが、正直私にもあります。恐らくここにおられる皆さんもひとしく、そういう意味では同様なのではないでしょうか。  さきの議会で述べましたとおり、佐賀県の現在の輸送の体制が、まず、道路によって全国の高速道路網にアクセスできているということが、本県の物流産業を大きく支えているということであります。  次に、空路の開発によって、東京を初めとした関東近県へのアクセスを容易にして、今では成田を通じて世界へ、直行便の運航開始によってアジア各都市に行ける時代。そして、インバウンドの隆盛によって、本県もよそ並み以上に国際化が図られているということ。  また、航路の整備によって中国との貿易が大変盛んになり、本県の経済活動に大いに貢献しているということ。  そして、最後のこの鉄路が、新幹線のフル規格化を通じて、全国の新幹線網にアクセスが可能になることによって、まだ見ぬ関西方面との交流が本県にどのようなよい影響があるかに期待もしているし、遠い将来の本県の姿を考えたとき、まだ見ぬ子供たちへの贈り物、次世代への投資としての必要を感じているからにほかなりません。  そして、これら大型投資を行う際は、特に井本県政における空港の設置のときなどは端的にそうだったんですけれども、大きな飛躍のためには、大きなリスクと多大なる努力を強いられるものだということであります。  しかしそれでも、どんなに欲しくても高ければ買えません。無理して買ってほかのものが買えなくなるのでは本末転倒であります。また、安易に買って多くを失うわけにもいきませんし、また、騙されて買うわけには絶対まいりません。そして、義理買いにも限界はあります。  そこで私が知りたいのは、この新幹線なる代物は、実際、本当のところは掛け値なしで幾らするのか、支払は何年で払うのか、並行在来線は適切に運行されていくものなのか、JRが運行してくれるのか、そもそも勧めてくる者たちは本当に信頼できる人々であるのか。そして、この投資は未来の佐賀県に空港みたいにきっと生きてくるのかということを、現実的で信頼のおける言葉を、何も耳ざわりのいい言葉じゃなくて結構であります。確かな情報に基づいて判断したいということであります。  ところが、近年の鉄路をめぐる議論の状況は、もう最悪であります。公正が基本である政府及び公党たる自民党、または隣県、何より当事者たるJRの対応が、私に言わせれば、拙劣を極めていると思います。  国が開発するし、できると言ったフリーゲージトレインは、実際にはできなかったし、そもそもJRが、開発されてもこれは高いので買わないと言い出し、大きな期待だった関西方面への乗り入れも無理だと言われ、関係者の合意によって、対面乗り換えに決まった途端、フル規格の話が当のプロジェクトチームの議論の俎上に上がり、得た結論に対して、きちんとした説明がないと、今回の議会で知事が言われる。  今では、長崎がさきの知事との合意をほごにしかけ、JRは武雄温泉─長崎間の収支改善効果という実利を得たにもかかわらず、利用者の利便性も省みず、ディーゼル車両で肥前山口駅までしか行きませんと言う。これでは、まず売り手の信頼性というか、進める側の信頼性に全く疑問を持つというのも当たり前の話であります。私もしんからそのように思います。  そういう意味では、西九州ルートの今後の整備のあり方について、これまで知事が当事者の一人として、多額の資金を要し、本県の将来に大きく影響を来すのですから、新鳥栖─武雄温泉間についてフル規格が前提の議論には応じられないという姿勢はよく理解できます。  しかし、その主張の一点張りで、政府及び関係者との議論を避けていても、避け切れるものではありません。何より政府や党は、私たちの暮らしの正面に座り、多大なよい影響を及ぼしてくれていて、本当に期待もし、頼りにしている存在なのです。何やかんや言っても厄介な隣人とは、どうしてもおつき合いを避けては通れません。JRは厳然として、県民の足として多くの人々がさらなる利便性の向上を求めながら利用しているのも事実であります。いつまでもいつまでもこの四者から、そしてこの議論から遠ざかっておくにはいかないんではないでしょうか。  しかし今議会では、五つの方式を対象とした協議であれば参加することにやぶさかではありませんとの知事の発言がありました。私はそれでいいと思います。何と言ってもこの交渉のキャスティングボードを握っているのは本県なんでありますから。ただ、始めなければ終わりはありません。  今期の議会でも、多くの方々がこの問題に言及されて議論になりましたが、結局は本県はこの四者協議と直接アクセスしておりませんから、ほぼ全てが憶測や仮定での物言いにならざるを得ませんし、知事のこの新幹線問題に取り組む姿勢の問題という議論を超えられません。結果、どうしても内向きの議論にならざるを得ない状況が続いてまいりました。  ただ、本日の新聞では、国土交通省もフルを前提としない協議に前向きであるとの報道がなされております。まさに、現在の状況を大きく変えていく環境が整ってきたと感じています。今まさに議論が混迷し、低迷をしている状況なればこそ、この機を捉え、私は正式な案内があれば、正面から堂々とこれに参加し、議論をし、交渉を推し進めていくべきと考えています。  私どもも、政府や他県と同様、県民の血税で仕事をしている以上、費用以上の効果が得られなければ了承はできませんし、相手からの回答がこちらの条件と折り合わなければ、または相手の条件をどうしても受け入れられなければ、やはり丁重にお断りするほかないし、お互いの条件がしっくりと折り合いがつけば、またよい妥協点が見つかれば、大いに推進すればいい、そういうことなんだと私は思っています。  去る十月二十八日に、知事は赤羽国土交通大臣と面談をしたと聞いております。四者協議に入る前に、お互いの信頼関係を築く上では、政治家同士が一対一で率直に話し合われたことは、本県にとりましても大変有意義なことだったと思います。  今朝の新聞報道によれば、赤羽国土交通大臣と近々面談を予定されているやの情報もありますが、この際、この会談においては、政治家個人としてではなく、組織を代表する者同士として正式にお会いになり、より確かな情報を提示するように求め、譲れない条件や県民の利益になることについてはしっかりと主張され、それにより得られた確かな情報を持って、関係者、何より県議会との議論の熟度を上げていってほしいと願うばかりであります。  知事は、赤羽国土交通大臣や関係者との協議について、今後どのように対応していくおつもりなのか、知事の御所見をお伺いいたします。  以上五問、質問させていただきました。明確な答弁を期待しながら、一回目の質問を終わらせていただきます。(拍手) 3 ◎山口知事 登壇=皆さんおはようございます。藤木卓一郎議員の御質問にお答えいたします。  まず、土地利用型農業に係る県単事業の支援のあり方についてお答え申し上げます。  農業は佐賀県の誇りであり、その中でも水田をフル活用している米麦、大豆を初めとした土地利用型農業の振興は極めて重要であります。  こうした中で、農業機械の導入支援につきましては、国の補助事業を活用することを基本としながら、国の補助事業で対象とならない場合は、県の施策の方向性に沿ったものを県単事業で支援してございます。  県では、高齢化などにより土地利用型農業の担い手の減少が続く中で、将来にわたりそれぞれの地域で安定的に営農が継続されるためには、地域での話し合いに基づきまして、平たん地域では集落営農法人の育成、中山間地域では機械の共同利用や農作業の受委託などを通じて、地域で農地を守る取り組みを進めることが喫緊の課題でありますことから、県単事業の実施に当たってはこうした課題の解決につながるように共同要件を付しているわけでございます。  こうした県単事業の内容や要件につきましては、これまでも地域の声を聞きながら適宜見直しを行ってきたところでありまして、今後とも内容の充実を図るなどして土地利用型農業の振興に努めてまいります。  具体的な事業内容につきましては、これまでの経緯まで含めて農林水産部長からお答えさせていただきます。  続きまして、九州新幹線西九州ルートにつきましてお答えいたします。  藤木議員からは次世代に言及されましたけれども、次世代への負債とならないようにすることが大事だとも思います。そして、ネットワークの話をされておりましたけれども、新幹線網とは佐賀県は、とりあえず今、新鳥栖でしっかりつながっていると私は思います。例えば、佐賀駅から物の輸送であれば大和インターまで十七分かかります。人が新鳥栖に行くのには十三分です。そういった意味からしても、本県はそうしたネットワークにつながっているのではないかと思います。そういった状況なんかも含めて、井本元知事、古川前知事も新鳥栖─武雄温泉間は在来線においてぎりぎりの合意をされたのではないかというふうに思うわけであります。  そして、この問題に関して、国は開業直前にしか決まらない貸付料の全てを西九州ルートのみに充てるという現行ルールにない仮定の試算をされています。まず、貸付料は開業直前にしか決まりません。しかも、西九州ルートに全て充てるというのは余りにも仮定の仮定だと思います。  そして、JR九州さんは貸付料のみならず、我々にとって何よりも大切な在来線の運行ダイヤ、そして並行在来線の取り扱い、開業直前にならないとはっきりしたことは示せない、開業直前です。こういう全てが不確定な中で、どのようにして議論をすればいいのか、県議会で議論すればいいのかということに私は非常に不安を覚えます。  さらに加えて言うならば、最近、長崎県は上下分離に係る維持管理経費の負担割合について、これまで合意されてきたもの自体もほごというか、ないものにしようとされております。私はこういう不確定なところで議論を進めていくということは、佐賀県にとってリスクがふえるばかりだと思います。  これまで佐賀県は、本当に全国のことや北部九州、そして長崎県さんのことも考えて、苦しい中でもぎりぎりの合意をしてきたということをもっと皆さんわかっていただきたい。佐賀県はもちろん悪者ではありませんし、筋を通して一生懸命考えてきたと、それが私は佐賀県民だというふうに思っております。そして、佐賀県のあり方だと思っています。  佐賀県は、新鳥栖─武雄温泉間について、フル規格での整備は受け入れられないし、新幹線整備を求めておりません。このことは、与党検討委員会のヒアリングに私自身が出席して申し上げておりますし、そして県民の皆様に対しても、そして県議会の皆様に対しても、さまざまな機会を通して何度も表明させていただいております。  そもそも新幹線整備は、地元が莫大な財政負担をしてでも、あるいは在来線の利便性低下を招いても、大きな不利益を受け入れてでも整備をしてほしいということで手を挙げられて進めていくべきものだというふうに思います。  さまざまな議論をすることは閉ざしておりませんが、整備を求めているわけではないので、佐賀県から条件を示すことや、何かを求めることは考えておりません。
     先日、長崎県の中村知事は県議会で、佐賀県が地方負担などの課題についてみずから具体的な考えを明らかにしていないということが一番の問題点であると述べられたと聞いておりますけれども、極めて遺憾です。佐賀県の考え方はいろんなところで明確に申し上げております。私、知事同士だけでなく、長崎県との事務レベルでの意見交換でも整備を求めていないし、条件闘争もしていないということは明確に伝えていると報告を受けております。  佐賀県は、長崎県の思いに真摯に向き合い、鹿島や太良など、長崎本線の沿線地域が厳しい環境になることまでも甘受して、長崎県に大きな効果があり、また多額の費用負担を伴う武雄温泉─長崎間の新線整備に同意したことをどうか長崎県さん、そして国関係者にもわかっていただきたいというふうに思います。  大臣との面談につきましては、せんだって赤羽大臣とお会いしたときにこれからも話していこうということでありましたので、現在、調整中であります。  以上でございます。 4 ◎進総務部長 登壇=私からは、健康増進法の改正に伴う分煙環境整備についての中で、県有施設への対応についてお答えいたします。  改正健康増進法では、望まない受動喫煙の防止を図るため、学校、病院、児童福祉施設等や国及び地方公共団体の行政機関の庁舎については第一種施設と、その他、多数の者が利用する施設、例えば、図書館や博物館などといった施設、こちらは第二種施設と位置づけられております。  議員から御質問のありました本年七月一日から全面禁煙といたしておりますのは、県有施設のうち第一種施設となりますけれども、この第一種施設につきましては、敷地内禁煙を原則とし、特定屋外喫煙場所、いわゆる分煙施設の設置を推奨するものではないというふうにされております。  その理由といたしましては、学校、病院、児童福祉施設等は、お子さんや患者の皆様など、受動喫煙により健康を損なうおそれが高い者が主として利用する施設であること。また、行政機関の庁舎は、国や地方公共団体改正健康増進法により住民の健康を守る観点から、受動喫煙対策を総合的かつ効果的に推進するよう努めなければならない責務を課されていること、というふうにされております。  佐賀県における対応につきましては、このような制度趣旨を踏まえつつ、県では、がん対策を初めとする県民の健康増進に力を入れておりますけれども、たばこ対策につきましては、今年度から始めました「さが健康維新県民運動」におきましても、四つの柱のうちの一つに位置づけまして、重点的に取り組むこととしておりますことから、受動喫煙対策に取り組む県の姿勢を明確に示す必要があるというふうに考えたこと。また、来庁者のみならず、職場における望まない受動喫煙をなくすための取り組みが必要であることから、第一種施設に位置づけられた県庁舎を初めとした県有施設につきましては、分煙施設を設けず敷地内は禁煙といたしたところでございまして、これを見直し、分煙施設を設置することは考えておりません。  以上でございます。 5 ◎川久保健康福祉部長 登壇=私からは、大きく二問、健康増進法の改正に伴う分煙環境整備について、及びデイサービスでの機能回復訓練の強化についてお答えをいたします。  初めに、県では分煙環境の整備について今後どのように取り組んでいくのかとお尋ねがございました。  平成三十年七月に改正された健康増進法の趣旨は、望まない受動喫煙の防止でございまして、第一種施設につきましては、先ほど総務部長の答弁にありましたとおり、学校、病院、行政機関の庁舎等の施設であり、既に本年七月一日から改正法が適用されているところでございます。  これまでも第一種施設につきましては敷地内禁煙であることを周知してきたところでございまして、法の適用後は、これら施設は敷地内全面禁煙、もしくは敷地内に屋外喫煙場所を設置されていなければなりませんので、この法的要件を満たしていない場合は県として助言や指導を行っていくこととしております。  一方、第二種施設は、飲食店や事務所、工場など、第一種施設以外の多数の方が利用される施設であり、令和二年の四月一日から原則屋内禁煙となります。ただ、管理者が喫煙を認める場合は屋内に喫煙専用室などの設置が必要になり、また、既存の小規模な飲食店には経過措置がありますことから、県では啓発チラシの配布や説明会を実施し、事業者及び県民の皆様に制度の周知を図り、対応を促しているところでございます。  第二種施設につきましても、来年四月以降、法的要件を満たしていない事業者や店舗に対しましては、県として助言、指導を行ってまいりたいと考えております。  なお、屋外喫煙所の設置や喫煙専用室の設置の有無はそれぞれの施設の管理者が今回の法改正の趣旨を踏まえまして判断、選択していただくものでございますことから、県といたしましては、そのための広報、啓発、説明、あるいは助言や指導を通しまして、望まない受動喫煙防止のための分煙環境が進むように努めてまいります。  次に、市町の庁舎の状況についてお答えをいたします。  市町の庁舎は、第一種施設に該当いたしますので、敷地内禁煙が原則でございますが、本年八月一日現在で調べたところ、全二十市町が庁舎の敷地内に屋外喫煙場所を設置している状況でございました。  県では、住民の方からの市町庁舎の受動喫煙防止措置に関しまして、それが適切になされていないなどの苦情があった場合は、市町に対して法の要件を満たすよう改善を指導しているところでございます。  今後とも、住民の望まない受動喫煙がないよう、市町には適切な措置をお願いしたいと考えております。  次に、デイサービス機能回復訓練の強化につきまして二項目お答えをいたします。  初めに、機能回復訓練強化の働きかけについてでございます。  介護サービスにおける通所介護、いわゆるデイサービスでございますが、介護を必要とする高齢者が居宅において、能力に応じて自立した日常生活を営むことができるよう、利用者の社会的交流、家族の介護の負担軽減、身体機能や生活機能の維持向上などを目的に、通所により提供されるサービスであり、入浴や食事の提供、レクリエーションや機能訓練など、利用者の心身や家族の状況に応じたさまざまなサービスが提供されております。  こうしたさまざまな役割がある中、特に機能訓練につきましては高齢者の自立支援の観点から重要な役割だと認識をしております。  県内のデイサービスの状況を見てみますと、議員御指摘のとおり、個別機能訓練加算の取得率が約三割にとどまっております。もちろん利用者の心身の状況はお一人お一人違いますし、そこには十分に配慮する必要がございますが、全国平均では五割弱の取得率という数値もございますことから、機能訓練の強化を働きかけていく必要があると考えております。  先ほど、議員に御紹介いただきました大分県のデイサービス事業所は、しっかりした理念のもと、機能訓練の強化に積極的に取り組まれている好事例だと考えております。  県内におきましても、数は多くはございませんが、例えば、フィットネスの要素を取り入れたり、各種のトレーニングマシーンを活用するなどいたしまして機能回復訓練に力を入れている事業所も見られるところでございます。  県といたしましては、デイサービス事業所が集まるさまざまな機会を捉えまして、こうした県内外での先進的な取り組みを積極的に紹介するとともに、必要な助言を行っていきたいと考えております。  加えて、ケアプランを作成するケアマネジャーや市町の担当者に対しても、研修会などの中で機能回復訓練の重要性を啓発していきたいと考えております。  県でも、今歩くことを呼びかけておりますが、体の衰えは歩く歩幅や速度にあらわれるというふうに言われております。体の機能回復は、もちろん歩く、動かすといった身体的機能の回復ではございますが、同時に、歩く喜びや動かせる喜びにつながるものと考えておりますので、機能回復訓練の強化につきましてはしっかりと取り組んでいきたいと思っております。  次に、機能回復訓練強化へのインセンティブについてでございます。  デイサービス機能回復訓練の強化に向けた介護報酬でのインセンティブといたしましては、機能訓練指導員を配置し、個別機能訓練計画に基づいて計画的に機能訓練を行うことを評価する「個別機能訓練加算」、それから、日常生活動作の維持や改善の度合いを評価する「ADL維持等加算」などがございます。  しかしながら、加算の報酬単価の低さなどによりまして、県内の介護事業所においてこのような加算を取得している事業所は少数にとどまっており、事業所が積極的に機能回復訓練に取り組もうと思うようなインセンティブには必ずしもなっていないと考えております。  議員御指摘のとおり、県といたしましても、事業所みずから積極的に機能訓練に取り組んでもらうためには、現行の加算の見直しや要介護度の改善に応じた新たなインセンティブの創設なども必要と考えるところでございます。  このため、さらに効果的なインセンティブとなるような加算の見直しや創設等につきまして、まずは、現場の声を聞き、実情を把握し、その中で国へ具体的な提案ができるものがないか、県内の介護関係団体や市町等の関係機関の意見も伺いながら検討してまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。 6 ◎池田農林水産部長 登壇=私からは、土地利用型農業の振興とイノシシの捕獲対策についてお答えをいたします。  まず、土地利用型農業の振興についてのうち、県単事業の支援のあり方について知事の答弁を補足させていただきます。  議員御指摘のとおり、本県におきましては、大規模農業者を育成するため、土地利用型農業で使用します農業機械の導入に当たり、農業者個人を支援対象者とする県単独事業を平成十六年度から四年間実施をしてまいりました。  そうした中で、平成十九年度に農業者個人を支援対象とした国の事業が創設されたことや、本県では担い手が減少する中、地域農業と集落機能の維持発展を図るため、集落営農組織を育成する必要が生じたこと、さらには、効率的な予算執行の観点などを総合的に勘案いたしまして、県単独事業での農業者個人への支援につきましては終了したという経緯がございます。  現在におきましても、農業機械を農業者個人で導入する場合、国の「強い農業・担い手づくり総合支援交付金」が活用できますことから、まずは、この事業の有効的な活用を御検討いただきたいというふうに考えております。  なお、先ほど申し上げました交付金につきましては、毎年度全国から要望が多く寄せられ、本県でも採択されないケースもありますことから、国に対し、あらゆる機会を通じて、十分な予算の確保をお願いしていきたいというふうに考えております。  続きまして、大豆の生産対策についてお答えをいたします。  議員御指摘のとおり、本県の大豆の十アール当たり収量は農林水産省が公表しております作物統計によりますと、平成二十六年産以降二百キロを下回り低迷しているところでございます。  この主な要因といたしましては、収量の低迷が始まった平成二十六年産以降、降雨など天候の影響により、種まきの適期であります七月中旬までに播種できた面積の割合が低くなっておりまして、適期播種ができてこなかったことが収量の低迷につながっていると考えております。  また、コンバインやトラクターなど農業機械が大型化したことによりまして、圃場が踏み固められ、排水性が低下していることも収量低迷の要因と考えられます。  このようなことから、気象条件に左右されにくく安定して高い収量を確保できる技術を普及させることによって、農家所得の確保を図ることを目的に、県では平成二十八年度から三年間、農業団体と一体となって「佐賀段階 麦・大豆一トンどりプロジェクト」に取り組んできました。  このプロジェクトでは、例えば、麦や大豆の種まき前に排水を促す弾丸暗渠の施工や、種まきを適期に行うことなどの基本管理技術の徹底はもとより、種まき前から圃場の周囲に排水を促すための溝を掘る、いわゆる額縁明渠の施工など、雨が降った後でも速やかに播種作業を可能とする排水対策、あるいは排水性を向上しながら圃場の水分が比較的高い状態でも短時間で種をまくことができる逆転ロータリーを活用した耕うん同時畝立て播種技術の導入など、新たな技術の普及も進めてきたところでございます。  こうした取り組みの結果、大豆の県平均単収はプロジェクト開始前の平成二十七年産で十アール当たり百六十一キロであったものが、平成二十九年産は百八十五キロ、平成三十年産は百七十キロに向上するとともに、その全国順位も平成二十七年産の十一位から平成二十九年産は二位、平成三十年産は三位に上昇するなど、単収二百キロ水準までには至っておりませんが、プロジェクトの成果が一定程度は見られているというふうに考えております。  今後、さらに収量を向上させるためには基本管理技術の徹底はもとよりでございますが、一人でも多くの生産農家の皆様に、先ほど申し上げました額縁明渠や耕うん同時畝立て播種など新たな技術を実践していただくことが重要と考えております。  このため、ことし五月には平成三十年産の麦及び大豆の多収穫を競います「麦・大豆一トンどりプロジェクト共励会」を開催いたしまして、高い収量を確保されている農家を表彰し、いち早く新たな技術に取り組んだ成果を広く紹介するなどして、生産農家の生産意欲の喚起を図ったところでございます。  大豆は、米や麦と合わせまして本県水田農業の重要な基幹作物でありますことから、今後ともこうしたプロジェクトの成果を普及拡大するなどいたしまして、全国トップクラスの単収を安定的に実現いたしまして、農家所得の確保が図られるように努めてまいります。  続きまして、排水機場の能力アップについてお答えをいたします。  農業基盤整備事業で造成された農業用の排水機場は、排水先であります河川や海の水位が高く、自然排水ができない場合に農地に水がたまる、いわゆる湛水する地域におきまして強制的に排水を行い、農地や農作物の被害を軽減する役割を果たしております。  ことし八月の佐賀豪雨におきましても、多くの農地が湛水いたしましたが、排水機場の稼働によりまして、湛水範囲が狭まったり、あるいは湛水時間が短くなったりして、農作物の被害が軽減できたところでございます。  この排水機場の施設規模は、国の基準に基づきましてその地域で想定されます降雨、例えば、十年に一回程度発生する降雨や、雨水などが集まってくる区域の面積などから必要な排水能力を算定し決定されているところでございます。  しかしながら、排水機場を設置しているにもかかわらず、降雨によって頻繁に湛水し、農作物の生産に支障を来しているような場合には、その要因などについて排水機場の管理者であります市町とともに調査を行う必要があると考えております。  調査に当たりましては、排水機場設置後の宅地化等によります土地利用の変化でありますとか、湛水の影響を受けやすい畑作物の導入など、地域の営農計画も踏まえまして排水機場の能力を検証するとともに、排水機場やその周辺水路に設置されていますゲートの操作がどのように行われているのかなどソフト面からも検証を行う必要があると考えております。  こうした調査や検証の結果、排水機場の能力をアップする必要があると判断されれば、地元の合意を得て市町が計画を作成し、湛水被害の軽減に向けて、国、または県などが事業を実施していくことになります。  県といたしましては、計画を作成する市町に対し、施設の規模や費用対効果の算定などにつきまして、技術的な指導、あるいは助言を行いまして、市町とともに事業化に向けて推進してまいりたいと考えております。  続きまして、イノシシの捕獲対策についてですが、まず、捕獲報償金についてお答えをいたします。  捕獲報償金の交付に係る県単独事業につきましては、平成二十五年度に国の補助事業による支援が行われるより前の平成十一年度から実施をしております。事業対象期間は、狩猟期間を除く四月から十月までの七カ月間で、市町が補助する場合に、イノシシ一頭当たり二千五百円を限度としまして捕獲報償金の二分の一を補助しておりまして、厳しい県の財政状況の中にありましても、これまで所要の予算を確保してきたところでございます。  こうした取り組みによりまして地域のイノシシの捕獲対策を後押ししてきました結果、年間およそ二万頭に及ぶイノシシが捕獲されておりまして、農作物の被害額も減少傾向にありますことから、一定の成果は上がっていると考えております。  しかしながら、依然としてイノシシによる被害は発生しておりまして、毎年度のイノシシの捕獲頭数はここ十年程度はほぼ横ばいで推移しておりますことから、現在もかなりの数のイノシシが県内に生息しているものと推測をしております。  今後とも、中山間地域の農家の方々が、安心して、また意欲を持って農業に取り組んでいただくためには、さらにイノシシの捕獲対策の強化が必要であると考えております。  このような中、先月開催されました「中山間地・離島・県境振興対策本部会議」におきましては、イノシシの幼獣、いわゆるウリボウの捕獲報償金が成獣と比べて低いことから、ウリボウをつかまえても逃がしている人がいるとの報告がありまして、成獣と幼獣の報償金の単価の差について議論があったところでございます。  また、捕獲現場からは、県単独事業の捕獲報償金の交付期間の延長を望む意見も伺っておりますことから、県単独事業の捕獲報償金を今後どのようなものにしていくべきか検討を行っているところでございまして、さらに、市町や猟友会など関係機関の意見も聞きながら検討を深めてまいりたいと考えております。  一方、国庫事業の捕獲報償金についてでございますが、捕獲後の処理方法によって単価が異なっておりまして、現在、成獣のジビエ利用がイノシシ一頭当たり九千円、焼却施設への持ち込みでは八千円、穴を掘って埋める埋却処理では七千円となっております。これに対しまして、幼獣は一律千円となっておりますことから、成獣と幼獣では捕獲報償金に六千円から八千円の差が生じております。  こういった成獣と幼獣の捕獲報償金の差について、国に聞いたところでは、まずは農作物に被害を及ぼす成獣を優先的に捕獲すべきということ、あるいはわなのリスクを学習していない幼獣より成獣を捕獲するのは難しいということ、捕獲した後のとめ刺しや運搬、埋却も幼獣より大変であるということなどから、幼獣より成獣の捕獲補償金を高く設定しているとのことでございました。  しかしながら、捕まえやすい幼獣の捕獲を強化することは、イノシシの生息数をさらに減らすために有効な対策の一つと考えられますので、先ほど述べました「中山間地・離島・県境振興対策本部会議」の意見等も踏まえまして、国への要望活動や国主催の会議などさまざまな機会を活用いたしまして、幼獣の捕獲報償金の単価引き上げを初めとした捕獲報償金額の見直しについて国に対して提案してまいりたいと考えております。  続きまして、イノシシを捕獲する従事者の育成についてお答えをいたします。  議員からは、狩猟免許所持者のうち六十歳以上が六五%、三十九歳以下が一一%との御指摘がございました。このように、捕獲従事者の高齢化あるいは減少が進む中で、今後とも必要な有害鳥獣の捕獲対策を維持継続していくためには、若い従事者を一人でも多く確保、育成していくことが重要であると認識をしております。  このようなことから県では、農業大学校の学生に狩猟免許を取得してもらったり、あるいはJA等が主催される米や麦、お茶などの栽培技術研修会で狩猟免許取得を促すパンフレットを配布したり、さらには市町や猟友会などの協力のもと、地域の若い狩猟免許取得者を掘り起こしてもらったり、そうした取り組みを行っているところでございます。  また、県では、狩猟免許取得者と狩猟免許を持たない農業者や地域住民などを補助者として一つの班を編成して捕獲活動に取り組んでもらう、捕獲班の設置を推進しているところでございます。  こうした取り組みの結果、現在、地域ごとに違いはありますが、県全体としましては、狩猟免許所持者に占めます三十九歳以下の割合及び人数は、十年前の平成二十年度では五・七%の百九人であったものが、平成三十年度ではほぼ倍増の一一・三%の百九十一人とふえているところでございます。  こうした中、狩猟免許を取得したばかりの狩猟者の方々は、イノシシ等の捕獲技術や狩猟に当たって守るべき法令等の知識が不足している場合もありますことから、県では鳥獣被害対策指導員養成研修とか狩猟事故防止研修などの研修会を実施しているところでございまして、また、県の専門技術員を現地に派遣するなど、捕獲技術や止めさし等のアドバイスも行っております。  今後とも、若い狩猟者の捕獲技術や知識の向上が図られるような取り組みを実施いたしまして、地域で活躍される若い捕獲従事者が一人でも多く確保、育成されるように市町や猟友会などと一体となって努めてまいります。  以上、お答えいたします。 7 ◎藤木卓一郎君 登壇=それでは、再質問をさせていただきます。  三点についてお伺いいたします。  まず、土地利用型農業ということについてでありますが、佐賀県には平野部における農地四万六千ヘクタールがあって、恐らく僕の記憶では三百の集落営農組織体があるというふうに記憶をいたしております。これが未来にわたって、集落営農組織の発展、その生成の過程において、集落営農組織だけで四万六千ヘクタールの土地をしっかりと守っていけるかどうかということに対して私は不安に感じていて、今まではこの四万六千ヘクタールのこの農地を維持するに当たって集落営農組織、そしてもう一つの認定農業者、つまり、専業中核農家の人たちとの二本立てで営農を行うことによって四万六千ヘクタールを守っていこうという作戦でありました。  僕自身、当時は農業議連の副会長でしたけれども、直接、大臣及び事務次官、農村振興局長、生産局長らと、担当の局長、課長と正面からこのことについて議論したこともあります。議連はこの要件緩和について何度もチャレンジをしました。結果的に、随分さまざまな要件は緩和されました。しかし、麦で三十ヘクタール、水稲だと六十ヘクタールの耕作要件というものがあって、そんなことは現実的にその要件を突破できる営農者は佐賀県には単独ではいないわけであります。結局は誰かとチームを組んでということになって、それをもやあもんできるものではないということは先ほど申し上げたとおりです。  その必要性を農林水産部長は理解している。でありながらにして、これだけ多年にわたって産地パワーアップ事業の要件緩和について、議会、県挙げて、要望、陳情活動に取り組み続けてきて、その成果が上がらない今、待ったなしのこの状況の中で、またその回答が、国に対して要件緩和を働きかけてまいりますという回答で本当に将来を見通せるのかと。国がいかんということであるならば、昔に戻って、本県独自で、僕は福岡県や香川県の平野の話をしているわけではない。本県の平野の美しい水田農業をどう維持していくのかという話をしている。国がこのことについて取り扱えないということであるならば、本県の施策として、改めてこの事業を再開していくということは施策の方向性として何ら間違っていることではないと思います。集落営農組織だけで、集落営農組織に対する投資だけでこれが成り立っていくのかいかないのか、そういうことをひっくるめて、もう一回知事に対してお考えをお伺いしたいと思っています。  もう一つは新幹線の話です。僕の議論は、あくまでも赤羽大臣と会うに当たってどのような姿勢でという話をしたんですけれども、知事は長崎県、もしくは長崎県知事に対する強力な不満を述べられましたし、そんなことはもしかしたら長崎県議会でも、とある質疑で佐賀県知事に対して強力に、佐賀県知事のことを長崎県議会の中でも話されているかもしれない。しかし、そこは我々に語られても、そういうことをひっくるめてこの協議の場で堂々と持論を述べて、間違いをきちんと指摘していく。そして、例えば、この新幹線制度にのっかっていけば、多額の負債を次世代、次々世代に残すことになるんじゃなかろうかという等の意見もありましたが、本当にそうなるかどうかが私たち議会の知りたいところなんであります。  例えば、貸付料の話をされました。貸付料が八十六億円で二千五百八十億円でしたっけ、それは開業する直前にというような話であります。確かに今の既存のルールではそうです。しかし、それでは我々としてはのむことはできません。未来に対する投資として余りにも不安定だからです。そういうことをひっくるめてそういう状況ではのれませんよと。我々としてはこの六百六十億円を前後とする金額において確定的な数字を与えていただかなければと、そういうことをひっくるめて協議の場でしっかりと交渉をしていただく姿を私は望んでいると言っているにすぎません。  あともう一つ、ネットワーク、アクセスのこと、全部は聞き取れませんでしたが、ネットワークとアクセスの話で新鳥栖駅でそうだという話でした。ある面そのように思いますね。ところが、ハブ空港というのが考え方としてあります。韓国の仁川なんかはまさしくそうかもしれません。佐賀空港を開発して東京まで飛ばない。しかし、大阪空港まで行ったら東京まで行けますよというふうになったときに、我々は佐賀空港を使うかというと、そういうわけではありません。やっぱり直で行ける。佐賀駅でこれに乗ったら岡山に行く。佐賀駅でここに乗ったら福岡にも行ける、広島にも行く、大阪にも行く、そこでもう一回乗りかえたらあの京都が目の前というようなそういう社会状況をつくり出すことが佐賀県にとってみて、未来の佐賀県にとってそれが費用対効果としてどうなのかということを事実として条件闘争、条件はしないというんじゃなくて、条件の中で折り合いがつければ進むべきだし、折り合いがつかなければ進めることはできないといった話であります。  そこで問いとして思うのは、僕がイメージしているというか、僕は勝手に僕らがと言っていいと思うんだけれども、四者協議、つまり協議ということなんだけれども、その協議というものに対するイメージが、知事の立場から言わせれば、まず既存のルールがあって、何か既存のルールというか、協議にはルールというか、確定した何かあり方みたいなのがあって、そこに参加すると、多勢に無勢で押し流されていって、のまされて、結論だけ持ち帰って、済みません、こういうことでしたみたいな、何か四者協議というものに対してどんなイメージを知事が持ってらっしゃるのかということがよくわからない。その四者協議というものについて、もっとフラットに考えていいんじゃないかと私は思っているんですけれども、大体協議の内容がどんなものかもわからないし、協議のルールがどういうものか、私も知りませんけれども、知事はこの四者協議というものに対してどのようなイメージを持っておられるのかということについてお伺いします。  本当はたばこの話もしたかったんですが、もう質問残時間が二分ということになりましたので、たばこのこと、喫煙のことについてはまた別の機会にしっかりと議論させていただきたいと思います。  以上二点、よろしくお願いいたします。 8 ◎山口知事 登壇=藤木議員の再質問にお答えいたします。  まず、土地利用型農業について再度お尋ねがございました。  もちろん集落営農組織があって、当然それで全てカバーしているわけじゃないので、さまざまな皆さん方がその中で水田を守っていただいているという気持ちは私もよくわかります。それはもちろん平たん地でもそうですし、中山間地も含めて、地域によって本当に実情はまちまちなんだろうと思います。そして、本当にそうやって努力されている個々の農家の皆さん方には心から敬意を表したいと思いますけれども、これまでの経緯も含めて、先ほど農林水産部長から話がありましたけれども、将来を見据えて持続可能性のある農業を考えたときに、できる限りみんなで助け合って、それができれば法人化になってという流れだったと思うんですよね。  ただ、それが必ずしもうまくいかないところがあるのかもしれないという実情もあると思います。その中で国費としての事業が出てきた。ただ、それがなかなか不十分だというところもあるということでありますので、県全体の方向性とすると、持続可能性があるような、体力をつけたような法人化、集約化という方向というのはありますけれども、地域の実情というのを農林水産部のほうに、課題解決のためにどのような支援が必要なのか、地域の実情をしっかりと調べさせたいというふうに思います。  もう一点の新幹線につきましては、佐賀駅から直接岡山、例えば、大阪につなぐ価値という話もされました。これはたしかきのう答弁したと思いますけれども、例えば、千葉駅と東京駅は四十分で、千葉駅から岡山には直接行けないわけで、名古屋までもですね。そこの間は快速で乗りかえていくというような状況でありますので、それが必ずしも直接結ぶ、逆に言えば、大阪から来られた方も新鳥栖でおりていただいてそこから回っていただくこともできますし、博多から唐津に行くというルートもあるわけでありますから、そこは必ずしもそういった議論にはならないんではないかなと思います。そうしたこともわかった上で、これまで約三十年間にわたって県もしっかり議論してきたんだと思います、私は知事になってまだ五年ですけれども。  新幹線問題どうなんだろうかということ、私もずっと調べましたけれども、これは佐賀県議会でもこの新幹線問題というのは、それこそ私の先輩知事も、県議会の大切な先輩議員たちも議論されてきた。これは大変重いものだと私は思います。その上で武雄と新鳥栖間は在来線でぎりぎり合意しようじゃないかと。北部九州や長崎県のことも考えてというところであったので、それを短時間で、あら、そしたらもう結ぼうねと、先の条件もわからんのにというのは、これまでの蓄積とか県議会との議論というのは、これは県民に対する負託を受けて我々はやっているわけですから、そういうことをもっと重く受けとめなければいけないんではないかと私は思っております。  そうしたことで、これから四者協議、この四者協議をどう考えているのかということなんですけれども、基本的にこの枠組みは、与党PTがフルが望ましいという話を受けて、国交省は与党が示したフル規格の方針を重く受けとめるという上での四者協議ということになっているので、そこはしっかり詰めてかからないと、これは毎回申し上げていますけれども、四者協議に乗ったはいいけれども、そこの方向性が見えているということではいけないので、そこの前に、協議するときには五択、そして、いろんなところの条件というものをしっかりと確認させていただくことが大切だというふうに考えております。 9 ◎古賀和浩君(拍手)登壇=皆さんこんにちは。私は、つなぐ会の古賀和浩でございます。  ただいま議長より許可をいただきましたので、発言をさせていただきます。  通告に従いまして、二問、質問をさせていただきます。
     一般質問をするのは、私は二回目になりますが、前回と同様、私がこれまで経験したことの中で、県民の皆さんの声を交えながら質問をしていきたいと、そういうふうに思っております。  最初に、「佐賀県総合計画二〇一九」の中にもありますように、佐賀県は「子育てし大県」としていろいろな事業が行われております。まず、佐賀での子育てについて私の考えを話させていただきたいと思います。  子供は宝でございます。しかし、現在、子供を取り巻く環境はさまざまな問題があります。社会全体で子供たちの成長を支え、子供たちには未来の佐賀県を担ってもらいたいと、そういうふうに思っております。  最近の子供たちに関する全国的な事件の中で、連れ去りなどは学校や家庭にいない時間帯に起こっております。地域ぐるみでこの時間帯をカバーしなければなりませんし、子供たちを見守り、育まねばならないと思います。地域全体で子供を育てることは、地域の方々と子供たちが顔見知りになり、防犯にもつながりますし、地域のことがわかり、地域を愛する心が育まれます。  また、兄弟が少ない現在の各家庭では経験できないような考え方、年代も性格も違う大人やほかの子供と接することで人への対応力などが養われることにもなります。  地域で子供たちを育てることは、将来必ず役に立つと、そういうふうに思っております。  最近は、地域ぐるみで子育てをする大切さが広まっているように思えております。  先日、私は地元の基山町の行事の「こもったき」に参加してきました。これは、十一月になると町の神社の神様が出雲に行かれていなくなるんですけど、十一月の最後に神社に帰ってこられますので、神様が神社に帰ってこられたときに神社の周りで火をたいて、きちんとお迎えをするというような行事でございます。  十一月の最終週の土曜日にそういうことが行われておりますが、私の子供のころよりも、先日の「こもったき」の行事には子供たちが多くいるように感じました。  このように、昔からある地域の行事は子供たちを巻き込みながら盛んになっていると、そういうふうに思っております。  さらに、居酒屋の若い店主が地域の協力を得て子供食堂を始めたり、自分の農園でとれた食材を使って料理をして、食の大切さを伝える食育を保護者のお母様が始められたり、寺子屋として子供たちの勉強を見たり、いろいろなことを教えたりするような新しい活動も始まっております。  この地域ぐるみでの子育ては、地域の方々や市町に任せるだけではなく、佐賀県として大切に育てていってもらいたいと思っております。個人の力には限界がありますので、なるだけ支援をよろしくお願い申し上げます。  しかし、子供の問題はまだまだたくさんあり、学校生活をめぐる状況や放課後の過ごし方、また、家庭の中での問題など、学校や保護者だけに任せるだけでなく、行政が積極的に関与しサポートしなくてはならないと思います。  さらに近年、障害を持つ子供たちがふえております。このような子供たちにも行政、地域、学校、保護者を含めて社会全体で寄り添っていかねばならないと考えております。障害をお持ちの子供たちに寄り添うことによって、その子供たちが学校から社会に出た際にスムーズに社会に入っていけると思いますし、自分の居場所も見つけやすいと思っております。障害を持っていない方も、障害をお持ちの方を社会人として受け入れやすくなるはずです。  基山町には、障害をお持ちの方が職業として絵を描き、社会の一員として働いていらっしゃるPICFAという施設があります。PICFAは、病院の中に障害のある方が働く場をつくった、実は日本で最初の施設であります。  インクルーシブ教育などを進め、障害があるなしにかかわらず、全ての子供たちが同じように成長していくことで、PICFAのような事業がどんどん立ち上がってくると、そのように思っております。  さらに、そもそもさまざまな家庭の事情により実の親のもとで暮らすことができない子供たちもたくさんいます。全ての子供たちが心身ともに健やかに生まれ、育成できるように、佐賀県全体で取り組んでいってもらいたいと思っております。  ただ、子供たちの周りの状況は常に変化しております。素早い適切な対応を行わないと、将来を担う子供たちの健全な育成が難しくなってくると思っております。  よって、通告に従いまして、第一問は佐賀県での子育てとして五項目を質問いたします。子供たちの側に立った思いとして答弁のほどよろしくお願いします。  まず一項目めは、特別支援学級についての質問です。  先ほども言いましたように、障害のある子供たちは増加をしております。佐賀県でもこの十年間で、小学校で約三・五倍の二千四百二十名、中学校でも約二・七倍の八百十一名が特別支援学級に通っています。  特別支援学校も佐賀県にはありますが、自閉症や情緒障害の子供さんは自分の住所が近い学校へ通っていらっしゃいます。  この特別支援学級は、一クラスを八名で構成することになっております。それでも特別支援学級数は増加をしております。  子供の全体の数は減っていますが、特別支援学級はふえていますので、学校では教室が足りなかったり、支援員が不足しています。学校内ではいろいろな工夫をされております。  このような状況の中でも、学校では先ほど言いましたインクルーシブ教育として、できるだけ通常の学級の生徒さんと特別支援学級の生徒さんが交流、共同学習も行われております。  インクルーシブ教育システムとは、障害のある方と障害のない方がともに学ぶ仕組みでございます。同じ場所でともに学ぶことによって、自立と社会参加を見据えて多様な学びの場が用意をされているところでございます。  インクルーシブ教育は、県民の理解も進み、一定の成果も出ています。先ほど御紹介しましたPICFAもその一例だと思います。共生社会の形成に向けて、今後もより一層、着実に推進する必要があると考えております。  インクルーシブ教育の取り組みの中でも、特別支援学級と通常の学級との間で行われる交流及び共同学習は、障害のある子供にとっても障害のない子供にとっても経験を広め、社会性を養い、豊かな人間性を育てる上で大きな意義を有するとともに、多様性を尊重する心を育むことができる取り組みだと思います。  この通常の学級と特別支援学級との交流及び共同学習は、鳥栖・三養基地区の小中学校では頻繁に行われています。しかし、私はまだまだもっともっと交流及び共同学習を推進すべきだと思っております。  しかし、現状は、通常学級の児童生徒の教室の中に特別支援学級の生徒が入られるため、交流及び共同学習の時間は、教室の中に児童生徒が四十名を超える学級が生じることもあっております。  これでは教員が一人や二人では足らないため、児童生徒にとっても、教員にとっても負担が大きいと感じております。よって、負担を軽減するために支援員を配置して、教員をフォローする体制をとる必要があると考えております。  私は、十数年、PTA活動にかかわってきておりまして、今も授業風景を見たり学校の状況を確認していますが、この特別支援学級については、小中学校の特別支援学級の学級編制基準の上限である、先ほども言いました八名が在籍する学級もあるなど、運営の大変さを実感しております。担当職員一人で特別支援学級の児童生徒八名を教えるとなると、教える側も大変で、障害のある子供さんにきめ細かい行き届いた教育を行うのは難しいのではないかと思っております。  このように、特別支援学級の増加を、支援員を増員してカバーしたり、インクルーシブ教育を進めるために、交流、共同学習をしている学校現場に対し、児童生徒及び教員の支援のため、市町が特別支援教育支援員を配置した場合は県が補助する、また特別支援学級の学級編制基準を引き下げるといった支援が必要だと考えますが、県教育委員会はどのように取り組んでいくのでしょうか、教育長にお伺いしたいと思います。  佐賀での子育てについての二項目めは、放課後児童クラブについてでございます。  近年、核家族化の進行、共働きの世帯、ひとり親家庭の増加など、子育てを取り巻く環境は大きく変化し、学校が終わっても家庭で子育てをすることが難しくなってきています。  このような中、保護者の仕事と子育ての両立支援や、子供たちの健全育成を目的とした放課後児童クラブの需要は増加をしております。さらに、放課後児童クラブの対象小学三年生まででしたけど、二〇一五年から小学六年生まで広がったことで、より一層の需要につながりました。その需要に放課後児童クラブの受け入れが追いつかず、実はこの部分でも待機児童が発生しているクラブがあります。  佐賀県内では、今年度五月一日時点で放課後児童クラブの待機児童は何と二百五十八名であります。家庭での子育てが難しくなった現在、これは絶対ゼロにしないといけないと思っております。冒頭でお話ししましたように、地域ぐるみの子育てが活発にはなってきたものの、放課後児童クラブの重要性は増しております。  待機児童が出ている要因は、大きく二つ問題があると聞いております。  一つは施設の問題だということです。放課後ですので、学校の空き教室や学校の敷地内とか、学校の近くの施設などを利用するのが一番適当なのですが、場所の問題や管理上の問題が発生して、施設をふやせない地域があるというふうに聞いております。  もう一つの問題は、支援員の問題です。支援員の配置が厳しい自治体は補助員を雇っているんですが、支援員も補助員も確保が難しい自治体もあると聞いております。  県としては、このような市町に対してきめ細かい支援をしていただきたいと思っております。  さらに、ことし第九次地方分権一括法が施行されました。今までは児童四十人以下に支援員が二人以上の配置義務となっていたんですが、この第九次地方分権一括法が施行されて、「参酌すべき」としながらも、一人の支援員で四十人を運営も可能ということになりました。佐賀県として、この状況をどうするのでしょうか。放課後児童クラブが子供たちにとって安心して安全に過ごせる生活の場としていくために、支援すべき量、質ともに充実すべきだと強く思っております。  そのほか、放課後児童クラブの現場では、けがや事故などの安全対策や、保護者との連携、特に、近年増加しています配慮を必要とする子供たちへの対応等に苦慮しているとの声もあり、支援員の負担は大きくなっていると聞いております。  支援員の負担を軽減するためにも、専門的な知識を持った方を配置するなど、負担軽減に力を入れてもらいたい。支援員の負担軽減が支援員不足の解消にもつながるのではないでしょうか。  このような非常に難しい状況にある放課後児童クラブでありますので、次の点についてお伺いしたいと思います。  まず、放課後児童クラブにはどのような課題があるのでしょうか。  そして、課題解消に向けて、今後どのように取り組んでいくのでしょうか、男女参画・こども局長にお伺いいたします。  三項目めは、児童発達支援や放課後等デイサービスについての質問です。  就学前で障害のある子供たちが過ごすべくつくられた児童発達支援の施設と、小学校の放課後等において障害がある子供を対象につくられた放課後等デイサービスは、集団生活への適応や生活能力向上に必要な支援を行い、将来、障害のある子供が自立して暮らしていくための基礎となるものであり、特に大切だと認識しています。  しかし、私の地元の基山町では、町内で放課後等デイサービスの利用を希望しても、人気の事業所には空きがないため、お隣の福岡県の事業所を利用していらっしゃる方もいると聞いております。  また、近年、県全体で児童発達支援及び放課後等デイサービスの利用者がふえていることとあわせて、事業所数も増加していると聞いています。障害のある子供が適切な支援を受けられるために、事業所が適正なサービスを提供していくことが必要だと考えております。  そこで、次の二点についてお伺いいたします。  児童発達支援及び放課後等デイサービスの現状はどのようになっているのでしょうか。また、どのような課題があると認識しているのでしょうか。  二つ目、障害のある子供たちが必要とするサービスを適切に受けられるよう、児童発達支援や放課後等デイサービスの充実を図っていくことが重要だと考えますが、県はどのように取り組んでいかれるのでしょうか、健康福祉部長にお伺いいたします。  四項目めは、里親制度についてお伺いいたします。  これまでお話しした子供たちは、あくまで家庭があり、養育する保護者がいる子供たちのお話でした。しかし、ここ数年、家庭内での問題が数多く発生しております。最近、虐待と思われるようなニュースが大変多うございまして、非常に心を痛めております。  親の病気や経済的理由、さまざまな家庭の事情により、実の親のもとで暮らすことができない子供たちがいっぱいいます。県内の児童養護施設や里親などに預けられている児童の総数は、ここ最近は二百人台半ばで推移をしており、そうした社会的養護のもとにいる子供たちについても、できる限り家庭と同様の環境で養育されていってほしいと考えております。平成二十八年、児童福祉法の改正においても、家庭養護優先の原則がうたわれていることから、ますます里親制度が重要になってきております。  現在、社会的養護における里親等の委託の割合は全国平均で二〇%前後であるのに対し、佐賀県は三一・一%で、里親制度は全国平均よりも進んでいるというふうに聞いております。ただ、さらにこれから里親制度を進めるに当たっては、里親制度を支援する機関の設置や、それに対する財政の支援など、佐賀県のかかわりが重要だと考えております。  このように佐賀県では、里親やファミリーホームでの養育というような家庭養護を推進するに当たって、受け皿となる里親の確保が重要となってきますが、県は里親をふやすためにどのように取り組んでいるんでしょうか、男女参画・こども局長にお伺いいたします。  問一の最後に、知事にお伺いしたいと思います。  「子育てし大県”さが”」を表明されておりますが、近年、子供たちを取り巻く環境は大きく変化し、学校や家庭の目の届かないところでさまざまな事件が起きております。  佐賀県の子供たちがこのような事件に巻き込まれることなく、現在、知事が推進している「子育てし大県”さが”」のさまざまな取り組みや地域の方々の見守りの中で、障害の有無や家庭環境にかかわらず、健やかに成長し、佐賀の子育て風土につなげていってほしいと考えております。  そこで、「子育てし大県”さが”」に対する知事の思いについて伺いたいと思います。  それでは、二問めの質問に移りたいと思います。  二問めの質問は、通告どおり交通事故防止対策についてでございます。  実は交通事故防止対策については、私は九月の一般質問でも質問をさせていただきました。本当は佐賀での子育てについてだけ言おうと思っていたんですけど、やはりこれは絶対に今言うとかなくてはいけない、質問しなくてはいけないなと思って追加をしました。  それは二つ理由があります。一つ目の理由は、既に交通死亡事故が昨年を上回っているためです。そもそも交通事故はなぜ減らさなければいけないのでしょうか。県民にとって何が一番大切なものでしょうか。物やけがはもとに治せる可能性がありますが、命はもとに戻せません。交通死亡事故は昨年一年間で二十八件で三十人の方がお亡くなりになられていますが、ことしは十二月三日時点で既に三十一件発生し、三十一名の方がお亡くなりになられました。悲しいことに、前回、九月の一般質問で交通安全を呼びかけしたんですが、その九月以降に三十一件のうち十五件が発生し、十五人の方が亡くなられています。直近三カ月で半年分の人数の方がお亡くなりになられていると。私はこれは緊急事態だと思っております。  昨日の一般質問の弘川議員の質問の中でもありましたように、先日、私は犯罪被害者支援フォーラムに参加をさせていただきました。ありがとうございました。  そのとき、被害者の支援の呼びかけを、実際、支援よろしくお願いしますと呼びかけをされた方は、二十四歳の息子を飲酒運転の車にひき逃げをされて亡くされ活動をされていました。改めて人の命はとても重く、周りの人の人生にも大きく影響するものだと感じました。死亡事故が多発していることを重く受けとめなければいけないと思い、今回質問しました。  二つ目の理由は、事故が多くなる十二月に入りましたが、いまだにワーストレベルにある人口十万人当たりの人身交通事故の件数などは、十二月末が締めでカウントをされます。日ごろから県ではさまざまな媒体を通じて注意喚起や、死亡事故の発生した地域において、地元の町、警察、関係団体の合同で緊急街頭キャンペーンをされています。来週の十二月十一日から冬の交通安全県民運動が実施をされ、県全体で各機関・団体が連携協力して交通事故防止対策に取り組まれると聞いております。  目標達成のためにいつも以上に県民に寄り添った活動を期待しているのですが、ここで十月、立て続けに二件の交通死亡事故が発生した白石町での活動を御紹介したいと思います。  白石町の活動はメディアにも報道されましたけど、十一月十一日に佐賀県や警察が地元の職員さんと協力をされて、約三十名の方が三つのスーパーで買い物に来られたドライバーさんに対して反射材をずっと配られておりました。交通安全の呼びかけを直接、県の職員さんがされておりました。安全意識高揚にすごく通じるすばらしい活動だと私は感じました。  先ほどの犯罪被害者支援フォーラムで被害者支援を呼びかけられている方も、白石町で活動された方も、本気で積極的に活動されていると思います。県民全体が自分のこととして当事者意識を持って行動してもらいたいと思います。  県民に意識をしてもらうためにはどうしたらいいのでしょうか。私は県の職員さんがみずから汗をかかねばならないと。そうしないと、市町の職員や警察とともに汗をかいて佐賀県の本気を見せないと県民に意識してもらえないかなと、そういうふうに思っております。本気を見せることによって、県民の意識が少しずつでも変わっていくのではないでしょうか。年末、これ以上死亡事故が発生しないように、また人身事故がふえていかないように強く思っております。  私の熱い思いを伝えましたが、これまでも交通事故防止対策として、県警察、各市町、関係団体と連携してさまざまな取り組みをされています。交通事故をゼロにするためには、いま一度、県民みずからが交通事故防止について何が問題かをしっかりと意識し、事故防止対策に取り組んでいく必要があるのではないかと考えていますが、どう行動していただくのでしょうか、県民環境部長にお伺いいたします。  これで私の質問は終わります。明確で積極的な答弁を何とぞよろしくお願いします。(拍手) 10 ◎議長(桃崎峰人君) 暫時休憩します。     午後零時二分 休憩 令和元年十二月六日(金) 午後一時三十一分 開議  出席議員    三十六名     一番  一ノ瀬 裕 子     一五番  古 賀 陽 三     二九番  徳 光 清 孝     二番  古 賀 和 浩     一六番  川 崎 常 博     三〇番  中 倉 政 義     三番  弘 川 貴 紀     一七番  定 松 一 生     三一番  石 井 秀 夫     四番  下 田   寛     一八番  八 谷 克 幸     三二番  留 守 茂 幸     五番  古 川 裕 紀     一九番  江 口 善 紀     三四番  木 原 奉 文     六番  中 村 圭 一     二〇番  藤 崎 輝 樹     三五番  藤 木 卓一郎     七番  冨 田 幸 樹     二一番  向 門 慶 人     三六番  石 倉 秀 郷     八番  井 上 祐 輔     二二番  坂 口 祐 樹     三八番  土 井 敏 行     九番  木 村 雄 一     二三番  宮 原 真 一    一〇番  中 本 正 一     二四番  原 田 寿 雄    一一番  野 田 勝 人     二五番  岡 口 重 文    一二番  西久保 弘 克     二六番  大 場 芳 博    一三番  池 田 正 恭     二七番  武 藤 明 美    一四番  井 上 常 憲     二八番  稲 富 正 敏 欠席議員    二名    三三番  石 丸   博    三七番  桃 崎 峰 人
    地方自治法第百二十一条による出席者          知        事   山  口  祥  義          副   知   事    坂  本  洋  介          副   知   事    小  林  万里子          政  策  部  長   大川内   直  人          総  務  部  長   進     龍太郎          地域交流部長       南  里     隆          県民環境部長       原     惣一郎          健康福祉部長       川久保   三起子          産業労働部長       澤  田  斉  司          農林水産部長       池  田  宏  昭          県土整備部長       逢  坂  謙  志          危機管理・報道局長    山  下  宗  人          文化・スポーツ交流局長  田  中  裕  之          男女参画・こども局長   甲  斐  直  美          会 計 管 理 者    尊  田  重  信          警 察 本 部 長    杉  内  由美子          教   育   長    落  合  裕  二          人事委員会事務局長    稲  冨  正  人 職務のため議場に出席した事務局職員          議会事務局長       脇  山  行  人          同    副事務局長          議事課長事務取扱     杉  谷  直  幹          総  務  課  長   吉  田     泰          政務調査課長       島  内  直  樹          議 事 課 参 事    篠  田  博  幸          総務課副課長       川  崎  和  博          議事課議事担当主幹    原     康  祐          同    議事担当主査  池  田  陽  介     ○ 開     議 11 ◎副議長(大場芳博君) これより会議を開きます。  午前中に引き続き一般質問を行います。  古賀和浩君の質問に対する答弁から開始いたします。 12 ◎山口知事 登壇=古賀和浩議員の御質問にお答えいたします。  私からは、「子育てし大県”さが”」への私の思いについて答弁申し上げます。  「子育てし大県”さが”」に取り組んだきっかけは、これも再三議会で申し上げておりますが、県民の皆さんから子育てが苦しいということではなくて楽しいと思えるようにしてと言われたことがきっかけであります。  佐賀県は豊かな自然や歴史に恵まれ、みんなで助け合う県民性、そして、土地柄、地域のコミュニティーがまだまだ生きておりまして、子育てがしやすい環境に恵まれていると認識しています。  私は、そんな佐賀県で楽しく子育てをしていただきたいという思いを持ちまして、これまで出会いから結婚、妊娠・出産、子育てといった各ライフステージに応じた「子育てし大県”さが”プロジェクト」に取り組んでまいりました。  具体的には、出会い・結婚の支援として、出会いサポートセンターや「SAGA未来デザイン事業」。妊娠・出産への支援として、風疹抗体検査等の助成、そして、不妊・不育治療費の一部助成。佐賀の子供たちにさまざまな経験、骨太な体験をしてほしいという思いから、本に親しむこころざしスポットを整備したり、児童書全点購入、そして、志を育む体験活動、さまざまな活動を講じてまいりました。  県民の皆さんの子育てのさまざまな声に寄り添った結果、令和元年度は五十六事業、約十億円のプロジェクト事業に取り組むことになりまして、年々これは充実させていただいているところでございます。  こうした取り組みによりまして、平成三十年、昨年、県民に対する意識調査で佐賀県の子育て環境に対して肯定的な回答をした方は四年前の三三・二%から四五・八%に増加するなど、少しずつですが、子育てに最適な佐賀県といったものが進んでいるんじゃないかと思っております。  そして、古賀議員からも御指摘いただきました障害のあるお子さんや、さまざまな家庭の事情により、親と一緒に生活できないお子さんたちの支援を進めることが重要であります。全ての皆さん方に「子育てし大県”さが”」を感じていただくことが肝要だと思っています。  これまで軽度・中度難聴児の皆さんの補聴器購入費の補助ですとか、児童養護施設の子供たちの自立を目的とした「十八歳の巣立ち応援」、「『子どもたちの居場所を支える地域の力』マッチング強化事業」などの施策を展開してきたところでございます。  PICFAのお話もございました。私もお伺いして、本当に障害をお持ちのお子さんがむしろ特性を生かすという形で輝いておられて、一緒に私の名刺をつくる作業をしていただきました。  佐賀県は、合計特殊出生率は全国八位、そして、人口に占める十五歳未満の子供の割合は全国三位と高うございます。このアドバンテージをいかに生かすか、大切にするかが、県勢浮揚の鍵だと思いますので、この強みをさらに増していくために、「子育てし大県”さが”プロジェクト」を一層加速させていきたいと思っています。  本プロジェクトの取り組みにより、佐賀県で成長した骨太な子供たちが骨太な大人になり、生まれ育った佐賀で仕事や家庭を持ち、あるいは佐賀を一度離れても再び佐賀に戻って事業を起こし、次の世代を育てていくといった循環につながると期待しています。  そして、若い世代に佐賀県は結婚、出産、子育ての希望がかなう県と思っていただける魅力ある地域にしていく。県内はもちろん、県外からも若い人たちを本県に呼び寄せ、将来にわたる佐賀県の地域活力の維持発展につなげていくようにしたいと思います。  古賀議員からさまざまな環境に置かれている子供たちのお話がありましたが、これからも多様な子育てに真摯に向き合い、さまざまな観点からの取り組みをさらに磨き上げ、本プロジェクトを全力で推進してまいりたいと考えております。 13 ◎原県民環境部長 登壇=私のほうからは、交通事故防止対策について御答弁申し上げます。  九月議会の一般質問におきまして、古賀議員がお嬢様を交通事故で亡くされたということ、そして、それが地域活動の力の源になっているというお話をされたことを、私驚きを持って聞いたことを今でもよく覚えております。  そして、今議会では弘川議員のほうから犯罪被害者支援の御質問をいただきました。私、犯罪被害者支援の担当でもございます。交通事故の被害者御家族の方が多数おられて苦労されているということも聞き及んでおります。古賀議員の思い、被害者御家族の思いをしっかり受けとめて、交通事故防止に取り組まなければならないと改めて強く思った次第でございます。  さて、本県の交通事故の状況でございますが、これは議員からもるるお話しいただきました。人口十万人当たりの交通事故の発生件数は、減少傾向は続いておりますけれども、依然としてワーストレベル、ワースト二位でございます。  事故の特徴でございますけれども、本県の場合は追突事故の割合が非常に高うございまして、平成三十年の数字でいきますと、全国平均が三五%であったんですが、佐賀県は四七%と十二ポイントも高うございます。その原因の多くは、脇見や漫然とした運転、いわゆる前方不注意、そういうところでございます。  また、十二月五日現在の交通事故の死亡者数でございますけれども、前年同期と比べますと、三名増の三十一人、既に昨年の三十人という数字を超えておりまして、厳しい状況が続いております。私も大変重く受けとめているところでございます。  死亡事故の中でも、特にことしの場合は横断中の歩行者がはねられて亡くなる割合というのが非常に高うなっておりまして、昨年、平成三十年が三三%であったのが、ことしは六一%とはね上がっております。運転者がしっかりと前を見てさえいれば、避けられた事故が多かったのではないかと、そういうふうに感じております。  こうした状況を踏まえまして、県では、運転者の注意喚起、こちらのほうに重点を置き、運転中はしっかりと前を見るという、いわば基本中の基本を守るというメッセージを、ラジオ、テレビ、新聞などの媒体等を通じて訴え続けております。  また、議員から御紹介がありましたが、白石町では警察や交通安全指導員などとの合同街頭キャンペーンで交通安全を呼びかけていただいております。地域でも危機感を持って取り組んでいただいているところでございます。  さらに、十二月一日には運転中の携帯電話使用などに対する罰則が強化された改正道路交通法が施行されました。これは運転中に携帯電話やカーナビを見たり、操作したりする、いわゆるながら運転、これを防止して、しっかり前を見て運転するという基本を運転者に強く意識づけるものでございます。  十二月十一日からは、冬の交通安全県民運動がスタートいたします。この運動の中でも、運転中の携帯電話の使用禁止、前方をしっかり見る前方注視、こういったことをしっかり訴えてまいります。  また、昨年度から本県では「SAGAブループロジェクト」なるものを立ち上げまして、交差点のカラー化などに取り組んでおります。視覚的に運転手の方に注意を促す、そういうカラー化でありますとか、県民参加型のイベントを通した安全意識の向上、ハード・ソフト面からの意識改革を進めておりまして、こちらも引き続きしっかりと取り組んでまいります。  交通事故防止には特効薬のようなものはなかなかないと思っております。県民一人一人が交通ルールの遵守、マナー向上、このことを自分事としてしっかり意識していただけるようにすること、これに尽きるのではないかと。交通ルールを守る、しっかり前を見る、ある意味、当然のことで非常にシンプルなことではございますけれども、逆にそれゆえに実は皆さんが心に意識づけができていないというか、気づかないというか、そういうところがあるのかもしれません。そういった意識がしっかり県民の方に根づくように、あらゆる機会を通して粘り強く訴え続けていきたいと思っております。  議員から命はもとに戻せないというお話がありました。非常に胸に刺さる言葉でございます。これ以上、とうとい命、大切な命が交通事故で奪われることがあってはならないと思います。県警を初め、市、町、関係団体としっかりと連携しながら、安全で安心な佐賀県の実現に向けて、議員からも汗をかけというお言葉をいただきました、全力で取り組んでまいります。  私からは以上でございます。 14 ◎川久保健康福祉部長 登壇=私からは、佐賀での子育てについての御質問のうち、児童発達支援及び放課後等デイサービスについて二点お答えをいたします。  初めに、児童発達支援及び放課後等デイサービスの現状及び課題についてでございます。  児童発達支援及び放課後等デイサービスは、障害のある子供たちが身近な場所で支援を受けることができる通所支援事業でございまして、サービスを提供しようとする事業所は、障害のある子供たち一人一人に合った支援計画を作成する児童発達支援管理責任者や直接支援に当たる児童指導員等の人員や設備等につきまして、国が定めた基準を満たした上で、都道府県知事による指定を受けることとなっており、主な運営主体は営利法人、一般社団法人、社会福祉法人などとなっております。  その現状でございますが、県内の児童発達支援及び放課後等デイサービスの事業所数などについて、制度が創設された平成二十四年と本年を四月一日現在で比較をいたしますと、児童発達支援については、事業所数二十一事業所から五十七事業所に、定員二百十六名から六百二十六名に、四月の利用者数、これは実人員でございますが、二百十二名から六百十六名に。次に、放課後等デイサービスにつきましては、事業所数十九事業所から百五事業所に、定員百四十七名から千八十六名に、四月の利用者数は百七十二名から千七百四十四名になっており、事業所数、定員、利用者数とも大幅に増加しております。  昨年三月に策定した障害児福祉計画における今年度の利用者見込みについてもおおむね満たしている状況であり、新規開設の相談もあっておりますことから、今後も事業所数はふえていくことが見込まれます。  課題でございますが、このように事業所数等が一定数確保されてきている中、各事業所が提供するサービスの質の向上や、適切な事業所運営が確保されることが課題であると考えております。  次に、今後の県の取り組みについてでございます。  児童発達支援や放課後等デイサービスの充実を図るためには、先ほど申し上げましたとおり、サービスの質を向上させることや、適切な事業所運営が確保されることが重要と考えております。  サービスの質の向上につきましては、事業所の職員が制度理解や支援のスキルを高めることが重要であるため、毎年、全事業所を対象とした集団研修や、県の療育支援センターが行います療育支援研修への受講を呼びかけるなど資質向上のための機会を提供しており、引き続きこのような研修の充実に取り組んでいきたいと考えております。  また、適切な事業所運営の確保につきましては、通常三年に一回、営利法人につきましては平成二十九年度から二年に一回、県が実施しております実地指導を通じまして、法令遵守やサービスが適切に提供されているかどうか、また、厚生労働省のガイドラインに基づき適切に自己評価や保護者からの評価がなされているかなどの確認、指導を行っております。  さらに、このような実地指導の実効性を高めていくためには、サービスの支給決定を行う市町と県との連携を深めていくことが今後は重要であると考えておりまして、今後、実地指導における指摘事例などの情報共有や、必要に応じて県と市町合同で実地指導を実施するなどしていきたいと考えております。  議員からは、人気の事業所はあきがないという話がございました。保護者が安心して通わせることができる質のよいサービスを提供されているからこそだと思います。事業所それぞれ質の向上には努めていただいているところではございますが、県といたしましても、高く評価される事業所をふやす取り組みを進めることでサービスの充実に努めてまいりたいと思っております。  私からは以上でございます。 15 ◎甲斐男女参画・こども局長 登壇=私からは、佐賀での子育てのうち、放課後児童クラブと里親制度の二項目についてお答えをいたします。  初めに、放課後児童クラブについてのうち、まず課題についてでございます。  放課後児童クラブは、女性就業率の増加や、議員からもお話がありました平成二十七年度から受け入れが小学六年生まで拡大されたことなどにより、利用ニーズが急速に高まっています。  各市町では、これまで学校の余裕教室を活用したクラブの創設や施設整備に取り組まれておりまして、県としても積極的に必要な予算を確保、支援しております。その結果、令和元年度の登録児童数は、昨年度から六百三十八人分の受け入れをふやしましたけれども、ニーズ増に追いつかず、御指摘のとおり二百五十八名の待機児童が発生しております。  放課後児童クラブは、保護者の仕事と子育ての両立に重要な役割を担っており、市町と連携して待機児童を解消することが喫緊の課題でございます。また、お話がありましたけれども、質の充実も重要と考えております。  次に、課題の解消に向けた取り組みについて申し上げます。  待機児童の解消には、受け入れ枠の拡大と放課後児童支援員の確保が必要です。  受け皿の確保につきましては、待機児童が発生している市町に出向きまして、施設整備への補助を当初予算に限らず、市町の準備が整うところがあれば、補正予算での対応も行うことや、周辺の公共施設の活用、民間児童クラブへの補助などにより受け入れ拡大ができないかなど、対応策を個別具体的に話し合っているところでございます。  放課後児童支援員の確保につきましては、専門性に見合った賃金となるよう、処遇改善も含めたクラブの運営費に対する補助の積極的な活用などについて、引き続き働きかけを行ってまいります。  また、多くの方に放課後児童クラブについて知っていただき、関心を持っていただけるよう、クラブの現状や支援員の仕事の内容、労働条件などの説明会を行っておりまして、平成三十年度は十の会場で百五人の方に参加いただいたところでございます。今年度も年明けに行う予定にしております。  このほか、シニア向けの企業説明会ですとか、子育て世代の就活フェスタなどの機会を活用しておりますが、今後ともさまざまな機会を活用して広報に努めてまいります。  また、市町に対しては、引き続き処遇改善も含めたクラブの運営費に対する補助の積極的な活用などについて働きかけを行ってまいります。  クラブの質の確保についてでございますが、子供たちが安心して放課後を過ごすために、放課後児童支援員が果たす役割は大きいものと考えており、引き続き放課後児童支援員の認定資格研修や資質の向上を目的とした研修会を実施してまいります。  議員から御発言がありました放課後児童クラブにおいて、配慮を要する子供への対応などで支援員の方々の負担がふえているというお声がございました。これに対しましては、例えば、障害児を受け入れた場合、職員一名の加配がございますけれども、それに加えて、三人以上の受け入れを行う場合に追加で職員一名を加配するための経費、また、医療的ケアが必要なお子さんに対する支援に必要な専門職、看護師などを配置したときに要する経費など、これにつきましても補助制度がございますので、積極的な活用を促してまいります。  このほか、今年度六月補正予算により開始しました放課後児童クラブ巡回支援事業によりまして、巡回アドバイザーが現場を回りまして、子供たちの事故やけが、防犯、防災対策などの安全管理体制に関することですとか、子供の発達段階に応じた遊びや生活に関する助言、障害のあるお子さんや配慮を要するお子さんへの支援に必要な関係機関との連携、紹介などを行っております。  今後とも、県全体の放課後児童クラブの質の向上に取り組んでまいります。  また、基準の参酌化についてお話がございました。  令和二年度から放課後児童支援員の配置基準や資格基準を市町の裁量により定めることが可能となりますけれども、県としましては、子供たちの安全・安心な生活の場を守ることが最優先であり、放課後児童クラブの質を低下させてはならないと考えています。  現在も国の配置基準より厳しい内容を含む佐賀県放課後児童クラブガイドラインを定めておりまして、全市町に提示しているところでございます。引き続きこのガイドラインの考え方や趣旨について、放課後児童クラブの基準を定める全市町に丁寧に説明し、理解を求めるとともに、意見交換、助言を行っていきます。  県としましては、子供たちの健やかな成長を願い、市町と連携しまして、子供たちが安心して過ごせる大切な毎日の生活の場である放課後児童クラブの充実にしっかりと取り組んでまいります。  次に二項目め、里親制度についてお答えをいたします。
     平成二十八年六月の児童福祉法の改正によりまして、子供が権利の主体であるとともに、家庭養育優先の理念が法で規定されまして、家庭と同様の環境における児童の養育を推進することとされました。  これを受けまして、県では、家庭と同様の環境における児童の養育を推進するための計画を策定しているところです。  議員から御指摘がありましたように、受け皿となる里親やファミリーホームをふやすことが重要になると考えています。  現在の里親登録数の状況は、平成二十七年四月で五十九世帯であったものが、平成三十一年四月時点で百三十二世帯と、順調に伸びてきております。ファミリーホームにつきましても、平成二十七年四月時点で二カ所であったものが、平成三十一年四月時点で六カ所と増加しております。  これは、中央児童相談所に里親担当の児童福祉司を配置し、児童養護施設の里親支援専門相談員や里親制度の普及発展を目指す里親会などと連携しながら、里親の開拓や登録された里親への支援などを実施していることなどが要因と考えております。  登録里親数などにつきましては、増加傾向にありますけれども、里親を必要とする子供の個性や成育歴を踏まえて、相性の合う里親と慎重なマッチングを行うことが求められますので、今後もより多くの里親登録者を確保していく必要がございます。  里親になられた方のお声を御紹介いたします。  里親として登録され、実のお子さんが大学進学で実家を離れたことを契機に、現在三歳となるお子さんを養育されている県内御夫婦のお話です。  最初は、里親になることを迷っていた主人も、今は孫みたいとかわいがっていますとおっしゃっています。また、夫婦二人で過ごしていた時期は家の中が静かでしたが、お子さんが来てからは夫婦の会話もふえたし、家の中が明るくなったとおっしゃっていただいています。  県としましては、親の病気や経済的な事情、虐待など、さまざまな事情により家庭で生活することができない子供たちが家庭的な環境の中で健やかに育つことができるように、例えば、これも議員の御発言の中にありましたように、里親の開拓、支援などを担う民間機関の設置につきましても検討を行い、それとともに、先ほど申し上げましたような里親たちの声と思い、これを県民の皆様に届けまして、里親になっていただける方をふやしていけるよう、しっかりと取り組んでまいります。  私からは以上でございます。 16 ◎落合教育長 登壇=私のほうからは、特別支援学級についてお答えをいたします。  教育長になって二カ月ぐらいたちましたけれども、この間、積極的に学校は訪問するようにしてまいりました。その中で県立の特別支援学校のほうにも何校か行きましたけれども、市町立の小中学校のほうにもお伺いさせていただきまして、その際は必ず特別支援学級の様子を見させていただくようにしてまいりました。  子供たちの元気な姿を見ると、勇気づけられましたし、個性豊かで障害の程度もさまざまな子供たちを指導される先生方も非常に大事な仕事をされているなというふうに感じた次第です。  県内の小中学校における特別支援学級に在籍する児童生徒数ですけれども、議員のほうからも御指摘がありましたように年々増加してきております。この十年、平成二十一年と比較しますと、平成二十一年度に九百二十八名だった児童生徒数が今年度三千二百三十一名と、約三・五倍になっております。また、一学級当たり八人が基準ですけれども、その基準に近い七人とか八人在籍している学級も、これは数年前ですけれども、平成二十八年九・五%であったものが、今年度一四・七%と、かなりふえてきているというのは実情でございます。  議員のほうからは、特別支援教育支援員を配置した場合の県の補助、あるいは特別支援学級の学級編制基準を引き下げることについて御提案がございました。  基本的には義務教育にかかわることについては国がしっかりと財源措置も含めて制度設計すべきものと考えております。この特別支援教育支援員につきましては、国のほうでは平成十九年度から地方交付税において市町のほうで措置できるように財政措置を講じられておりますけれども、先ほどから申し上げていますように、急激にその児童生徒数や学級数がふえておるこの状況の中では、なかなか多くの市町では、この地方交付税措置だけでは足りていないという状況は我々も把握をいたしております。  そういったこともありまして、県教育委員会といたしましては、ことし五月に行いました国への政策提案の中でも、特別支援教育支援員の配置に係る地方財政措置をさらに拡充すること、特別支援学級の学級編制基準の引き下げ及びそれに伴う教職員定数の改善を図ること、こういったことについて要請を行いました。こういった問題は全国でも同様でございまして、全国都道府県教育長協議会においても同様の提案を国に対して行っております。  今後も、引き続き国に対しては強く働きかけを行ってまいります。  県教育委員会としては何をやっているかということですけれども、これは基本の話ですけれども、市町立の小中学校の教職員の任免、あるいは配置というのも県教育委員会の仕事になっておりますけれども、最近のこの特別支援学級の急激な増加、これは十年前と比べますと、小中学校合わせて二百九十一学級だったものが、今年度七百八十八学級ということで、十年間で約二・七倍になっております。その分、教職員も必要になるわけですけれども、そういった学級数の増加に応じた教職員の配置というものを行ってきております。  また、「障害のある子どもの学校生活支援事業」というのに取り組んでおりまして、小中学校などからの要請に応じて、県立の特別支援学校の巡回相談員、または医療・福祉機関、大学などの専門家を、合わせて年間一千回程度派遣をしております。授業内容や生活場面における指導内容、方法などに関する助言を行うなどの支援を行っているところであります。  さらに、特別支援教育にかかわる教職員の資質向上、スキルアップというのが非常に大事だと考えておりまして、発達障害の研修については積み重ねを行ってきているところでございます。  今後も、市町の学校現場の実態を十分に把握させていただきながら、小中学校等における特別支援教育が充実するようにしっかりと支援をしてまいります。  以上です。 17 ◎藤崎輝樹君(拍手)登壇=藤崎輝樹でございます。  午後一ということもありまして、元気に質問をさせていただきたいんですが、この十一月議会、正直、今とても疲れております。それは、質問するに当たって執行部といろんな議論をさせてきていただいておりますけれども、やっぱりこのたびの入札不落、六十五億円の問題であります。  この六十五億円の中身というものが本当に妥当であるのだろうか。要は詳細がわからない。また、この先、今回の補正予算で足りるのだろうか、これまた不明確なわけであります。  こういう状況で質問するというのは、非常に審議が難しい。事細かく一つずつ聞いていきたいと、そういうこともあって、担当課とは相当議論をさせていただきました。本当に疲れたというのが正直なところです。  しかし、執行部に当たっては明確な答弁を求めていきたいというふうに思います。  SAGAサンライズパークの整備について質問をさせていただきます。  昭和五十一年、「さわやかに、すこやかに、おおらかに」をスローガンに若楠国体の愛称で開催されました第三十一回国民体育大会から四十七年を経て、佐賀県国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会が令和五年に開催をされます。  県は、この大会を契機としたSAGAサンライズパークの整備に力を入れております。知事いわく、夢や感動を生み出すスポーツの一大拠点として、国スポ・全障スポ後の佐賀の未来をも見据えた一大事業であります。  平成二十九年三月、佐賀県総合運動場等整備基本計画を策定した後、十一月にはこの大型事業を円滑に推進するため、佐賀県では初めてとなるコンストラクション・マネジメント、いわゆるCM方式を採用して、業界最大手の山下PMCと業務委託契約を結んでおられます。  その後、基本設計、実施設計と進み、厳しいタイムスケジュールの中、やっと迎えた入札において、SAGAアリーナの建物本体工事の請負契約入札が不落となりました。  その後、入札案件ということで詳しい情報はわからないまま、知事からやむを得ないこととして今議会に六十五億円の増額補正の継続費が提案されております。  この補正予算に対する知事の受けとめについては、一般質問初日、しっかりと議会からただされたところでありますが、私も疑問に感じていることを若干質問させていただきます。  まずは、定例県議会の開会初日、知事の提案説明を引用させていただきます。   予定価格と入札価格に大きな開きがあり不落となりました。その主な要因は、東京オリンピック関連や民間の大型開発、大規模災害の発生に伴う復旧工事などにより鉄骨の需給バランスが崩れ、設計時から入札時までの期間において建設市況が大きく変化し、建設資材が高騰したことなどによるものと考えています。(中略)今回の不落によってSAGAサンライズパークの整備におくれが出ることになりますが、透明性、公平性を確保しながら、できるだけ早期に再入札を行い、適正工期を確保するなど安全を第一に工事を進め、国スポ・全障スポの本県での開催に向けてしっかりと取り組んでまいります。  このようなことから、知事は追加予算を議会に諮られたわけでありますが、不落の要因に少しばかり触れただけでありました。六十五億円もの多額の予算と、国スポ・全障スポへ向けてのスケジュールの影響の深刻さの割には、余りにも言葉足らずでありました。  一般質問では、留守大先輩の再質問を待って謝罪の言葉がありましたが、その後に続いた同僚の江口議員、そして中本議員の質問に対しては、重く受けとめ、大変憂慮しており、心配をかけていると知事は答弁されるにとどまりました。  今後のスケジュールへの影響を考慮すれば、知事みずからが県民の理解を得られるよう説明責任を果たす必要があると私は考えます。  なぜ不落を防げなかったのか。不落のリスクを最小限にするためにどのような対策をとっておられたのか。期限が定められた国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会の会場となる施設整備におくれが生じないようにすることは県の責務であります。  そのため、その後のスケジュールに影響を及ぼす可能性がある入札においては、つまずかないよう、公正公平を担保に不落のリスクを少なくする対策が求められていたのではないでしょうか。  その結果、不落が生じてしまったなら、県の取り組みをきちんと説明することで不落に対する県民の理解を得た後に、やむを得ないこととして改めて追加予算の審議に入るのが筋道ではないでしょうか。このような具体的な経過説明もなく、提案根拠となる資料もない中で六十五億円の追加予算をどう判断すべきか、本当に悩みます。  そもそも、建設業界を取り巻く情勢については今さら言うまでもないと思いますが、厳しい実情から全国的な入札不調や不落が相次いでいる状況にあります。  これは今に始まったことではなく、平成二十年、リーマンショックにより建設業離職が加速した後に、震災復興事業、東京オリンピック事業の需要のため、機材、労務、材料の需給逼迫により建設費が高騰したためであり、もし入札成立に至らなかった場合、発注公告から再度入札契約手続を実施しなければならず、工程面でのリスクが非常に大きくなります。  そのため、国スポに向けた施設整備や、また、合併特例債を活用した庁舎建設など、供用開始時期が決められた事業において、不落、不調による事業工程の遅延の回避は重要な対策となっておりました。このようなことから、国においては、平成二十六年に「公共工事の品質確保の促進に関する法律」が改正をされました。  この改正により、「発注者は、入札及び契約の決定に当たっては、その発注に係る公共工事の性格、地域の実情等に応じ、(中略)多様な方法の中から適切な方法を選択し、又はこれらの組合わせによることができる」としております。  ちなみに、ことし国体が開催された茨城県水戸市では、新しく整備するアリーナが「いきいき茨城ゆめ国体」の会場に決まっていたため、不調、不落によるスケジュール遅延の発生を避けるために、工事における入札契約方式を「設計段階から施工者のノウハウを活用する方式」──優先交渉権者技術協力方式を導入してあります。  また、佐賀県の前年に国体が開催をされる栃木県では、PFI事業として新体育館、屋内水泳場等を一体的に整備してあります。  本県においても、大会開催へ向けてのタイトなスケジュールを鑑みて、入札の不調、不落による影響は絶対に回避しなければならなかったことから、国が効果的、効率的な入札方式としてガイドラインを示している設計と施工を一括で発注する、いわゆるデザインビルド──DB方式の採用などの対策を講じておくべきではなかったのかと考えております。  実際、コンストラクション・マネジメント業務委託相手の山下PMCからは、工事発注方式において提案を受けているというふうに思います。  この山下PMCとのやりとり等についても説明はなく、PFI事業についても検討はなされたのか、何も議会は聞かされておりません。一事が万事であります。  そこで、次の四点について伺います。  今回の提案は、知事の議会に対する政治姿勢があらわれているようにも受けとめていますが、知事自身、今回の補正予算を提案することについてどのように考えているのか、補正予算要求に当たっての知事の姿勢を伺います。  二点目に、SAGAサンライズパーク整備事業の進め方についてであります。  県においては、SAGAサンライズパークの整備事業を進めるに当たり、コンストラクション・マネジメント──CM方式を採用されておりますが、なぜ今回の事業にCM方式を採用されたのか。また、CM業務の内容はどのようなものか伺います。  三点目に、多様な入札契約方式についてであります。  平成二十六年度の品確法改正以降、公共工事へのデザインビルド方式などの採用もふえていると聞きます。このような方式は不落リスクの低減につながると考えますが、山下PMCからはどのような提案があったのか。また、県は従来の分離分割方式を採用されておりますが、どのような判断があったのでしょうか。  四点目、県財政への影響についてであります。  行財政運営計画に基づき、手がたく財政の運営に努めていただいておりますが、プライマリーバランスが赤字になり、今後さらに厳しい財政運営になるのではと心配しております。今回の増額六十五億円はどのように工面をされるのか。また、今後の財政運営への影響はどうなのか、説明を求めます。  次に二項目め、児童虐待について質問をいたします。  ことし一月、千葉県野田市におきまして、守られるべき幼い命を虐待から救うことができなかった事件に関して、児童相談所などの対応を調査していた千葉県検証委員会が先月二十五日に報告書を公表しました。  その報告書内容は、本事例の全経過を俯瞰すると、ミスがミスを呼び、アセスメントやリスク判断が不十分なまま、漫然と推移した末に痛ましい結果を招いたと言わざるを得ない。このように児童相談所など一連の行政機関の対応のまずさを厳しく指摘しています。  また、こうした経過を許した背景として、さまざまな課題が重層的に絡んでいることも報告書には記載されています。例えば、児童相談所、市町村とも急増する児童虐待通告への対応に追われて四苦八苦していて、人員増を含む体制強化が追いつかず、人材育成は後手に回り、職員は基礎的な知識を得る間もなく日々の対応に追われ、原則的な対応すら守られない状況にあったこと。また、管轄人口の規模が大きく、所長を初め、上司が必要な事例に目配りすることに困難さがあり、人員、経験ともに不足がちで、スーパーバイズも十分機能せず、組織としての適切な判断がなされない状態であったことなどであります。  そして、当該する市においても、市としての主体性やネットワークの力を発揮することができなかった背景には、要保護児童対策地域協議会に登録された事例数が、現状における市の対応力を超えており、適切に進行管理し切れなかったことがうかがわれ、専門性も不足していたことが挙げられています。  この背景における課題への指摘は、千葉県野田市に限ったことではなく、全国的な問題でもあると言えます。  平成三十年度に全国の児童相談所が対応した児童虐待相談件数は十五万九千八百五十件にも上り、増加の一途をたどっております。県内においても年によって増減はあるものの、全国同様に増加傾向にあります。  児童相談所の業務は対応や判断が難しい仕事であり、業務がふえる中、職員にかかる負担には大きなものがあります。このように、全国的な課題の背景を鑑みて、佐賀県では救える命は必ず守られると言い切れるのか心配をいたします。  国においては、急増する通告事案等に対応できるよう児童福祉司を二〇二二年度までに二千二十人増員することを打ち出しています。  しかし、この報告書にあるように、大変難しい対応に日々追われていく中で、何か大事なこと、基本的なものが見落とされていないだろうかと心配をするわけであります。  家庭に寄り添う福祉に一見反する一時保護などの介入は、その後の親と児童福祉司との信頼回復にも影響を及ぼすことから、担当する職員にとって相当なストレスになると思います。  また、過酷な任務にある職員のスキルアップを図るには、経験を重ねることも必要です。しかし、指導するスーパーバイザーが適任者となる前に異動をしてしまうといった人事異動の課題もあると聞きます。こうした懸案を解消しながら、児童虐待の対策については、市町等とともに、しっかり取り組んでいただきたいと願います。  そこで、次の点について質問いたします。  児童相談所の体制についてであります。  国はちゅうちょすることなく、立入調査や一時保護に踏み切るよう、児童相談所の職員を家庭に介入する職員と、家庭を支援する職員に分けるよう求めていますが、県はどのように考えているのか伺います。また、児童福祉司の増員についても答弁を求めたいと思います。  あわせて、児童相談所の職員の対応力を高めることも重要ですが、人材育成にどのように取り組んでいかれるのでしょうか。  警察との連携については、子供の安全確認をかたくなに拒む親に対しては、状況により警察の援助を求めることも必要となります。現在どのように取り組んでいるのか伺います。  今後の取り組みですが、国は二〇二二年度までに市町に「子ども家庭総合支援拠点」の整備を考えていて、児童虐待対策に資するものと期待をしておりますが、このことも含め、県は児童虐待の対策について、今後どのように取り組んでいくのか答弁を求めます。  最後に、水道ビジョンについてであります。  身近にある水道の蛇口からいつでも安全な水を使えることは、ふだん気にかけることはなくても、残念なことでありましたが、八月の令和元年佐賀豪雨による断水があったばかりでありますが、災害などで水道水が使用できないという報道に触れますと、改めて身近なところに水道があることを当たり前と思うのではなく、感謝するべきことなのだというふうに気づかされます。住民が健康で快適な暮らしを営む上で、必要不可欠な水を運んでくれる水道は、極めて公共性が高く、なくてはならない重要なインフラとして将来にわたって持続可能な水道の供給基盤を確立しなければなりません。  しかし、水道を取り巻く環境は、自然災害の頻発などもあり、大きく変化していて、人口減少に伴う水需要の減少、水道施設の老朽化、水道事業運営に必要な人材の不足など、今後の持続可能な水道基盤を強化していく上で大きなハードルとなっています。  このようなこともあり、国においては昨年十二月、水道の基盤強化を目的とした改正水道法が成立し、ことし十月に施行されたところであります。改正に当たっては、附帯決議が付されており、水道の基盤強化においては、全ての国民が水道の恩恵と安心・安全な水の供給を将来にわたって享受できるよう、国、地方公共団体及び水道事業者等が相互に連携を深めることとされました。また、水道に携わる人材の確保及び技術の継承などが必要であり、地方公共団体がこれらを実現するために必要な支援を行うこととなっています。これにより、持続可能な水道の実現に向けた道筋が示されたものと認識しており、佐賀県においてもこのたび佐賀県水道ビジョン案が公表され、今後、このビジョンに基づき具体的な水道基盤強化策が検討されていくものと考えております。  そこで、次の点について伺います。  県内の水道の課題と対応についてであります。  このビジョンは、持続可能な水道の実現のための重要な計画と認識しておりますが、県内の水道の課題としてどのようなものがあり、それに対してどのように対応していくのか。  また、課題への対応の一つとして水道事業者等の間の広域的な連携が挙げられますが、県としてどのように推進していかれるのか。  そして、持続可能な水道を実現していくためには、策定後のフォローアップが重要と考えますが、県としてどのように行っていくのか伺いまして、以上、質問とさせていただきます。(拍手) 18 ◎山口知事 登壇=藤崎輝樹議員の御質問にお答えいたします。  私に対しましては、SAGAサンライズパークの整備について、今回の補正予算を提案することになりました私の姿勢についてお尋ねがございました。  この件に関しては、私の対応が淡白というようなお話もいただきましたので、極力わかりやすい答弁を心がけていきたいと思います。  まず、SAGAサンライズパークの整備につきましては、国スポ・全障スポに向けた施設整備のあり方を検討する中におきまして、有識者等による議論、そして県内の競技団体等からの要望を踏まえまして、整備基本計画素案を取りまとめて、その後の県議会での議論、そしてパブコメなどを経て、平成二十九年三月にアリーナ整備を含めました整備基本計画として決定されたところであります。  スポーツだけをとりましても、国スポ・全障スポを一過性のイベントに終わらせることなく、本県が取り組むSSP構想と相まって、夢や感動を生み出すスポーツの一大拠点としてSAGAサンライズパークを生まれ変わらせることとしたものであります。  そして、国スポ・全障スポのメモリアル施設といたしましては、他県は大概開会式会場の陸上競技場を新築、改築するわけですけれども、例えば、長崎県さんでありますと、諫早の陸上競技場を改築されました。我々の中での検討において、これから「観る」、「支える」、そうした機能が大事だということで、まず「観る」スポーツの拠点として、我々にはバレーボールの久光さんですとか、バスケのバルーナーズさんができるという話で、ホームチームを有するわけで、そういったトップアスリートが躍動するようなスポーツの試合ができるように、そしてこれまで大規模なコンサートは佐賀県ではなくて、福岡、それから久留米、熊本ということでありましたので、佐賀でも実現できるように、それから展示会、コンベンションの開催など、文化、産業、国際交流におけるさまざまなシーンを実現し、新たな価値を生み出す「マルチ&シンプル」、多目的施設として整備したほうがいいんではないかということで、アリーナということで議論がなされたわけであります。  そして、折しも国民体育大会、国体は我々の大会から国民スポーツ大会に変わるわけでありまして、佐賀大会から生まれ変わる新しい大会は、SAGAサンライズパークを、元気で新しい時代の佐賀の象徴として全国へアピールする絶好の機会だというふうに考えました。そして、現在も国民の皆さんがわくわくするような仕掛けを今検討しているところであります。  そして、このやり方ですけれども、PFI方式、そして設計施工一括方式、議員からるる御指摘いただきました入札契約方式なども含めて、幅広く入札方法については検討をいたしました。その中で、一つポイントが、やはりアリーナの事業効果を増幅させるためには、二〇二三年の国スポ・全障スポに間に合わせたいという気持ちでした。その中で、今の入札方法や建設マネジメント手法が採用されることになったわけであります。この件につきましては、後ほど局長のほうから話があると思います。  しかしながら、この公共工事の入札不調、不落というのが、これは全国的にも今相次いでおりまして、これは藤崎議員のほうからもお話しいただいたとおりです。この難しい社会情勢の中というタイミングと重なってしまいました。そうしたことで、私自身も予想できなかった大きな価格の乖離で、今回不落となりました。そして、その結果、六十五億円という多額な追加財源が必要となったことは、私自身、大変重く受けとめておりまして、県議会や県民の皆様方に対しまして大変心苦しく思っているわけでございます。  国スポ・全障スポへの機運が高まっていく中で、この大会に間に合わせるためには、アリーナが完成した直後から国スポの開催準備に向けた陸上競技場の観客席などの仮設席の設置期間、そして行幸啓もありますので、そうした警備上、必要な仮設工事、工事に伴う不測の事態というものも安全のために確保しなければいけないので、それなりの相当な期間が必要であります。  そのために、アリーナ建築後に、国スポ・全障スポ開催のために必要な期間を逆算いたしますと、不落となった日から短期間ではありますけれども、今議会での補正予算の増額をお願いせざるを得ないということになりました。もっと審議していただく時間があればと大変申しわけなく思っておりますけれども、引き続き丁寧に説明させていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  こうした難しい社会情勢の中というタイミングではありますけれども、アリーナで開催されるさまざまなイベントなどへの期待の声も多く寄せられております。夢や感動を生み出し、佐賀の未来を見据え、スポーツ、文化はもちろんのこと、新しい時代における佐賀県のライフスタイル、まちづくりまでをも切り開いていくこのSAGAサンライズパークの整備を、その事業効果を発揮させるためにも、国スポ・全障スポに間に合う形でぜひとも前に進め、その効果を最大限発揮させていただきたいと考えているところでございます。
     今回の補正予算につきまして何とぞよろしく御審議お願いしたいと考えております。  以上です。 19 ◎進総務部長 登壇=私からは、SAGAサンライズパークの整備につきまして、県財政への影響についてお答えいたします。  まず、サンライズパーク整備事業費の財源についてでございます。  SAGAアリーナを含めますSAGAサンライズパーク整備の財源につきましては、可能な限り国庫補助金や民間助成金、また交付税措置のある県債を活用しまして、一般財源所要額や後年度の公債費負担の軽減を図りたいと考えております。  具体的には、整備する施設の用途、目的に応じまして、国の交付金、スポーツ振興くじ──totoの助成金でありますとか、地域活性化事業債や緊急防災・減災事業債といった県債を活用いたしまして、その残余について一般単独事業債などの県債、土地開発基金や大規模施設整備基金の活用を想定しております。  今回、増額補正をお願いしております六十五億円につきましては、今申し上げましたサンライズパークアリーナの全体事業費の一部となりますので、その財源につきましては、今申し上げましたような国の財源等の活用を想定しております。ただし、現時点におきましては、その財源の具体的な活用について関係省庁と調整中のものもありますので、財政収支として一番厳しい状況を想定し、一般単独事業債を充当できる七五%を県債の発行、残り二五%につきましては財源調整用基金を取り崩すことで賄う想定で財政への影響を試算しているところでございます。  今後の財政運営への影響についてでございます。  これまで事業規模に注意を払うとともに、不断の見直しを行うなど、スクラップ・アンド・ビルド、選択と集中による戦略的な財政運営に取り組んでまいりました。その結果、着実に県債を償還しながら県債の発行を抑制し、財政の健全化を示す指標であります将来負担比率は全国でもいいほうから四番目となるなど、健全な財政状況を構築し、保持している状況でございます。  その上で、この六十五億円の財政への影響でございますけれども、この財源につきましては、その多くを県債で賄うこととなりますので、県債残高は増加いたします。しかし、それでも簡易的な試算を行った結果でございますが、将来負担比率は現在、全国四位ですけれども、それが十位程度となる見込みであり、財政の健全性は保持可能であるというふうに判断しております。  また、議員のほうからプライマリーバランス、PB赤字の懸念ということもおっしゃっていただきました。もちろんPB──プライマリーバランスも大切でありますけれども、国と違いまして地方債は交付税措置という要素もありますので、今お答えしましたように、将来負担比率というものでもって健全性を特に注視しているという財政運営を行っているところでございます。  一方で、本県は自主財源が四割程度と低いこと、また、今後も社会保障関係経費が増加する見込みでありますので、多額の県債を発行いたしますと後年度の公債費が負担となることは事実でございます。このため、財政運営に当たりましては、引き続き国庫補助金や民間助成金、交付税措置のある県債の活用、また県債を発行した際の三十年償還の活用など、さまざまな財政的工夫に取り組みまして、県財政への影響を最小限とすることに努めてまいります。  また、今後の財政運営についての報告時期ですが、具体的な報告につきましては、来年度の地方交付税や税制改正に伴う税収の見通しなど、県財政に影響を与える歳入歳出の全体の状況が判明次第、今、国のほうでいろいろ議論が行われておりますので、年を挟んだあたりになってきますけれども、判明次第、収支見通しのローリングを実施いたしまして、二月議会において報告をさせていただきたいと思っております。  以上でございます。 20 ◎川久保健康福祉部長 登壇=私からは、佐賀県水道ビジョンについて三点お答えをいたします。  初めに、県内の水道の課題と対応についてでございます。  県内の水道における主な課題といたしましては、人口減少に伴う水需要の減少や料金収入の減少、水道施設の老朽化の進行や耐震対策のおくれ、技術職員の人員不足や職員の退職による技術継承や人材の不足が挙げられます。  これらの課題へどう対応していくのか、水道ビジョン案の策定過程におきまして、水道事業者等の経営状況や事業活動の現状分析、将来予測、事業者等へのヒアリングなどを行いまして検討を行ってまいりました。  その結果、今後、水道事業者等は、中長期の財政計画の策定と最適な料金体系の検討。アセットマネジメント──資産管理でございますが──の策定と、それに基づく水道施設の計画的な更新。耐震化計画の策定と、それに基づく管路及び浄水場や配水池などの基幹施設の耐震化の推進。業務マニュアルの策定、研修への積極的な参加による人材育成及び組織体制の強化といったさまざまな対応をしていくことが必要とされたところでございまして、水道ビジョンに基づいて水道事業者等が行う取り組みに対し、県としても必要な助言等を行うこととしております。  なお、水道ビジョン案におきましては、水道事業者等が課題解決に向けて取り組みやすいよう、具体的な目標値を定めることとしており、例えば、県全体でアセットマネジメント策定率は現状の六三%を二〇二五年度までに一〇〇%に、基幹管路の耐震適合率は現状の二六・五%を二〇三四年度までに五〇%とすることを目標としているところでございます。  次に、水道事業者間の広域的な連携についてどのように推進していくのかとお尋ねがございました。  水道ビジョン案におきましては、県内を佐賀東部、佐賀西部、佐賀松浦の三つに区分した広域圏を設定しておりまして、これらの広域圏の中に直接水を供給する水道事業者が十七団体、水の卸売を行う水道用水供給事業者が二団体、大小合わせて合計十九の団体が事業を行っております。  こうした状況下において、さきに述べた課題に対応していくためには、水道事業者等が市町の区域を越えて広域的に連携し、経営基盤や技術基盤の強化を図る、いわゆる水道広域化が特に重要な取り組みとなります。  県としましては、水道広域化を円滑に推進していくためには水道事業者等の意見、意向を十分に把握する必要があると考え、二〇一七年度から水道広域化に関する意見交換の場として、広域圏ごとの圏域会議などを開催し、水道事業者等と意見交換を行ってきたところでございます。  その結果、多くの水道事業者等から管理の一体化など、ソフト面での連携を進めていくことが望ましいとの意見が出されましたことから、まずは広域圏単位での事務及び管理業務、システム構築などのソフト面を主体とした広域連携を推進していきたいと考えております。  水道事業者間の広域的な連携の推進や水道基盤強化に関する施策の実施は県の責務でございまして、今後とも広域的な調整役として圏域会議などを継続して開催し、必要な調整や支援に努めることにより水道広域化の推進を図っていきたいと考えております。  次に、策定後のフォローアップについてお答えをいたします。  水道ビジョンについては県としても策定後のフォローアップが大変重要であると考えております。このため、水道事業者等に対し本ビジョンに掲げた実現方策への取り組みに関する必要な助言や情報提供を行うとともに、進捗状況について、毎年、指標値を活用したヒアリングを実施することによりフォローアップを行ってまいります。  なお、フォローアップの結果につきましては、実現方策の進捗状況や社会情勢の変化に応じて、本ビジョンの計画期間中、──この期間は二〇二〇年度からの十五年間でございます──五年ごとを目安といたしまして、ビジョンの見直しを行うこととしております。  水道は命の水を届けてくれる重要なライフラインでありますことから、将来にわたって安心・安全な水を安定的に供給するために県もしっかりと水道事業者等を支援いたしましてフォローアップに努めていきたいと考えております。  あわせまして、県民の皆様にも、そこに水があることが当たり前であるために、今、これから何が求められているのか、関心を持って知っていただくことも大切だと考えておりますので、県内の水道に関する情報発信を行いまして、水道につきまして関心を持っていただけるように今後とも努めてまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。 21 ◎田中文化・スポーツ交流局長 登壇=私からは、SAGAサンライズパークの整備についての御質問のうち、二項目お答え申し上げます。  まず、コンストラクション・マネジメント方式の採用理由及び業務内容についてお尋ねがありました。  まず、コンストラクション・マネジメント方式について御説明を差し上げます。  コンストラクション・マネジメント方式とは、発注者の側にありながら、技術的な中立性を保ちつつ、整備の目標や発注者が求めるニーズを達成できるように、設計の段階から工事に至る過程で発注者を支援いたしまして、あわせて工事受注者との調整等の役割を担うものとされております。  議員も御承知のように、SAGAサンライズパークにおきましては、今回不落となりましたSAGAアリーナの新築工事を初めといたしまして、国スポ・全障スポの開催に必要な整備水準を備えた陸上競技場の走路改修、雨天走路増築、水泳場の改築、庭球場の改修、さらにはボクシング・フェンシング練習場の移転整備など、複数の整備事業を同時並行的に進めるプロジェクトとなっておりまして、このようなことから二〇二三年に開催予定の国スポ・全障スポの開催に向けまして着実に工事が進捗できますように、現場をマネジメントして円滑に業務を進めるために、このようなコンストラクション・マネジメント方式、いわゆるCM方式を採用することといたしたものでございます。  本県が委託しています、先ほど言われました山下PMCという会社でございますが、全国的にかなり大きな事業をやっておられる会社でございます。  CM業務の内容につきましては、大きくは基本計画を精査する段階、基本設計段階、実施設計と工事の段階の三つのステージに分類されます。さらに詳しく申し上げれば、まず基本計画を精査する段階におきましては、基本計画を精査されます。二つ目には基本設計者の選定の支援。次に、基本設計段階といたしましては、設計JVが作成いたします基本設計方針の確認、基本設計内容のモニタリング、工事発注方式の検討及び決定支援。最後に、実施設計と工事の段階におきましては、実施設計内容のモニタリング、施工図等に基づく工事実施内容の確認、それらを業務の内容としております。  なお、各段階において共通するものといたしまして、発注者要求の確認とか整理、リスク整理と対応策の検討、品質及びコストの確認、スケジュールの確認などがございまして、発注者側の視点で技術的なアドバイス等を行うことが業務の内容となっております。  今回、CM方式を採用いたしましたが、都市型の施設ということで、かなり狭いエリアの中に集約していろいろな施設が点在しておりますので、そのような複雑な工事現場での工程管理などが必要とされる大事業を、限られた県の体制で国スポ・全障スポまでになし遂げる、スケジュールどおりに完成させるためには、CM会社のノウハウ、支援が不可欠であると判断し、今回お願いしているものでございます。  次に、アリーナ工事の発注における多様な入札方法について検討がなされたのかという御質問がございました。  公共工事に対する高い透明性や公平性の確保、建設業従事者の減少など、公共事業を取り巻く環境がかなり厳しくなっております。また、難易度の高い整備事業が求められるなど発注者側のニーズが高度化し、あわせて、このたびのように入札不調とか不落事案が増加するなど、発注者側の課題が多様化しておる中にありまして、平成二十六年に「公共工事の品質確保の促進に関する法律」、いわゆる品確法が改正されまして、国は多様な入札契約方式の導入を求めることとなりました。  具体的には、基本設計と実施設計、それから、施工をそれぞれ分離して発注するいわゆる今回我々がとりました従来型の方式に加えまして、実施設計と施工の両方を単一業者に一括して発注するデザインビルド──いわゆるDBと言われる方式でございます──とか、実施設計の過程で工事契約を担保された施工者が、設計支援の協力を行い、施工者が有する技術力を設計内に反映する、まさに工事する人が設計にも協力しながら事業を進めていくというアーリー・コンストラクター・インボルブメント、いわゆるECI方式などの入札契約方式を、国が従来型以外の方式の選択肢として示しておりまして、それは議員御指摘のとおりでございます。  こうした中で、平成三十年五月にCM会社、先ほど言いました山下PMCから、DB方式やECI方式を採用した場合については、国スポ・全障スポまでの限られた期間の中では整備が間に合わないのではないかということが示されました。  具体的には、そもそもデザインビルド方式──DB方式につきましては、施設の規模や構造、内部のレイアウトや間取りといった建物の基本的な設計があることが前提となりまして、その基本設計以降に行われる実施設計と工事をあわせて発注するものとなるものでございますから、そのための基本設計をつくる期間、その後に伴う実施設計と工事をあわせて発注する期間、それらの仕様書等の整備にかなりの時間を要すると聞いております。  また、基本設計後に受注者を選定、または決定する手続の時間が、この方式を採用している横浜市役所の例では一年強かかっているというふうに聞いております。  また、工事そのものに必要な期間を見込む際に参考とした沖縄市のアリーナでは、工事期間が約二十八カ月とされておりまして、本県の場合には特有の地盤対策にさらに三、四カ月の期間が追加必要となると考えられましたことから、工事期間については今現在、三十一カ月ぐらいを想定しているところでございまして、それに加えまして、実施設計に必要な期間をあと一年ぐらいと考えますと、令和五年に予定しております国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会に間に合わせることは困難であると判断いたしまして、県としてもその方法の採用はしないということとしたものでございます。  いずれにしましても、国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会に間に合わせていくという考え方のもとに、設計と施工を分割して行います、いわゆる従来型の工事入札契約の方法によるほかないということをその当時判断いたしまして、その考えに従い、SAGAアリーナを含めて、SAGAサンライズパーク全体の工事発注にこれまで取り組んできたところでございます。  先ほど藤崎議員から、このたびのアリーナの入札不落の要因についてまだ十分な説明があっていないというふうに言われました。今回の工事設計につきましては、先ほど言いましたようにCM会社、山下PMCさん、梓設計さん、あと県と三者で、設計に当たりまして当時の実勢価格を調査いたしまして、その時点で反映される最新の単価を用いまして費用を積算しております。ただ、その後、大きな建設市況の変動が生じ、入札不落になったものと今回分析しております。  先ほども言われましたように、東京オリンピック需要により手控えられていた民間の大型開発、例えば、天神ビックバン、博多駅周辺再開発とか、隣県での大型製造工場の新設とか、九州の中でも大きな開発が今めじろ押しとなっている中にあって、一番大きいのが、るる説明してまいりましたけど、うちのアリーナというのは大規模な空間をつくりますので、屋根構造、柱、全て鉄骨構造の部分が四割ぐらいを占めておりまして、その鉄骨がある程度一定のレベルの水準の鉄骨を使わないと今回は建築できないということで、そのクラスの鉄骨を、今回うちはどれぐらい必要かというと一万トン必要です。神埼高校の体育館の三十個分ぐらいの鉄骨が必要でありまして、その鉄骨を発注するというときに、そのレベルの工場というのが九州の中に限られているというふうに聞いておりまして、そのような民間の大きな開発がめじろ押しの中にあって、鉄骨を加工する工場の、ある意味で取り合いみたいなのがありまして、鉄骨の受注価格がどんどんどんどんつり上がっているというふうに、山下PMCさんからの情報によれば分析をしておるところでございます。  先ほど知事も申し上げましたように、このアリーナというのが、二〇二三年の国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会におきましてはやはり目玉の拠点となる施設でございまして、今回、国体が初めて国民スポーツ大会とかわる本当に記念すべき大会になると思っていまして、アリーナを核として使ってスポーツのすばらしさ、佐賀のすばらしさというのを全国に向けてアピールできる絶好の機会だと思っております。  六十五億円という増額補正、すごく大きな予算をお願いしなきゃいけないということは、担当局長としてはすごく申しわけないと思っておりますが、今まで一生懸命頑張ってまいりましたので、これからも完成実現に向けて頑張りたいと思います。ぜひお力をおかしいただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。  以上、私の答弁を終わります。 22 ◎甲斐男女参画・こども局長 登壇=私からは、児童虐待についての御質問にお答えをいたします。  初めに、児童相談所の体制についてです。  児童虐待に関しましては、子供の安全を確保することが重要でございますが、それと同時に、子育てに悩む親が児童虐待に向かわないよう支援することも必要でございます。  このため、ことし六月の児童虐待防止法の改正によりまして、来年度以降は、虐待を受けた児童の一時保護など家庭への介入を担当する職員と、保護者への指導、支援を担当する職員を分けることとされました。  介入と支援の分業制の利点としましては、迅速な介入の初動体制が確立できる、危機介入や重篤事案に特化した虐待対応ができるといったことが期待できます。効果的な体制がとれるよう十分検討してまいります。  児童福祉司等の増員について申し上げます。  児童福祉司は、現在、人口四万人に一人の割合での配置となっていますが、ことし四月の児童福祉法施行令の改正により、令和四年度までに人口三万人に一人の割合での配置が必要となりますことから、現在の人員二十二名から六名の増員が必要となります。このほか、児童福祉司については、市町支援担当一名及び里親支援担当二名の配置が必要となるために、さらに三人の増員が必要でございます。  こうした必要となる児童福祉司九名の増員につきましては、基準を満たせるよう確保にしっかり努めてまいります。  次に、人材育成について申し上げます。  第一線で活躍する児童福祉司は、複雑な諸事情を持つ親子に対応するため、福祉や保健、医療、教育、法律といった幅広い専門的な知識や経験が求められる状況にございます。  このため県では、児童虐待に関する著名な講師を迎え、専門性を高めるための児童福祉司任用後研修を実施しておりまして、ことしは十回開催をしたところです。また、業務を通じて資質の向上を図るため、五年程度の経験年数を有する児童福祉司をスーパーバイザーと位置づけ、経験の浅い児童福祉司の指導教育を行っております。  今後も、困難を抱える子供たちや親たちにとって重要な役割を持つ児童福祉司の専門性の向上に努めてまいります。  次に、警察との連携について申し上げます。  現職の警察官一名が児童相談所職員として出向しており、警察からの通告受け付けや管理、それから、児童から聞き取りをする際に児童の負担を軽減するために、検察、警察、児相の合同面接の調整などの業務に当たっております。  また、各警察署と児童相談所との相互の情報提供については従来から取り組んできたところでございますが、平成三十年三月に協定を締結し、緊急性の高い児童虐待事案について情報共有が必要と判断される案件に関して、相互に情報提供を行っております。  昨年七月には、国において「児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策」が取りまとめられ、どのような事案について共有するかについて、虐待による外傷、保護の怠慢・拒否、いわゆるネグレクト、通告受理後の四十八時間以内に安全が確認できない事案など、警察との間で情報共有を行う事案が明確化されました。現在はこのガイドラインとなる通知を踏まえた情報共有を行っているところでございます。  ことし六月には県警と連携し、警察学校内にある模擬家屋を使用しまして、児童相談所と警察との合同で、立入調査から強制執行となる臨検までの模擬訓練を実施いたしました。  今後とも、警察と緊密に連携を図り、児童虐待対策にしっかりと取り組んでまいります。  次に、今後の取り組みについて申し上げます。  児童虐待においては、発生予防と早期発見が大切であり、児童や保護者に身近な市町において体制や取り組みの充実強化を図っていくことが重要でございます。  市町で設置する相談支援機関として、妊娠期から乳児を主に対象とする「子育て世代包括支援センター」や、幼児期以降を対象とする「子ども家庭総合支援拠点」がございます。これらについては、市町における継続的な支援の中で児童虐待の発生を防止することが期待されるものでございまして、平成二十九年四月に施行された関係法の改正により、市町に設置の努力義務が課されたところでございます。  県内の状況を見てみますと、「子育て世代包括支援センター」については、来年度末までに整備が完了する見込みとなっております。「子ども家庭総合支援拠点」につきましては、国は令和四年度までの整備を目標に掲げているところでございまして、人件費や運営費に関する国の財政的な支援策の活用の助言ですとか、参考となる情報を提供しながら、私も市町を周り、拠点の整備について働きかけを行ったところでございます。  また、個別ケースとして要保護児童の状況の把握、援助方針や役割分担の決定、その認識の共有等までを行う市町の要保護児童対策地域協議会が全市町に設置されております。これは市町要対協と略称で呼ばれておりますけれども、その構成メンバーは児童相談所、学校、保育所、警察署、地区医師会、児童委員を兼ねている民生委員などの関係者から成っております。関係機関が相互に連携し、情報を共有することにより、地域ぐるみで適切な支援や対応を行っているところでございます。  今後とも、各市町に対して体制や取り組みの充実強化を働きかけるとともに、市町職員の専門性の向上のため、県主催の児童虐待防止研修への参加など、市町に対する支援を行ってまいります。  以上、市町との連携、支援について申し上げましたが、児童相談所は、市町に比べより専門的、技術的な対応を担っており、児童虐待に迅速かつ適切な対応をするためには、基本の徹底を図ることが肝要でございます。先ほど答弁しました体制の増強や専門性の強化にこちらも努めてまいります。  その他の関係機関との連携について申し上げます。  児童虐待は、保護者や子供の身体的状況、精神的状況、養育環境、社会的背景などのさまざまな要素が絡み合って起こるものでございまして、単独の機関だけで対応できるものではございません。今まで申し上げた警察や市町のほか、学校や教育委員会など子供に関する関係機関との連携も重要でございます。  例えば、県教育委員会が主催する児童生徒に係る合同会議に児童相談所や県の担当課も参加しまして、学校で問題となっている事例について意見交換を行っています。  日ごろから地域の子供たちに目が注がれ、気になる子供や家庭があれば、その情報が県の児童相談所や市町の窓口につながっていくよう、学校などの職員に対する児童虐待防止対策に関する研修会の開催やPTA総会での児童虐待に対する周知などにも引き続き取り組みます。  このように関係機関や団体との相互の緊密な連携の強化に力を注いでまいります。  県としましては、報道などで注目されているような悲惨な事案が県内でも起こるかもしれないという危機感を持って、決して県内から死亡事案は出さないという強い決意のもと、関係機関としっかり連携協力しながら、児童虐待防止対策に全力で取り組んでまいります。  私からは以上でございます。 23 ◎藤崎輝樹君 登壇=再質問をさせていただきます。  先ほど冒頭に、私、非常に疲れているというふうに申し上げましたけども、大変申しわけなく今は思っております。本当に疲れているのは田中局長さんじゃないかなというふうに思いました。維新博を駆け抜けて、今回また局長としての大きな事業に臨んでおられるわけですから、大変誇りに思われるでしょうけども、体については大事にしていただきたいなというふうにも思うわけであります。しかし、再質問はやらせていただきます。  知事、六十五億円の内訳、要は詳細は明らかになっておりません。そして、勉強会でもそうでしたけども、入札事案ということで非常に説明が少ないんですね。しかし、一般質問で聞かれれば、例えば、鉄骨の値上がった分、内訳等については七割だ、云々だというふうな答弁が出てくるわけであります。本来であれば、しっかりと整理をして、また一方では、国交省のほうからいろんなアドバイスも受けたというふうな話も聞くわけでありますけど、要はそういった内容等をしっかり整理して議会のほうに説明をすべきではなかったか。そして、本当に間違いないのか、六十五億円、そういったことについてもいま一度精査をすべきではなかったのかというふうに思うわけであります。  要は、不落から一カ月足らずで議会に提案をするんではなくて、例えば、それが二月議会であれば間に合わないというのであるならば、それこそ議会と執行部とやっぱり胸襟開いて本音で議論をすべきであろうと、臨時議会という手もあるのではなかったかというふうに思うわけであります。  この点について、知事、無理して今回出されたようにも感じるわけであります。後からいろんなほころびが出なきゃいいなというふうに思うわけであります。例えば、六十五億円、その積み上げでありますけども、先ほど、非常に開札の折の開きが大きかったと聞くわけであります。数億円じゃないんだろうなというふうに思うわけですね。数十億円だったんだと。そうしますと、果たして次の入札においてはそれで大丈夫なんだろうかというふうにも思うわけであります。  また、もしかすると、県民の皆さんの中には、単純にその開きを今回補正で上げたんじゃないかというふうに、そういうふうな誤解も与えてしまうわけであります。  ですから、こういったところをしっかりといま一度執行部におかれて、山下PMC、梓さん等の協力も得ながら、再度しっかり積み上げて精査して、整理して、そして、議会に臨むべきではなかったかというふうに思うのですが、見解をお伺いしたいと思います。  それと、答弁を聞きながら何点か疑問に思ったところもありました。まず、入札でありますけども、公正公平、透明性という答弁はあるのですけども、もう一つ入札において大事なのは必要かつ十分な競争であります。この競争の担保というものは今回の入札においては図れているんだろうかと、そういうことについても疑問に思うわけであります。  また、CM方式でありますけども、山下PMC、すばらしい会社でありますけども、最初のプロポーザルの後、随契で二度やっているわけですね。これは金額にしますと、大体幾らでしたか、一億円を超える金額だったろうというふうに思うわけであります。最初が基本計画段階で二千百万円、次に三千百万円、で、五千九百万円ほどということですので、年間五千万円は超えるわけでありますけども、要は今回こういう事案を防ぐために、本来、山下PMCと業務委託をしていたのではないかというふうに思うわけですね。そういう意味では、どういった提案があったのかなということで先ほど質問をさせていただきました。  そうすると、要は多様な入札方式についてはもう間に合わない、デザインビルド等については間に合わないというふうな説明があったということですが、当初このCM方式を採用するに当たっての特記仕様書を見ますと、今度の事業を進めていく上で「リスク整理と対応策の検討」、「内在する代表的なリスクを整理するとともに発注者に説明し、その対応策を明示する。」こと。また、「実施設計、工事発注方式の検討及び決定支援」、「DB方式や性能発注方式も含めた多様な発注方式について」云々という話もあるわけですね。  ですから、この辺のところを本当にどれほどしっかりとした議論ができていたんだろうかと思うわけであります。議論はしていたけれども、時間が間に合わなかったということですけども、そうなりますと、要はこれまでのスケジュールがそもそもよくなかったんだなというふうに思ったわけです。もともと国体が、佐賀県が体育協会や障害者スポーツ協会等から要望を受けて動いたのが平成二十五年、開催される令和五年からさかのぼること十年であります。そして、知事、平成二十七年のときにはこの国体、国スポが決まっていたわけであります。その後、審議会等に諮って基本計画が策定されたのが平成二十九年の三月、平成二十九年の三月に基本計画ができ上がっております。その後、基本設計が決まったのが一年後なんですね。つまり、基本計画ができ上がってから設計に入るまで一年もの間あいていた。この一年間のタイムロスというものが、実はその後のそういう多様な入札方式を採用できない理由になっているんじゃないかな、要因になっているんじゃないかというふうに思うわけであります。  ここで、私が先ほどいろんな議論をさせていただいたと言いましたが、要は執行部はいろんな業務委託を結ぶ場合、当然、予算を通さなきゃならないということで定例会に予算を提案されます。基本設計、また、当時はCM業務委託ですけども、そういったものの予算を六月議会で提案されているんですね。本当は基本計画を策定された二月議会、このときに県はやるんだと決めたのであれば、当然、当時は既に国交省のほうからガイドラインが示されていたわけですので、多様な入札方式についてもやっぱりしっかり検討すべきであった。また、県は、いわゆる交付税ショック以降、五百人から職員を削減して、今非常に人が厳しい、いわゆる技術職の職員も厳しいというふうに思うわけであります。当然、人手が足らない。そういうことを踏まえれば、当然CM業務委託というのはやらざるを得ないというふうに思うわけであります。これもやはり六月議会に提案するんではなくて、今となってみれば、二月議会でしっかり提案をしておくべきだった。そして、そのときのおくれが結局しわ寄せとなって、いざ山下PMCに多額のお金を払って業務委託した割には、いや、今からじゃ間に合いませんよという、本当に国体に向けたタイトなスケジュールという認識、勉強不足と言うと大変申しわけありませんが、勉強不足であったと言わざるを得ないのではないかというふうに思うわけであります。  このタイムスケジュールについて、どういう認識を持っておられるのか、本当に議会が六月だから、九月だから、そのときしかないんですよねじゃなくて、本当に通さなきゃならない、時間がないのであれば、まさに議会と執行部と本音でぶつかり合う。恐らくこういった胸襟を開き、ぶつかり合うという姿勢が、今、知事にないのかなというふうに思うんですね。やっぱり必要なときは臨時議会を開く、それをしっかり県議会議長と話をする。今の知事にそういう足らないところが先般、一般質問で厳しくただされたところじゃなかったのかなというふうに思うんです。そういう点についてもぜひ所見を伺いたいと思います。  あと、そういったタイムスケジュールのことについて、どのような認識を持ってあるのか。また、今回の入札において、先ほど行った競争性は大丈夫なのか。また、国交省から意見を言われたと、要は四者じゃなくて、JV、企業数を減らすことで対応してはどうかといったアドバイスもあったということでありますが、そういった等についてはどういう議論をされたのかについてもぜひお示しいただきたいというふうに思います。
     疑問に思うことがたくさんあり過ぎて、委員会でまたしっかりとやっていかなきゃならないというふうに思うわけであります。  そして、いわゆるCM方式、せっかく提案されても間に合わないということであれば、今回、内在リスクへの対策としてどういう提案、要は分離・分割発注でいくと決めたのであれば、その中でどういう工期を短縮、安全を確保しながら、現場を見ればまさに都市型、目の前は病院ということで、当然騒音、振動等には気をつけなければならない。搬入も厳しい、いろんなことを勘案すると、実はあのサンライズパークの場所ほど入札不調、不落の可能性が高いところはないというふうに思われます。そういったことを踏まえれば、山下PMCさんのほうはどういったことを当時提案をされたのか、そういったことについても質問させていただきたいと思います。 24 ◎山口知事 登壇=藤崎議員の再質問にお答えいたします。  まず、藤崎議員から過去のことをいろいろお話しいただきましたけれども、私はそのときそのときで、私の能力の中で全力を尽くしてまいりました。そして、県議会の皆さん方にもこの議会の中でうそ偽りなく真っすぐな気持ちでやってまいりましたし、もし、そのときに臨時議会が必要ということであれば、私から申し上げたと思いますし、そして皆様方から出てきた意見についても真摯に受けとめながらやってまいりました。ですから、私は車の両輪というのは、それぞれがそれぞれで主張をした上で一緒になって県民のために動かしていくということだと思っています。  ですので、もちろん私のこれまでやってきた山口県政においても、それは全てが百点満点はあり得ないので、いろいろな問題があったのかもしれません。それはさまざまなところで御指摘いただきたいというふうに思いますけれども、これでもとに戻れるものと、これから未来、何かできるものというのはもちろんそれぞれあるわけでありまして、もちろん検証は必要ですけれども、これから先の議論をぜひお願いしたいというふうに思います。  そして、確かに今回、不落から予算提案までの流れを含めて大変申しわけなく思っております。そして、我々は我々の思いとして今議会に提案させていただいております。今の提案した考え方につきましては、議会の、そして議員の皆さん方の求めに応じて丁寧に丁寧に説明していきたいというふうに思います。県民の代表であります県議会の審議をお待ちしたいと思っております。  以上です。 25 ◎田中文化・スポーツ交流局長 登壇=藤崎議員の再質問にお答えします。  山下PMCの話をされましたですね。今回、山下PMCにどういう……(「しっかりしゃべらんと聞こえんよ」と呼ぶ者あり)済みません、申しわけないです。再度積み上げて臨むべきではないかという話もありましたが、実際、今回不落になりまして、どういう形で検証したかといいますと、まさに専門家としての山下PMCさんと設計であります梓設計さんと、それと県と三者で一生懸命中身を詰めまして、どういう不落原因があったかというのを一生懸命検証いたしまして、じゃ次に入札するとすればどこを直してということで、今回一生懸命積み上げまして、積み上げた結果として、こうすれば次、入札したら不落にならないでできるんじゃないかということで、積み上げた結果が今の数字でございます。  この前、留守議員のときに知事がお答えしましたけど、補正予算の内訳ですけど、少しずつ少しずつ出てきているというふうに言われましたが、今分析した中身を入札に影響がない範囲で今回お答えせざるを得なくて、その範囲内でお答えしていますが、繰り返しになるんですけど、鉄骨工事費の価格高騰への対応に要する鉄骨関連経費が約七割、あとその他資材、建設資材、あと労務費の価格上昇への対応に要する経費が約二割、そして隣接する水泳場、プール、先ほど藤崎議員も言われましたように、今、狭い中で今土を触っている工事をやっていますが、そこでいろいろ判明した部分がありまして、そのように水泳場建設工事の現場状況を踏まえた、今後アリーナでも反映しなければいけないような施工方法等の見直しへの対応に要する経費が一割ということで積算し、それを積み上げた結果として今回六十五億円という金額をお願いしているということでございます。  競争の担保というふうに言われました。今回のSAGAアリーナの入札でWTO案件といいまして、地域指定とかができないような大きな工事になっております。一定のルールのもとで一般競争入札をしなきゃいけないというふうになっておりますので、入札に当たりましては、品質の確保を図るとともに、議員御指摘の競争の確保というのができるような県の公共事業発注ルールに即して実施をしております。そういう意味におきまして、今回の分離発注ということで、粛々と今回も公正公平に進めていくということが最大の価値として取り組んでいきたいと考えております。  次に、国スポに間に合わせるためにはもっとシビアなスケジュール感でやるべきじゃなかったのかというふうに言われました。  実は私は、さっき言われました維新博に二年ぐらいいましたけれども、その前に文化・スポーツ交流局の副局長で実は基本計画の策定にかかわっておりまして、私の段階である程度基本構想、基本計画のところまではまとめて、途中で維新博に異動したということで、その後に着々と次の担当、担当で積み上げていった結果が今の手続になって、今の流れになっているということでございまして、十年前から国スポに向けてやるというのを、他県の事例を見てもそれほど遅い話ではありません。ただ、どういう工事をするかというときに、やはり今回みたいに駅に近いエリアをどういうふうにやっていこうかというと、既存施設をさわることの難しさというのがあります。例えば、本当に別の場所につくるとすれば自由にできましょうけど、今の施設のままで、使いながら工事しなきゃいけないといういろんな制約の中でやらないといけない部分があります。そういうのを一つずつ考えながら入札手続とかを、ずっと設計とか積み上げていくという中にあって、最大限、山下PMCさんとか梓設計さんに頑張っていただいて、今のスケジュール感の中で今に至っているというふうに理解しています。  結果としては、不落という結果になりましたけど、実際の、さっき言いました山下PMCさんの専門能力というのは、やはり他の事例とかもいろいろ扱ってこられておられますので、そういう意味において今回の不落に当たってどう対応するかというときにいろんなアドバイスも当然ながら受けていますし、先ほど藤崎議員は不落リスクを回避するのが新しい契約方式ですごく大事だと言われますけど、そこに本当に主眼があるのじゃなくて、山下PMCさんに出したリスク管理というのはきちんとした設計になっているかどうか、安全面として、例えば、屋根材のところと柱と別々の下請業者が設計する部分もありましょうが、それを突合するときにどうきちっとできるか、それをどうやって仕組んで工事に結びつけていくかというのを専門的な観点から、県の職員、さっき言われましたように、なかなかこんな大きな工事を扱ったことがない職員ばかりですので、うちの職員と一緒になってそのあたりを寄り添って検討していただいているということでございまして、今の限られたスケジュールの中で、一生懸命国スポに向けて間に合うように頑張りたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。(「答弁漏れ。基本計画から基本設計業者の選定までの一年間が長過ぎたんじゃないか」と藤崎輝樹君呼ぶ)  わかりました。先ほどちょっと触れましたけど、確かに、基本構想が三月にできまして、その後の手続が長いと言われましたけれども、その後もある意味でどういうふうにするかというのは具体的なものが、やっぱり基本構想段階で、見られたと思いますけど、まだかなり漠然とした内容になっているんですよ。それを具体的にするためには、やはり時間をかけて議論していかなきゃいけないというその手続がかかったというふうに理解していただけたらなと思います。  さっき言いました、私がかなりのところでベースをつくっていますけど、あのときはいろんなものをどうやって一つのコンセプトの中でまとめていくかということに主眼がありまして、本当言うと、あれは本当に漠然とした基本構想ですもんね。基本計画と言いながら、基本構想レベルだったということで、あれを基本計画まで持ち上げていく、それを基本設計まで持っていくという二つの段階があの一年間だったというふうに理解いただければと思います。  以上、お答えします。 26 ◎藤崎輝樹君 登壇=再々質問をさせていただきますが、細かくは今後委員会で、また特別委員会もありますので、しっかり議論をしていかなきゃならないと思いますが、二点、一つは知事ね、本当に前を見ていくという知事の姿勢はすばらしいと思います。本当に県民を明るくリードしていく、そのための姿勢として大事なことだと思いますが、やっぱり行政の長としては、今回のアリーナ整備については、県としても初めて、恐らく県の職員さん方も初めてだったと思うんですね。初めてのことをやるというのは相当大変だと思います。だからこそ、今回のことを振り返って、要はしっかり検証すべきだというふうに私は申し上げたいわけでありまして、そこをまずやらずして前に進むのは違うんじゃないかなというふうに思っております。  二点目は、今回出された六十五億円、本当に大きな多額な予算ですけれども、これで済むというふうな見通しを立てておられるのか、それともさらに事業費、先般、議会は生き物だというふうに言われましたけれども、まさに事業自体も動くわけでありますから、今後、事業費が膨らむ可能性についてはどのような認識を持っておられるのか、二点お尋ねをしておきたいと思います。 27 ◎山口知事 登壇=藤崎議員の再々質問にお答えいたします。  まず、検証の問題でございますけれども、これはさせていただきたいと思います。佐賀県政はこれからも続くわけでありまして、今回も非常に多くの教訓を得たと思います。しっかり検証させていただきたいと思います。  それから、この六十五億円で済むのかという御指摘をいただきました。非常に大きな開きがあったことによってこのような多額の補正をお願いしなければいけない状況になっております。我々にとってみますと、もしこれをお認めいただくということになりますと、再入札ということになります。これがどうなるのかということが一つ大きな局面になると思いますし、そもそも国スポ・全障スポに間に合わないという流れになるかどうかというのは我々にとって大きな関心事ですので、そうしたところを見守りながら、また判断していきたいと思っております。  以上です。 28 ◎副議長(大場芳博君) 暫時休憩します。     午後三時二十四分 休憩 令和元年十二月六日(金) 午後三時五十六分 開議  出席議員    三十七名     一番  一ノ瀬 裕 子     一五番  古 賀 陽 三     二九番  徳 光 清 孝     二番  古 賀 和 浩     一六番  川 崎 常 博     三〇番  中 倉 政 義     三番  弘 川 貴 紀     一七番  定 松 一 生     三一番  石 井 秀 夫     四番  下 田   寛     一八番  八 谷 克 幸     三二番  留 守 茂 幸     五番  古 川 裕 紀     一九番  江 口 善 紀     三四番  木 原 奉 文     六番  中 村 圭 一     二〇番  藤 崎 輝 樹     三五番  藤 木 卓一郎     七番  冨 田 幸 樹     二一番  向 門 慶 人     三六番  石 倉 秀 郷     八番  井 上 祐 輔     二二番  坂 口 祐 樹     三七番  桃 崎 峰 人     九番  木 村 雄 一     二三番  宮 原 真 一     三八番  土 井 敏 行    一〇番  中 本 正 一     二四番  原 田 寿 雄    一一番  野 田 勝 人     二五番  岡 口 重 文    一二番  西久保 弘 克     二六番  大 場 芳 博    一三番  池 田 正 恭     二七番  武 藤 明 美    一四番  井 上 常 憲     二八番  稲 富 正 敏 欠席議員    一名    三三番  石 丸   博 地方自治法第百二十一条による出席者          知        事   山  口  祥  義          副   知   事    坂  本  洋  介          副   知   事    小  林  万里子          政  策  部  長   大川内   直  人          総  務  部  長   進     龍太郎          地域交流部長       南  里     隆          県民環境部長       原     惣一郎          健康福祉部長       川久保   三起子          産業労働部長       澤  田  斉  司          農林水産部長       池  田  宏  昭          県土整備部長       逢  坂  謙  志          危機管理・報道局長    山  下  宗  人          文化・スポーツ交流局長  田  中  裕  之          男女参画・こども局長   甲  斐  直  美          会 計 管 理 者    尊  田  重  信          警 察 本 部 長    杉  内  由美子          教   育   長    落  合  裕  二          人事委員会事務局長    稲  冨  正  人 職務のため議場に出席した事務局職員          議会事務局長       脇  山  行  人          同    副事務局長          議事課長事務取扱     杉  谷  直  幹          総  務  課  長   吉  田     泰          政務調査課長       島  内  直  樹          議 事 課 参 事    篠  田  博  幸          総務課副課長       川  崎  和  博          政務調査課副課長     金  武  隆  守          議事課議事担当主幹    原     康  祐          同    議事担当主査  池  田  陽  介     ○ 開     議 29 ◎議長(桃崎峰人君) これより会議を開きます。  休憩前に引き続き一般質問を行います。 30 ◎冨田幸樹君(拍手)登壇=お疲れさまです。自民党会派の冨田幸樹でございます。  三時も五十五分過ぎて大分遅くなりました。傍聴者の方もお帰りになりました。何となく元気が出ませんけれども、しっかりと一般質問をやっていきたいと思っております。  早速ですが、質問させていただきます。  第一問目ですけれども、洪水時のダムの運用についてです。  昨今、地球温暖化が原因と思われる気候変動の影響が顕著になっています。毎年のように大雨や台風による被害が発生しております。佐賀県においても、八月の佐賀豪雨では記録的な大雨により河川の氾濫が各地で発生いたしました。  ことし十月の台風十九号による大雨では、東日本各地のダムで計画されていた洪水調節容量が限界に達し、いわゆる緊急放流を行う事態に至ったとの報道もあったところでございます。  昨年の西日本豪雨では、愛媛県の肱川においてダムの能力を超える大雨により、下流河川が氾濫し、広範囲にわたり住宅が浸水し、多くのとうとい命が失われる甚大な被害が発生したことは皆様も御承知のところと思います。  私の地元を流れる厳木川の上流には、国土交通省が管理する厳木ダムがあり、これまでの洪水では緊急放流などの切迫した状態にはなっておりませんが、大雨が降ると、厳木の中島では危険水位に達し、毎回事前避難などの呼びかけが行われるところでございます。  そういったこともあって、地域の方々は、各地の記録的な豪雨に見舞われたダムの状況を見るにつけ、不安を募らせておられます。  世界の平均気温の上昇傾向は今後も続く見込みとなっており、これに伴い、我が国における水害の激甚化のリスクはますます高まっているものと思われます。  こうした状況の中、先月二十六日、政府においては、ダムの洪水調節機能の強化に向けた検討委員会が設置され、全国の既存ダムの洪水調節能力の増強に向け、ダムの運用を見直す方針が示されたところです。  佐賀県においても、洪水調節を目的として十三のダムが管理運用されていますが、今後の豪雨の激甚化に対応するため、運用基準を見直すとともに、ダム下流域住民に対し、ダムの緊急放流のリスクについてあらかじめ情報提供し、十分な理解を得る必要があると考えます。  そこで、次の三点について県土整備部長にお伺いいたします。  まず一点目、八月の佐賀豪雨は、平成二年の水害以来の大規模な洪水であったと言われております。現在のダムによる洪水調節体制が整ってから最大の洪水であったと思われますが、佐賀県が管理運用しているダムの洪水調節はどのような状況であったのかお伺いいたします。  次に、今後、さらなる激甚化が予想される水害に対応するため、大雨が予想される際の事前放流など、運用の見直しによるダムの洪水調節能力の増強の検討が必要だと思いますが、どのように対応されているのかお伺いいたします。  三点目ですが、ダムによる洪水調節にはおのずと限界があり、最終的には洪水調節能力の限界に達し、いわゆる緊急放流を行う事態も発生するものと考えますが、下流住民の安全確保のためにどのような取り組みを行っていくのか、以上三点お尋ねいたします。  二問目ですが、近年の豪雨災害を踏まえた治水対策についてお尋ねいたします。  本県では、去年七月、そしてまたことしの八月と二年続けて豪雨による大規模な浸水被害が発生しました。特に、ことし八月の豪雨では、亡くなられた方が三名、重傷の方が一名、さらに住家屋等の被害が六千件を超えるなど、被害は甚大でありました。
     これを受け、特に被害が大きかった六角川水系では、国、県、市町などの関係機関が連携し、ハード対策とソフト対策を織りまぜた今後の治水対策について急ピッチで検討が進められていると聞いております。  このような中、松浦川水系も例外ではなく、浸水被害が発生しており、特に相知町佐里地区では昨年の七月、そしてまたことし八月の豪雨により、家屋の床上浸水や主要県道の冠水が二年続けて発生しております。  また、国の直轄河川である松浦川水系の厳木川では、厳木ダムと河川改修により、以前より被害は減少しているものの、いまだ未改修箇所が散在している状況でございます。  このことから、地域の住民からは、激甚化、また頻発化する近年の災害を目の当たりにし、これ以上被害が発生しないよう一日も早く対策をとってほしいとの声が多く上がっており、松浦川水系における治水対策は地域の大きな課題だと考えております。  そこで、次の点について県土整備部長に伺います。  厳木川の整備状況についてです。  国による河川改修が進められている松浦川水系厳木川については、毎年のように家屋の浸水被害に見舞われており、ことしも厳木の岩屋、本山地区では床上三戸、床下十八戸の浸水被害がありました。  地元からは長年にわたり早期整備を求める要望もあっており、着実に整備を進めることが重要であると考えております。整備の状況はどうなっているのかお尋ねいたします。  次に、厳木川の整備に向けた取り組みについてです。  下流から順次整備が進められておりますが、現状を見ると、ネックとなっている本山鉄橋や県道の本山橋の下流から上流への整備がしばらく進んでおりません。一方で、整備を進めるには、国、県、市、JRなどの関係機関が多いことから多くの課題があると思います。  このため、早期に整備を進めていくには協議の場を早期に設置する必要があると考えますが、県として今後どのように取り組んでいかれるのかお尋ねいたします。  次に、相知町佐里地区の浸水対策についてです。  県が管理する松浦川の支流である浦の谷川流域の相知町佐里地区では、昨年七月、そしてまたことし八月と二年続けて、住宅浸水の被害があり、ことしも三戸の住宅浸水被害や、主要地方道相知山内線の冠水により通行どめとなりました。  近年の気候変動の影響で大雨の頻度が増していることを考えると、佐里地区で同じような豪雨による浸水被害がいつ起きてもおかしくない状況であり、浸水対策を行う必要があると考えます。  県は、この地域の浸水対策についてどのように取り組むのかお尋ねいたします。  次に、三問目の虹の松原の保全についてであります。  唐津湾を望む雄大な虹の松原は、日本三大松原の一つというだけでなく、自然豊かな玄海国定公園の中に位置し、国内で唯一、松原として国の特別名勝に指定されており地域の宝であります。  県は、これまで核燃料サイクル交付金を財源とする基金を活用し、白砂青松の美しい松原の景観を取り戻すべく、松原内に侵入した広葉樹の伐採や枯れ落ちた松葉が堆積した腐植層の除去など基盤整備に取り組まれ、そのかいがあり、海岸付近の松原は白砂青松の景観を回復してきていると感じているところです。  また、アダプト活動や市民による清掃活動など市民やCSOなどのボランティアによる松原の景観保全に取り組んでいただいておりますが、ここ数年、保全活動に参加されるボランティアの方々の参加も年間九千人弱で、登録者の伸び悩みが見られます。また、清掃活動で生じる松葉や枯れ枝の処理費用など、広大な松原の景観を保全していく活動を維持していく上で課題もあると聞いております。  これまでの県の景観の基盤整備などにより得られた白砂青松の状態を維持し、地域の宝であるこの美しい松原の景観を次世代に継承していくことが必要であり、そのためには国、県、唐津市などの関係機関だけでなく、市民やCSOなど地域が一体となり、虹の松原を保全していく活動を継続させていく取り組みが今後も重要で、こうした活動の継続にはそれなりの予算も必要でございます。  そうした中で、やはりこういった活動には一般財源をつけることしかありませんが、先ほども言いましたように、核燃料サイクル交付金の基金が底をついており、このまま市民団体に任せるというのでは、これまで十億円程度を投入したことが無駄になるような気がいたします。県にも予算化をお願いしたいと思っております。  そこで、次の点についてお伺いいたします。  虹の松原の美しい景観の保全に関し、知事の思いや所見を伺いたいと思います。  二点目です。保全活動を継続させるため、今後、県はどのように取り組んでいくのか、県民環境部長にお伺いいたします。  第四問目です。玄海地区の水産業の振興についてです。  本県玄海地区は、対馬暖流の影響下にある壱岐水道の外洋性漁場や、唐津湾、仮屋湾などの内湾性漁場を有し、リアス式海岸が続く中に砂浜が点在するなど多様な漁場を有しています。  そこでは、小型底びき網、五智網、釣り、はえ縄、採貝藻などの漁船漁業やブリ、マダイ、カキなどの養殖業が営まれており、そうした漁業は基幹産業の一つとして地域社会を支えています。  しかしながら、玄海地区の漁業生産量は、農林水産省の統計によれば、約二十年前の平成九年は約一万四千トンであったものが、近年では約五千トンになるなど大きく減少している状況です。  さらに、水産物の価格は依然として低迷しており、加えて、昨今の燃油や資材等の価格の高どまりにより、漁家経営を取り巻く情勢はますます厳しさを増しており、漁業者の減少や高齢化の進行に拍車がかかるなど、玄海地区の沿岸漁業の将来を懸念するところです。  このような状況の中、県においては玄海地区の水産振興のため、漁船漁業については水産資源の回復に向けた取り組み、また、養殖業については養殖生産の安定に向けた取り組みなど、いろいろな施策を行ってこられたと聞いております。  今後、玄海地区の漁業者が希望を持って漁業に従事し、次の世代に将来展望が描ける夢のある水産業を築くためには、水産資源を漁獲する漁船漁業とともに人の手で育て上げる養殖業の振興もあわせて行いながら、漁家の経営を安定させていくことが重要ではないかと考えております。  そこで、次の三点について農林水産部長に伺います。  漁船漁業の振興についてです。  先日、テレビや新聞の報道、また今議会の勉強会における説明会の中で、玄海漁協魚市場に水揚げされるケンサキイカが前年同期の約六割だとの報告があり、水産業への影響はもちろんのこと、唐津市の観光業への影響についても大変心配しているところでございます。  ケンサキイカを漁獲するイカ釣り漁業などの漁船漁業の振興については、水産資源を回復、増大させるための取り組みとともに、コスト削減など漁家所得向上のための取り組みも重要なことだと考えております。  県では、これまでどのように取り組んでこられたのか伺います。  二点目です。養殖業の振興についてであります。  水産資源の漁獲量が全国的に厳しい状況となっている中、近年、とる漁業から育てる漁業へと言われてきました。人の手で育て上げる養殖業は水産物の安定供給といった面からも重要で、もっと推進していくべきだと考えております。  また、水産物の価格が低迷している中で、付加価値を高める取り組みが重要だと考えており、現在、唐津市で取り組まれている完全養殖マサバ「唐津Qサバ」の生産、流通は呼子のイカに並ぶ観光の新たな柱になるのではないかと大きな期待を抱いているところです。  県では、養殖生産の安定に向け、これまでどのような取り組みを行ってきたのか。また、唐津市が取り組んでいる唐津Qサバについてどのように考えているのかお伺いいたします。  三点目の今後の取り組みについてです。  玄海地区の水産業の振興を図るために、漁船漁業と養殖業の振興に向けた取り組みを現場の漁業者としっかり話し合いながら、着実に進めていくことが重要と考えております。  県として、玄海地区の水産業の振興のため、今後どのように取り組んでいかれるのかお尋ねいたします。  五問目です。消防防災ヘリコプターの運航についてお尋ねいたします。  今議会で、消防防災ヘリコプター格納庫など拠点施設の工事請負契約に係る議案が提案されており、令和二年度末の消防防災ヘリの運航開始に向けて、県としても航空消防防災体制の整備を着々と進められていると理解しているところです。  ことし八月の令和元年佐賀豪雨災害では、広範囲な浸水被害のため地上からの接近ができず、熊本県や国土交通省などのヘリコプターによる上空からの映像により被害の全容が明らかになったところです。適切なオペレーションができたと聞いており、知事の演告にも消防防災ヘリの有用性を確認したとの発言もありました。  一方で、過去には長野、群馬での墜落事故や、ことし十月には福島県において台風十九号により浸水で孤立した要救助者を消防防災ヘリがつり上げ救助中に誤って落下させるといった大変痛ましい事故が発生するなど、消防防災ヘリによる事故が発生した場合には、人命にかかわる重大な事故になりかねないことも明らかであり、消防防災ヘリの運航に関し、安全に向けた取り組みは極めて重要なものと考えております。  本県が消防防災ヘリを運航するに当たって、こういった事故は絶対に起こしてはならないことであり、そのためにはヘリの運航に携わるパイロットや整備士など、実際に救助活動を行う航空隊員がしっかりと連携し、十分な意思疎通を図りながら救助活動に当たっていくことが大変重要ではないかと考えております。  つきましては、次の三点について危機管理・報道局長に伺います。  一点目として、消防防災ヘリは令和二年度末に運航開始ということですが、それまでのスケジュールについてお伺いいたします。  二点目として、消防防災ヘリを安全に、なおかつ確実に運航していくためには、運航体制をしっかり整備していく必要があると考えております。つきましては、操縦士などヘリコプターの運航に携わる人員や救助活動を行う航空隊員など、どのような体制で運航し、どのくらいの経費を見込んでいるのかお伺いいたします。  最後の三点目ですが、運航開始に向けた訓練についてでございます。  さきにも申したとおり、ヘリの運航に携わるパイロット等と、実際に救助活動に携わる航空隊員が心を一つにし、しっかりと連携しながら業務を行っていくためには、安全運航のための訓練が非常に重要であると考えております。つきましては、運航開始に向けてどのような訓練を行っていくのかお伺いいたします。  以上お伺いし、一回目の質問といたします。(拍手) 31 ◎山口知事 登壇=冨田幸樹議員の御質問にお答えいたします。  私からは、虹の松原の保全に対する所感についてお答えいたします。  日本三大松原に数えられます虹の松原は、クロマツを中心に約百万本もの松が唐津湾に沿って約四・五キロにわたる松原として、日本三大松原の中でも最も広大な景観を有しておりまして、松原として唯一、昭和三十年に国の特別名勝に指定された佐賀県の誇るべき名勝でございます。  特に今申し上げたように、面積が圧倒的であります。ほかの二つの三保の松原、気比の松原はそれぞれ約三十ヘクタールぐらいですが、我々の虹の松原は約二百十ヘクタールということで七倍ぐらいあるわけでありまして、それだけこの美しいまま維持していくのも苦労があるということだと思っています。  約四百年前の初代唐津藩主、寺沢志摩守広高(てらさわしまのかみひろたか)による植林に始まる虹の松原は、玄界灘の厳しい潮風を防ぐだけでなく、すばらしい景観など、松原がもたらす恵みを地域の方々の努力によって守り受け継がれてきたものでございます。  また、多くの観光客が訪れる風光明媚な景勝地でありまして、現在はアニメの舞台となるなど注目も集め、若者たちや海外からの観光客も訪れるなど、重要な観光資源として地域に活力をもたらしております。  議員からお話がありましたように、これまでは核燃料サイクル交付金で取り組んできた基盤整備によりまして、白砂青松の美しい景観を取り戻してきております。これからはこの状態をいかに維持保全していくかといった段階になろうかと思っています。  現在、国や県、唐津市、CSO等関係団体で構成する虹の松原保護対策協議会による松原の保全活動の中では、特定非営利活動法人KANNE(かんね)を中心に、虹の松原を大切に思う市民やCSOなどのボランティアの方々が清掃活動などに熱心に取り組まれております。  また、唐津南高校では平成十六年から松露プロジェクトチームを立ち上げて、虹の松原の保全活動に取り組まれておりまして、さらに昨年はゆめさが大学唐津校を卒業されました十四名の方々が松原の保全活動に取り組まれているなど、地域の宝であります松原を守ろうと活動されている地域の方々の姿を非常に心強く感じております。  将来に向けて持続可能な保全活動を行っていくためには、これまで長年にわたって虹の松原を守り続けてこられたように、地域の方々の手によってこの美しい松原の景観を保ち、将来に引き継がれていくことを期待しております。  時代を超え、世代を超えて地域の方々の強い思いが寄せられております虹の松原は、冨田議員のお話にあるように、貴重な財産であります。県としても、唐津市、国と協力して次世代への継承に積極的に取り組んでまいりたいと思います。  以上です。 32 ◎原県民環境部長 登壇=私のほうからは、虹の松原の今後の保全活動について御答弁申し上げます。  現在、保全活動つきましては、虹の松原を一定の区画に分けまして、その場所を里親のように面倒を見ますアダプト方式でありますとか、年四回でございますけれども、虹の松原一斉清掃大作戦などボランティア活動により実施しております。  これに加えまして、先ほど議員から御説明ありましたけれども、県のほうでは核燃料サイクル交付金を財源といたしまして、計画的に広葉樹伐採、腐食した土壌除去、こういった基盤整備を進めてまいりました。  こうした取り組みの結果、虹の松原の景観は格段に向上して、特に海側のゾーンにつきましては、砂が露出したような状況までだんだん来ておりまして、白砂青松の状態を取り戻しつつあるというふうに認識しております。  今後、この回復した虹の松原の状態を、今のまま何とか維持していく、保全していく、そういう段階に移行していくというふうに考えております。これは先ほど知事も申し上げたとおりです。そのためにも、地域が協働で保全活動に取り組んでいくことが必要になってくると考えております。  しかしながら、虹の松原の保全活動に参加されるボランティアの方だけで、広大な松原全体の保全活動を行うことは困難であることや、清掃活動で生じます松葉や折れ枝などの処理費用、こういったものの課題もございます。当然県の交付金財源にも限りがございます。  そのため、保全活動の維持につきましては、虹の松原が唐津市民、唐津地域の大切な財産でもありますので、県とともに唐津市にも主体的に、積極的に取り組んでいただく必要があると考えております。唐津市は虹の松原保護対策協議会の事務局でもございますので、今後の保全活動の進め方につきまして、現在、唐津市と協議を行っているところでございます。  虹の松原のすばらしい景観を次世代に継承したいという我々の強い思いは全く変わりません。どういった保全の方策が適切なのか、必要となる財源も含めまして、唐津市としっかりと協議をして方向性を出していきたいと、そういうふうに考えております。  私からは以上です。 33 ◎池田農林水産部長 登壇=私からは、玄海地区の水産業の振興についてお答えをいたします。  まず、漁船漁業の振興について申し上げます。  県では、まずは玄海地区における水産資源の回復、増大に向け、魚介類の産卵、生育の場となります藻場の造成や、海藻が喪失する現象、いわゆるいそ焼けの対策、さらに稚苗の放流などに取り組んできたところでございます。  そのうち、藻場造成につきましては、平成十二年度から海藻をふやすための投石や、海藻とエビ、ゴカイなどの餌生物をふやす機能をあわせ持つ増殖礁の設置を行ってまいりました。  玄海地区で見られますいそ焼けにつきましては、主な原因が食用とならないウニの仲間ガンガゼによる食害でありますことから、その対策として産卵期前に駆除を行うなど、効果的な駆除方法を普及するとともに、漁業者みずからが取り組む駆除活動に支援を行うなど、藻場の回復に取り組んできたところでございます。  一方、種苗の放流につきましては、近年、ヒラメやトラフグ、クエ、クルマエビなど、おおむね毎年十二種、六百万尾から九百万尾程度の放流を継続して行っているところでございます。  また、こうした取り組みとあわせまして、コスト削減など漁家所得の向上を図る取り組みも行っているところでございまして、例えば、ケンサキイカを漁獲するイカ釣り漁業につきましては、コストに占める漁船の燃料費の割合が非常に高いことから、県では九州大学や民間企業などと共同いたしまして、ICTを活用したスマート沿岸漁業の取り組みの一環として、漁獲が期待できる漁場を予測し、それを漁業者に伝えることで、漁場を探索するために必要となります燃料の削減につなげるシステムの開発に取り組んでいるところでございます。  続きまして、養殖業の振興についてお答えをいたします。  玄海地区では、現在、ブリ、マダイ、カキ、アワビ、さらにはアカウニなどさまざまな種類の魚介類が養殖されておりまして、近年漁業生産に占める養殖業の割合が高まるなど重要性が増しているところでございます。  そのような中、県では養殖生産の安定に向けまして、魚介類に被害を及ぼす有害な赤潮や病気について、定期的にモニタリング調査を行い、その結果を踏まえまして適正な養殖管理を行うよう指導に努めているところでございます。  具体的には、近年被害が大きいカレニアミキモトイ等の有害な赤潮プランクトンが増加傾向にある場合には、調査の頻度を高めまして、その結果に基づき、養殖している魚介類の早期出荷や養殖いかだの移動など、きめ細かな指導を行いますとともに、魚介類に病気の発生など、異常が認められた場合には、原因によっては投薬方法等の指導も行うなど被害の軽減に努めているところでございます。  次に、唐津Qサバについて申し上げます。  餌を管理することにより、周年を通して脂の乗りがよく、食中毒の原因となりますアニサキスのリスクが少ない唐津Qサバのブランド化は有望な取り組みと考えております。唐津市では平成二十四年度に唐津市水産業活性化支援センターを設置され、九州大学と連携して唐津Qサバの養殖技術の開発に取り組まれております。  これまでの研究によりまして、親のサバから卵をとり、稚魚を生産、また、その稚魚を育てて親とする、いわゆる完全養殖の技術に一定の成果が得られ、平成二十六年度から販売が行われているところでございます。  マサバは高水温や赤潮、さらに病気に弱い魚種でありますことから、県では生産が安定するよう漁場の水質、赤潮の発生状況などの情報を特にきめ細かく提供いたしますとともに、へい死が見られた際には迅速な病気の診断を行ってまいりました。  また、平成三十年度からは、唐津市の委託を受けましてマサバ種苗の量産技術の開発に着手しており、種苗の供給の面においても協力しているところでございます。  唐津Qサバが呼子のイカに続く新たな唐津のブランドになるためには、生産体制の確立、統一した品質管理、販売戦略や販路開拓といった生産から流通にわたる各般の対策について、唐津市が地元関係者と十分連携して取り組むことが重要であると考えており、県といたしましては今後とも唐津Qサバの取り組みが地域の活性化につながるようしっかり支援していきたいと考えております。  最後に、今後の取り組みについてお答えいたします。  県では、玄海地区の水産振興を図るため、引き続き水産資源をふやすための種苗放流や藻場造成などの漁場環境の改善、養殖生産の安定化に向けた研究や技術指導、さらには、漁船漁業に養殖業や水産加工業を組み合わせた経営の多角化などを一層推進していくこととしております。  こうした取り組みを、漁業者の方々や漁業団体、市町などと一体となって推進するため、関係者が一堂に会し、玄海地区の水産業振興策を検討する場といたしまして平成二十八年度に立ち上げました「魅力ある玄海創生会議」におきまして、漁業種類ごとの課題の分析とか、それに対応した取り組みを検討してまいりました。  その取り組みの一つといたしまして、玄海地区のブランドとなり得るアカウニ等のいそ根資源の増大のため、県営による大規模な種苗放流を実施するとともに、種苗を放流した漁業者が漁獲サイズを制限するといった共通ルールづくりなど、資源管理のための取り組みを、玄海地区一体となって推進する体制づくりに漁業者と連携しながら進めているところでございます。  今後とも、玄海地区の漁業者の方々が、意欲と希望を持って漁業に従事できる、そして、次の世代に自信を持ってつないでいけるよう、漁業者や漁協、市町などの関係者と一体となりまして水産業の振興に全力で取り組んでまいります。  以上、お答えいたします。 34 ◎逢坂県土整備部長 登壇=私からは、大きく二つの項目についてお答えいたします。  まず一つ目、洪水時のダムの運用についてであります。
     八月豪雨における県営ダムの洪水調節の状況についてお答えいたします。  県が管理するダムにおきましては、八月二十七日の夕方から二十八日の昼間にかけて全十三ダムにおいてダム貯水池に入ってきた水の全部、または一部をダムに貯留する洪水調節を行い、ダム下流の河川の水位上昇の低減を図りました。  今回の豪雨において県が管理するダムでは、洪水調節容量を使い切り、ダムへの流入量と放流量を同程度とする異常洪水時防災操作、いわゆる緊急放流を行うには至っておらず、計画どおりの洪水調節を実施したことによりまして、ダム下流河川における洪水被害の軽減に効果を発揮したものと考えております。  次に、今後の運用の見直しについてであります。  佐賀県はこれまで幾多の洪水に見舞われてまいりましたが、県が管理するダムにおきまして緊急放流を行った実績はございません。しかし、雨の降り方も激甚化しており、今後ダムの計画を上回る洪水を想定した取り組みが必要と考えております。  国においては、先月二十六日に開催された「既存ダムの洪水調節機能強化に向けた検討会議」におきまして、全ての既存ダムについて水道用水やかんがい用水など利水容量の洪水調節への活用を検討するという方針が示されたところでございます。  この利水容量の洪水調節への活用を進めるに当たりましては、渇水リスクへの対応や、利水者など関係者との調整、ダムごとの構造や特性に合わせた運用の検討などの課題がございます。  県としましては、これらの課題を踏まえ、既存ダムの運用見直しにより、事前放流など洪水調節能力の向上が図られるような検討を進めてまいりたいと考えております。  次に、住民の安全確保に向けた取り組みについてであります。  ダムの運用見直しや施設の改造による洪水調節能力の向上にも限界があり、住民の命を守るためには、ハード対策と合わせたソフト対策による取り組みも必要であります。  その取り組みの一環として、今年度からダム管理事務所長と市町首長との間で、危機事象での情報共有を確実にするためのホットラインを構築いたしまして、運用を始めたところでございます。  また、ダム下流の地域におきまして、緊急放流に至るような想定最大の降雨による浸水が発生した場合の浸水範囲や深さを示す浸水想定区域図の作成を進めております。  今後は、この浸水想定区域図をもとに住民に対しまして早目の避難が重要であることなどを説明し、住民の主体的な避難促進を図る取り組みを市町と連携して行っていくこととしております。  さらに、関係市町の防災担当とも協力して、ダムの緊急放流を想定した住民参加型の避難訓練にも取り組んでまいります。  県としましては、ハード整備とあわせ、このようなソフト対策にもしっかりと取り組み、住民の安全確保に努めてまいります。  続きまして、二つ目の項目の近年の豪雨災害を踏まえた治水対策についてお答えをいたします。  まず、厳木川の整備状況についてお答えいたします。  松浦川の支川に当たる厳木川の国管理区間におきましては、平成二十一年七月に策定された松浦川水系河川整備計画において、築堤や堤防のかさ上げ、河道掘削や橋梁のかけかえなどが計画されております。  河川整備計画で示されている松浦川合流地点から上流約八キロの整備区間のうち、合流点からJR唐津線の本山鉄道橋までの約五・二キロ区間の整備が進められ、平成三十年度までに松浦川合流付近の相知地区での築堤、その上流の湯屋・田頭地区での河道掘削と田頭橋のかけかえ、県道相知厳木線の本山橋上流での一部区間の河道掘削が完了しております。本年度は、本山鉄道橋や本山橋付近におきまして、今後の整備に向けた地形測量や地質調査が行われております。  次に、厳木川の早期整備に向けた取り組みについてお答えいたします。  本山鉄道橋から上流の整備につきましては、事業主体の国によりますと、今後、橋梁区間を含む当該地区の整備に向けた概略設計を行い、関係機関との事前協議を進めると聞いております。  整備に当たりましては、本山鉄道橋と本山橋が近接しているため、関係機関との十分な調整が必要となること。また、家屋が密集しているため、騒音や振動への対応が必要となることなど、さまざまな課題がございます。  これらの課題の解決には、国、県、市、JRなど関係機関が連携しながらしっかりと協議することに加え、地元に対する丁寧な説明も必要でございます。  県としましては、今後事業が円滑に進むよう、関係機関との協議、調整にしっかりと取り組んでいくとともに、予算の確保に向けて国への提案活動などさまざまな機会を捉えて、地元唐津市や関係団体と一体となって国に働きかけてまいります。  最後に、相知町佐里地区の浸水対策の取り組みについてお答えいたします。  唐津市相知町佐里地区では、昨年七月とことし八月に平成二年の豪雨を超える雨が降ったことから住家の床上浸水が発生し、地区を縦貫する県道相知山内線も冠水して通行どめとなりました。  浸水被害が発生した地区は、山と堤防に挟まれて、周辺よりも地盤が低く、水が集まりやすい地形であります。また、国が管理する松浦川とその支川で県が管理する浦の谷川の合流部付近でもありまして、松浦川の水位が高くなると、浦の谷川からの排水が困難となる、そのような地形特性もございます。  県としましては、このような地域の地形特性を踏まえて今回の雨の降り方や浸水被害の状況なども踏まえて、国、唐津市など関係機関と連携し、地元の意見も聞きながら、どのような対策が有効であるか幅広く検討してまいります。  私からは以上でございます。 35 ◎山下危機管理・報道局長 登壇=私からは、消防防災ヘリコプターの運航について三点お答えいたします。  まず、運航開始までのスケジュールについてでございます。  消防防災ヘリコプターの機体、これにつきましては平成三十年十一月議会で承認をいただいた後に正式に発注し、令和二年、来年十二月末納入予定ということになっております。  拠点施設につきましては、今議会においてヘリコプターの格納庫など拠点施設の工事請負契約に係る議案を提案させていただいているところでありまして、ヘリコプターの納期である令和二年十二月までに格納庫などの施設を完成させ、令和三年三月までに施設の外構工事など全ての工事を完了させる予定でございます。  航空隊員につきましては、令和二年四月に県内消防本部から派遣される消防吏員九名を受け入れ、拠点施設が完成する令和二年十二月までの間は、消防学校での教育及び訓練、また、他県の航空隊などに出向いて搭乗訓練などを行うこととしております。  ヘリの運航業務につきましては、来年度当初予算において議決をいただいてということになりますけれども、来年度早々、令和二年四月にも委託先を決定し、ヘリが納入される令和二年十二月までの間は、県内で離着陸できる場所の調査や導入するヘリコプターの操縦訓練などに取り組んでもらうことで考えているところです。  そして、消防防災ヘリコプターの納入後、令和三年一月からは新たな拠点施設において実機による訓練を行い、令和三年三月末に運航開始をすることで考えております。こういうスケジュールで進めているところでございます。  続きまして、運航体制や経費についてお答えします。  消防防災ヘリコプターの運用に当たりましては、安全かつ確実に運航するための体制整備というのは大事なことだと考えています。この運航体制については、県、市長会、町村会、県内消防本部、医療機関などで構成します佐賀県航空消防防災体制整備検討委員会において検討を行い、安全運航に携わる専任職の配置や二人操縦士体制などの安全対策について、平成三十年三月に取りまとめたところでございます。  また、令和元年九月に消防庁から「消防防災ヘリコプターの運航に関する基準」が示され、消防防災ヘリコプターが配備される拠点に、出発の承認や航空消防防災活動の中止の指示などを行う運航責任者を配置すること。航空機の運航その他の航空消防活動に関する専門的な知見を有し、運航責任者、機長その他の関係者に対する助言や教育訓練等基本計画及びその実施計画の立案等を行う運航安全管理者を配置すること。操縦士は二人体制とすること。航空消防活動の実施に関する指揮を行う航空消防活動指揮者を指定すること、こういったことが示されたところでございます。  これを踏まえ、本県では運航責任者、運航安全管理者を配置した上で、消防防災ヘリコプターの運航については二人操縦士体制とし、実際に活動する航空隊員は航空消防活動指揮者を含めた九名体制とすることで考えております。  そして、運航に係る経費、運航業務委託料や部品、資機材、燃料等の費用になりますけれども、これは他県の実績から、年間二億五千万円から三億円程度を見込んでおります。そのほかに消防本部から派遣される航空消防隊の隊員に係る人件費、これを約六千五百万円程度と見込んでいるところです。  なお、航空隊員の人件費につきましては、ことし十月に県内二十市町と県とで締結しました「佐賀県防災航空隊の運営に関する協定」により、基本的な人件費に係る経費は市町が負担することを確認しているところでございます。  続きまして、運航開始に向けた訓練についてお答えします。  これにつきましては、消防庁が示します教育訓練計画に基づき、学科及び実技について所要の教育訓練を行うこととしており、先ほど答弁いたしましたけれども、本県にヘリコプターが納入される令和二年十二月までの間は、消防学校での教育及び訓練、また他県の航空隊などでの搭乗訓練を行い、ヘリコプター導入後の令和三年一月からは実機による訓練を重ね、習熟していくこととしております。  議員からもありましたヘリコプターに搭乗する操縦士、整備士、そして実際に救助活動等を行う航空隊員とのスムーズな連携は大変大事なことだと認識しております。  先ほど申し上げました「消防防災ヘリコプターの運航に関する基準」は、消防庁のほうで過去の事故の教訓等を踏まえ策定されたものですけれども、この中で、消防防災ヘリコプターの安全運航のためには、部隊内における意思疎通やチームワーク向上が必要不可欠として、そのための活動要領を定めることについてこれを求めております。  そこで、本県では、運航開始に向け、救助訓練などの活動訓練はもとより、この基準に基づき定める活動要領に沿って意思疎通やチームワーク向上を図ることも取り組んでいくこととしております。  搭乗するクルーがまさに心を一つにして航空消防活動ができるよう、安全運航のための訓練についてもしっかりと取り組んでまいります。  私からは以上でございます。 36 ◎宮原真一君(拍手)登壇=佐賀県議団の皆様方から党派を超えての拍手をいただきまして、登壇をさせていただきました。大変光栄に存ずるところでございます。この拍手は、県議団の一人である私へのエールの拍手とともに、私を支持していただいている皆様方、そして私の選挙区の皆様方への敬意のあらわれかと存ずるところでございます。このことは三養基郡の皆様方も大変喜んでおられることだろうと思っておりますし、また、県民の皆様方、微笑みながら大変安心をしていただいているところではなかろうかと思うところでもございます。そしてまた、県外の皆様方は大変感心しておられるのではなかろうかと思うところでございます。  私たち佐賀県議会は、国政とは違います。二元代表制であります。そういった形が整えば、大変すばらしい佐賀が誕生していく、また育っていくと私は思っておるところでございます。このことがまた続いていくことを心から願うものでありますし、お願いを申し上げておきたいと思います。  それでは、質問に移らせていただきたいと思います。  テロ対策についてお伺いをさせていただきます。  県内においても原子力発電所にテロ対策をとるようにと、テロに目を向けなければならない背景が生まれてまいりました。現在、テロについては幅が広がり、以前は爆弾テロが多く、声明文がなされ、行動根拠を示し、政府、行政等への抗議をするものであると主張するものであったかと思います。しかしながら、現在ではミサイル型のドローンの使用など戦争兵器となるものの使用から、車で突入し、刃物による無差別殺人、また、先日ロンドンで起きた刃物での無差別テロ事件のニュースが報道されたところであります。  戦争的な武器の使用があるところから、個人的な殺傷事件の領域と広がっており、主張があればテロと言うようになり、個人的なわがまま殺人もテロに含まれるようであります。  となりますと、県内でも発生の可能性があるわけであります。県民の皆様にはその危険性を認識していただかなければなりません。あってほしくないこのような事件を、未然に防げるものであれば防ぎたいものであります。  県、県警でのテロに対する考え方とその対応策について、現状をお伺いいたします。  次に、防水害対策と銘を打って質問をさせていただきます。  ことしも大きな水害が国内でも見られたところであります。先ほど冨田議員もお話になっておりました。関東、北信越、東北では千曲川、阿武隈川など一級河川の大河川が決壊をしたとのことでした。昨年は西日本豪雨、一昨年は北部九州豪雨と災害が発生したのは、まだまだ記憶に新しいところであります。  佐賀県を見てみますと、ことし八月の豪雨では六角川や牛津川沿川、佐賀市中心市街地などで家屋の浸水、幹線道路の長時間冠水と、内水氾濫があったところであります。  私の居住地でありますみやき町でも、昨年、そしてことしは七月、八月に浸水があったところであります。その浸水の風景はまるでベネチアのようでありました。  筑後川沿いの鳥栖市、みやき町、神埼市、佐賀市では近年も浸水があっている状況にあります。みやき町の中央部を寒水川が流れております。その寒水川はここ五十年のうち、昭和四十七年、昭和五十七年、そして平成十三年と決壊をしております。西暦に直しますと、一九七二年と一九八二年と二〇〇一年であります。実は一九九二年にも大変な大雨が降っております。大体この時期は十年周期で大雨が降っていたように思われるところであります。  平成十三年の決壊では自衛隊の出動もあったところです。私は、昭和五十七年と平成十三年の決壊を記憶しております。  平成十三年の決壊は、私が土のうを積んでいるさなか、どんという音とともに決壊したのを今でも覚えております。その後、修復はなされますが、修復であって改善ではなかったため、六月の県議会の時期は、私が住んでおります十一軒の集落では、田植えの時期と同時に土のう積みの時期でもあります。  その後、寒水川の現行は、河川の分岐がなされ、決壊対策により、昨年、ことしの降雨であれば三度の決壊があったと思われるところ、その決壊はなく、整備の効果を感じたところでもあります。  河川の整備については、このように枝をつくり下流の受けを多くし、大きくすることは、これからのあり方として取り入れるべきと思うところであります。  現在の居住体制において、安全性を高めるためには整備の効果を感じるがゆえ、河川改修、排水機などのインフラの早急な整備を願うものであります。しかしながら、その整備促進には予算の確保、地元の合意形成、そして工事と時間がかかってしまいます。  現時点において、まずはみずからの命はみずから守らなければならないとも言われております。安全な場所に避難できるよう、浸水リスクの周知や避難経路の指定といったハザードマップの整備を行うことも重要であると考えます。  県内市町においてさまざまなハザードマップが作成されているところであります。洪水ハザードマップはどのようなリスクを想定し、作成されているのか。また、作成公表状況はどのような状況にあるのか。  七月、八月の豪雨では県内各地で内水による浸水被害が生じたところであります。実際の浸水状況は、ハザードマップで示されている浸水想定範囲と比べてどのような状況であったのかを確認いたしたいと思います。     ○ 時 間 延 長 37 ◎議長(桃崎峰人君) 時間を延長します。 38 ◎宮原真一君(続)=そして、ハード利用についてですが、河川、排水機、クリークなど現在あるインフラに加え、減災・防災の役割を持つ農地整備がほとんど整った水田を活用する形で水害を未然に防ぐ、もしくは減らす試みをしていただきたいと願います。  近年では、気象庁より早くから警報が出されるようになりました。土木、農林の所管の連携により、土地改良区と生産組合まで連携連絡により、前日からクリーク等の水の排水をし、降雨に地域で面的に受けることも提案、お願いをいたすところであります。  今回、防水害対策と銘を打って質問しておりますが、行政用語には水防災対策という言葉があるそうであります。私は未然に水害を防ぐとなれば、防水害が一般的にわかりやすいと思って使わせていただいております。  防水害には、施設と管理機関、関係者や地域住民の皆さんの英知の結集がなされ、施設の能力を最大限に有効活用し、昨今の豪雨に向かい合い、災害にならないようにと重ねて思うところであります。  排水機場の運用ルールの見直しや、クリーク、ため池など、現存施設の有効活用による総合的防水害対策が必要であります。今後、県ではどのような取り組みをしていかれるのかをお伺いいたします。  次に、令和五年国スポ・全障スポについてお伺いをさせていただきます。  県では令和五年国スポ・全障スポ大会に向け、選手、スタッフ、ボランティア、観客など両大会にかかわる全ての人々が最高のパフォーマンスを発揮し、誰もが自分のスタイルでスポーツを楽しみ、共感し合える喜びを佐賀から発信する大会を基本理念とし、選手の最高パフォーマンスの発揮と、「観る」、「支える」などの自分スタイルでスポーツを楽しみ、共感し合えるような喜びを、県民はもとより、全国へ発信する大会となるよう準備を進めていくとされております。  また、SAGAスポーツピラミッド構想も掲げ、アスリート育成プロジェクトも進めていくということであります。加えて、多くの県民の皆様にスポーツに触れていただくようにしていきたいともされているところであります。その環境整備として施設の整備があるわけでございます。  「する」、「観る」、「支える」の観点から言えば、競技ができるだけの施設ではそのことがかなわないわけであります。そこでサンライズパークがあるのかもしれません。しかしながら、大会競技はサンライズパークだけであるわけではありません。できれば、全会場において、「する」、「観る」、「支える」による共鳴、共感、感動が数多く生まれてほしいと望むものであります。  県の考えと進め方についてお伺いをさせていただきます。  私たち日本人は、新天皇様を迎え、令和の幕あけをいたしました。これより令和の時代がよい時代であることを心から願い、三項目答弁を求めます。ありがとうございました。(拍手) 39 ◎逢坂県土整備部長 登壇=宮原真一議員の質問にお答えをいたします。  私には、防水害対策について御質問がございました。これについてお答えを申し上げます。  まず、ハザードマップについてでございますが、洪水ハザードマップにつきましては、想定される最大規模の降雨として、九州北西部地域で過去に観測された最大の降雨量が降った場合に発生する浸水のリスクを想定して作成しております。  これまで十二市町で作成、公表がなされておりまして、令和二年度末までに玄海町、太良町を除く残り六市町で洪水ハザードマップが公表される予定でございます。なお、水防法による作成義務がない玄海町と太良町については、過去の浸水実績をもとに洪水ハザードマップが既に作成、公表されております。  実際の浸水状況とハザードマップとの比較についてでございますが、七月の鳥栖・三養基地区や八月の佐賀駅周辺、及び六角川沿川市町で発生した浸水の主な要因は内水氾濫でありまして、ハザードマップに示されている浸水範囲は、河川からの越水等による外水氾濫を想定したものでございます。この二つは前提とする条件が異なっておりますために、単純に比較することはできませんが、例えば、浸水被害の特に大きかった六角川流域のうち、大町町付近では山と六角川堤防に囲まれたところにおきまして、深さの違いはありますけれども、実際に浸水したエリアは浸水が想定されたエリアとほぼ同じでありました。  また、みやき町江口地先で見ますと、筑後川や国道二百六十四号の北側の地域におきまして、ハザードマップは色づけされておりますけれども、特に浸水の深い想定となっているところ、ここはハザードマップ上、色が濃くなっておりますけれども、そのエリアと今回の浸水エリアはほぼ同じであったというようなところでありまして、浸水すると想定されたところが大体水に浸っているというような状況となってございます。  次に、防水害対策の推進についてでありますが、洪水などの浸水災害から県民の生命や財産を守るためには、まず河川の氾濫による災害を未然に防ぐことが重要でありまして、河川改修などの整備をしっかりと進めていくことが重要であると考えております。  近年では、雨の降り方が局地化、激甚化しておりまして、特に低平地である佐賀平野では甚大な浸水被害が発生しているところでございます。このため、河川整備を進めるほか、排水機場やクリークなどの既存施設を活用した浸水対策を考えて、流域全体で取り組んでいくことは議員御指摘のとおり有効であろうというふうに考えております。  県内の具体事例でありますけれども、佐賀市におきまして、お堀を活用した洪水の一次貯留や佐賀江川での水門の閉門操作やクリークの事前排水によりまして、雨水の貯留ポケットを確保するなどといった、その地域の特性に合ったさまざまな取り組みがなされておりまして、関係機関が連携して行っているというような事例もございます。  また、六角川水系でもことしの八月の豪雨による甚大な被害の発生を受けまして、国、県、市町など関係機関で構成する防災・減災対策協議会におきまして、ため池やクリークなどの既存施設の活用も検討しているところでございます。  県としましては、このような先行的な取り組みを参考にしながら、国、市町や各施設の管理者など、関係機関との連携によりまして、浸水被害対策について流域全体で取り組んでまいりたいというふうに考えております。  私からは以上でございます。 40 ◎山下危機管理・報道局長 登壇=私からは、テロ対策についての県の考え方と対応についてお答えします。  このテロ対策ということでは、県におきましては平成十六年に施行されました、いわゆる国民保護法に基づきまして、平成十八年一月に佐賀県国民保護計画を策定しておりまして、県内で緊急対処事態と言われる大規模なテロが発生した場合には、この計画に基づき対応していくこととなります。  緊急対処事態については、事態対処法第二十五条第一項において、「武力攻撃の手段に準ずる手段を用いて多数の人を殺傷する行為が発生した事態又は当該行為が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至った事態」と位置づけられています。  また、緊急対処事態の事態例としては、国の指針において、「攻撃対象施設等または攻撃の手段の種類」によって、「危険性を内在する物質を有する施設等に対する攻撃が行われる事態」、「多数の人が集合する施設、大量輸送機関等に対する攻撃が行われる事態」、「多数の人を殺傷する特性を有する物質等による攻撃が行われる事態」、「破壊の手段として交通機関を用いた攻撃等が行われる事態」の四つに分類をされております。  国内で大規模テロなどの発生兆候に関する情報が出た場合、県ではこの計画に基づき、佐賀県緊急情報連絡室や警戒本部を設置し、情報収集などの対応に当たることになります。
     その後、万々が一、大規模テロなどが発生した場合や発生する明白な危険が切迫した場合には、政府において緊急対処事態の認定が行われ、県は緊急対処事態対策本部を設置し、国や関係機関と連携して警報の伝達、避難の指示、救援、武力攻撃災害への対処、生活関連等施設の警備強化の要請など、所要の措置を行うこととなります。  事態への対応が自然災害の場合と大きく違いますのは、自然災害は現場で起きている情報が市町に伝わり、市町から県、県から国へと下から上へ情報を伝達することになりますけれども、国民保護におきましてはルートが逆になりまして、国のほうから一元的な形で県、市町、現場にJアラートやエムネットという通信システムを用い、情報がおりてくることになります。  そして、いざというときにその情報伝達が円滑にいくよう、また、その実効性を高めるためにJアラートについては年に四回、エムネットについては毎月、国と県、市町間において情報伝達訓練を行っているところでございます。  県民の生命、身体、財産、暮らしを守るということは県の大きな使命であり、万が一、事態が発生した場合には、県としての責任が果たせるよう、国を初め関係機関と連携し、しっかり対応してまいります。  なお、緊急対処事態に至らないような場合、小規模なものであったり、あるいは何かよくわからないけれども、大変なことが起こっているようだと、そういった場合であっても、初動におくれがないように、平成三十年三月に県独自にマニュアルを作成しまして、これに基づき情報連絡室を設置し情報収集を行い、関係機関と情報共有をするなど、必要な措置をとっていくこととしておりまして、また、その対応についての訓練も毎年行っているところでございます。  私からは以上でございます。 41 ◎田中文化・スポーツ交流局長 登壇=令和五年国スポ・全障スポ大会に向けまして、わが町スポーツや地域に根差すような、どういう考えで取り組んでいるのかというようなお尋ねがありました。  県では、SSP──SAGAスポーツピラミッド構想に基づきまして、それぞれのスタイルで誰もがスポーツを楽しめる社会の実現に向けまして、スポーツ文化の裾野の拡大を図り、スポーツの力で世界に誇れる人づくり、地域づくりを進めるため、さまざまなスポーツ施策を精力的に推進しております。  二〇二三年、令和五年の国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会におきましても、このSSP構想の考えや視点にそってさまざまな準備を進めているところでございます。  議員御指摘のとおり、国スポ・全障スポの準備に当たりましては、スポーツを「する」楽しみ、「観る」感動、「支える」喜びの機運づくりを進めるとともに、施設整備におきましては、選手、観客、ボランティアなど大会にかかわる全ての方々がスポーツを楽しみ、感動を味わい、また、大会後はスポーツを通じて地域の活力を生み出すための拠点となりますよう、県と市町、競技団体が役割を分担しながら、お互い協力し、進めているところでございます。  例を挙げますと、佐賀市では富士しゃくなげ湖のボート・カヌー施設の新設に当たりまして、観客に見やすい会場づくりのため、観覧広場の整備を進めておられます。大会後には、国内外からのキャンプ誘致にも取り組んでいくこととされております。  また例えば、嬉野市では、レスリング、なぎなたの会場となるように予定されておりますが、約五百席の観客席と空調設備を備えた体育館を新設されまして、今後バレーボールを初めとした屋内競技の大会や、スポーツ合宿の受け入れなども視野に入れておられると聞いております。  また、多久市は、弓道競技の会場に予定されておりますが、県内にこれまでなかった弓道の近的競技、遠的競技が一体的に実施できるような設備となっておりまして、観客席も常設された総合施設の整備となっております。これも大会後は競技団体と連携して、県内弓道の拠点としての活用を目指しているというふうに聞いております。  二〇二三年の国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会に向けては、誰もが自分のスタイルでスポーツを楽しみ、共感し合える喜びを、県民はもとより、全国に向けて発信する大会となるようにしていきたいと考えております。  また、大会後には佐賀大会のレガシーが地域にしっかりと根づき、スポーツ文化が裾野を広げていけるようしっかりと準備を進めてまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。 42 ◎杉内警察本部長 登壇=私からは、テロ対策に関しまして、県警察の考え方と対応についてお答えをいたします。  テロの発生を許せば多くの犠牲を生みますことから、テロ対策の要諦はその未然防止にあると認識し、県警察におきましては、総合的なテロ対策を推進しているところであります。  具体的には、関係機関と連携しつつ、テロ関連情報の収集、分析を行い、これらを活用して重要施設の警戒警備を行いますほか、不特定多数の人が集まる各種イベントや公共交通機関、大規模集客施設等において、主催者や管理者に対し、必要な安全対策の要請を行いますとともに、制服警察官による巡回やパトカーの活用による「見せる警戒」などの警戒警備活動を実施いたしております。  一方、テロを未然に防止するためには、警察の活動に加え、警察と関係機関、民間事業者、地域住民等と密接に連携して、官民一体となったテロ対策も推進していく必要がございます。  このため県警察では、八十八の関係機関、事業所、団体等で構成をする「テロ対策パートナーシップ佐賀」を平成三十年十月に、さらに県下全警察署にも本年六月までに同様の「警察署版テロ対策パートナーシップ」をそれぞれ設置し、テロに対する協働対処の枠組みを構築したところであります。  この中で、爆発物の原料となり得る化学物質の販売店、テロリストが利用する可能性がある旅館、ホテル等の宿泊施設やレンタカー等の各事業者に対しまして、顧客に対する本人確認の徹底等の働きかけを行い、テロリストによる悪用の防止を図るなどの取り組みを行っているところであります。  引き続き、この官民連携の枠組み等を活用しまして、施設管理者に対し、自主警備の徹底の要請や不法事案への注意喚起を行うなど危機意識の醸成に努めていきますほか、消防を初め関係機関と連携をしました訓練等を継続し、テロの対処能力の向上を図っていく方針としております。  万が一、テロなど緊急事態が発生した場合につきましては、不法行為者の数、動向、武装状況等、まず状況を把握するための情報収集を行いつつ、住民の安全対策を第一義として、避難誘導や交通規制を実施しますとともに、犯人を早期に制圧、検挙するため、速やかに資機材等を装備した機動隊や捜査員を投入するなどの措置を講じることとなります。  今後も、県警察では未然防止及び事態対処の両側面からテロ対策を推進し、県民の安全・安心の確保に努めてまいりたいと考えております。  以上となります。 43 ◎議長(桃崎峰人君) 以上をもちまして、一般質問を終了いたします。     ○ 請 願 提 出 44 ◎議長(桃崎峰人君) 次に、請願が一件提出されております。これは皆様のお手元に配付いたしております請願書のとおりであります。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 請第三号請願  私学助成の大幅増額・教育費の保護者負担の軽減・教         育条件の改善をもとめる請願書      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━     ○ 請 願 上 程 45 ◎議長(桃崎峰人君) 請第三号請願を議題といたします。  請第三号請願につきましては、既に上程中の議案とあわせて審議することといたします。     ○ 委 員 会 に 付 託 46 ◎議長(桃崎峰人君) ただいま議題となっております甲第四十三号議案から甲第四十五号議案まで三件、乙第八十一号議案から乙第百三号議案まで二十三件、及び請第三号請願、以上の議案及び請願を皆様のお手元に配付いたしております議案付託表及び請願一覧表のとおり、それぞれ所管の委員会に付託いたしたいと思います。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 47 ◎議長(桃崎峰人君) 以上をもちまして、本日の日程は終了いたしました。  なお、あす七日及び八日は休会、九日及び十日は議案審査日、十一日及び十二日は各常任委員会開催、十三日は議案審査日、十四日及び十五日は休会、十六日は特別委員会開催、十七日は本会議を再開して委員長報告を行います。  本日はこれで散会いたします。     午後五時十六分 散会 Copyright © Saga Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved. ページの先頭へ...